側溝の底からグレーチング越しに伸びていたアカバナ
【アカバナの花。】 |
事務所の通路上にある側溝からアカバナが伸びていた。
めずらしい。
ここでアカバナを見るのは初めてである。
どこからやってきたのか、可憐なピンク色の花を咲かせている。
アカバナといえば、青森市の新中央埠頭で見つけたオオアカバナの花が思い浮かぶ。
環境省レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているあのオオアカバナである。
オオアカバナの名は、大型のアカバナであることに由るという。
アカバナは、オオアカバナと違って絶滅危惧種ではない。
山野の湿地を好む山野草である。
そのアカバナが側溝の底で生育しているのは、私が側溝の掃除を怠っているからだ。
長年に渡って溜まった汚泥に根をおろしているアカバナ。
私の怠慢のおかげで可憐な花を咲かせている。
そのアカバナが側溝の底で生育しているのは、私が側溝の掃除を怠っているからだ。
長年に渡って溜まった汚泥に根をおろしているアカバナ。
私の怠慢のおかげで可憐な花を咲かせている。
きのう見つけた松原公園のツリガネニンジンも、今日見に行ったら無くなっていた。
摘まれてしまうのが、きれいな花の運命。
野草ファンの楽しみも、早々摘まれてしまった。
だが、このアカバナは摘まれてしまうことはない。
大家さんにお借りしているとはいえ、ここは私の「領地」なのだから。
この可憐なアカバナを摘むものは誰もいない。
上の写真では分かりにくいが、茎に細かい毛が生えている。
花の基部の花柄※は、実は花柄ではなく長い子房※であるという。
長い子房の下に短い花柄がある。
【※「花柄(かへい)」とは、花序や果実を支えるための茎。「花梗(かこう)」ともいう。】
【※「子房(しぼう)」とは、被子植物の雌しべの下部にある、膨らんで袋のようになっている部分。中には胚珠(はいしゅ)があって、そこで受精が行われ、種子ができると熟して果実になる。】
【※「花柄(かへい)」とは、花序や果実を支えるための茎。「花梗(かこう)」ともいう。】
【※「子房(しぼう)」とは、被子植物の雌しべの下部にある、膨らんで袋のようになっている部分。中には胚珠(はいしゅ)があって、そこで受精が行われ、種子ができると熟して果実になる。】
花の中央から飛び出している白い突出物は、柱頭(めしべの頂部)。
上の写真で、上に突き出している細長い緑色の棒状のものが蒴果※という果実。
この果実が、秋の中頃に成熟して開裂する。
【「蒴果(さくか)とは、果実(裂果)の一種。二枚以上の心皮からなる子房で、成熟すると果皮が乾燥して、縦に開裂して種子を出す。】
開裂して種子が四方に散り、栄養分の豊富な側溝はアカバナの楽園になるであろう。
側溝でアカバナを育てている老人は、大家さんの心配の種になるであろう。
この果実が、秋の中頃に成熟して開裂する。
【「蒴果(さくか)とは、果実(裂果)の一種。二枚以上の心皮からなる子房で、成熟すると果皮が乾燥して、縦に開裂して種子を出す。】
開裂して種子が四方に散り、栄養分の豊富な側溝はアカバナの楽園になるであろう。
側溝でアカバナを育てている老人は、大家さんの心配の種になるであろう。
下の写真を見ればわかるが、葉には荒い鋸歯がある。
葉のつき方が、対生であるか互生であるかは、この写真では判然としない。
しかしこの野草は、誰にも摘まれることなく枯れるまでここに居続ける。
葉のつき方や果実が熟す様子を、これからじっくりと見ることができる。
摘まれることのない「楽しみ」である。
なお「アカバナ」という名は、秋になって茎や葉が紅紫色に変わることに由るという。
なお「アカバナ」という名は、秋になって茎や葉が紅紫色に変わることに由るという。
この茎や葉の変化も、「楽しみ」のひとつである。