細い茎と4枚の大きな葉の輪生が特徴的なツクバネソウ
花が終わったツクバネソウ。果実のまわりに雄しべが残っている。 |
尾根の林床で、花の終わったツクバネソウを見つけた。
細い一本の茎の上部に、葉柄のない四枚の葉が輪生しているのがツクバネソウの特徴である。
輪生の葉がついている場所を茎頂とすれば、輪生の葉の中心から突き出している5cmぐらいのものが花柄にあたるのだろう。
花柄の先に、直径1cmぐらいの丸っこい果実がついている。
果実の基部には4枚の外花被片(萼片)が、4枚の輪生の葉と呼応するようについている。
草丈は30cmぐらいだった。
林床に点在しているツクバネソウのなかで、比較的大きなものを写真に撮った。
ネットにあがっているツクバネソウの花の写真を見ると花弁がない。
蕾のときは、緑色の外花被片が閉じた花びらのように見える。
花は目立たない山野草だが、一本立ちの細い茎と4枚の葉は、遠くからでもよく目立つ。
下の写真では、輪生している大きな葉が舞台のように見える。
果実は、その舞台の真ん中で独り芝居を演じているピエロのようだ。
不思議な存在感を持った野草である。
名前の由来は、黒く熟した果実の形が羽根つきの羽(羽子)に似ているからとのこと。
シュロソウ科ツクバネソウ属の多年草である。
葉が輪生。葉柄はない。 |
林床に点在しているツクバネソウ。 |
4枚の外花被片(がいかひへん)の上で黒紫色に成熟しつつある果実。 |
果実の基部に雄しべ花糸(かし)が残っている。 |
細い茎。 |