2022/03/14

プーチン大統領とロシア国民の「相関関係」について考えたこと

P氏

BBCやCNN

毎日、BBCワールドニュースやCNNインターナショナルの同時通訳放送をテレビで見ている。
これらのニュースによると、プーチン政権下にあるロシア軍は、ウクライナの民間人を攻撃の的にしているという。

ロシア軍は、学校や病院、庁舎などの公共施設をミサイル爆撃しており、多数の民間人死傷者が出ているという。
ニュース映像には、担架で運ばれる重傷者や、頭から血を流して避難する民間人の姿が映し出されている。
ロシア軍の攻撃でお腹を負傷した妊婦が、懸命の手当の甲斐もなく、母子ともに亡くなったことも報じられている。

日本のメディアも、ロシア軍は民間人を攻撃しており、一般の住宅地域にも爆撃を繰り返していると報道している。
避難中のウクライナ人母子がロシア兵に銃撃されて、三人とも死亡したというニュースも流れた。

ロシア国営放送

一方ロシア(ロシア連邦)国内では、プーチン政権の指揮下にあるロシア国営放送が、ロシア軍は民間人を攻撃していないと報道しているらしい。
病院には患者や医療関係者はいなくて、ウクライナのテロリストの工作員がたてこもっていたので病院を爆撃したのだと報道しているらしい。

BBCやCNNによると、ロシア国内ではインターネットが遮断されており、西側メディアへのアクセスも不可能になるなどの情報統制が強化されているとのこと。
なので、ロシア国民の大多数は、プーチン政権率いるロシア軍がウクライナで一般人虐殺を行っていることを知らないらしい。

侵攻を防いでいるウクライナ軍の反撃のために、多くのロシア兵が命をおとしていることも、ロシア国内では伏せられているという。
善良なロシア国民の情報源は、プーチン政権の代弁者であるロシア国営放送に限られているとのこと。

プロパガンダ

プーチン大統領は、ウクライナのゼレンスキー政権をナチス・ドイツに追随する「ネオナチ」と公言し、ウクライナの「非ナチ化」のために軍事作戦を展開しているとロシア国民に説明している。
ウクライナ侵攻は、ウクライナ政府によるロシア人虐殺を防ぐためにプーチン政権が行っている正義の軍事行動(平和維持活動)であると信じているロシア国民が大勢存在するとのこと。

プーチン政権は、「ウクライナの研究施設で生物兵器が開発されていたことが確認された」というロシア国防省の主張を繰り返している。
また、ハリコフの州政府庁舎がミサイル爆撃を受けたことについては、「ウクライナ軍による誤射である」と主張している。

これらの報道がロシア国営放送から流れ、西側メディアは、これらはプーチン政権維持のためのプロパガンダ(政治宣伝)であると断言している。
プーチン大統領は、自身の政策と侵略戦争を推し進めるために「嘘」をついて善良なロシア国民と善良なロシア兵を騙しているというのだ。

「相関関係」

そうだとしたら、プーチン大統領が存在するためには、騙されやすいロシア国民が存在しなければならない。

また、騙されやすいロシア国民を維持するためには、プーチン大統領は情報統制とプロパガンダなどを強化し続けなくてはならない。

プーチン大統領とロシア国民とのこんな関係について考えていたら、「相関関係」という言葉が思い浮かんだ。
相関関係とは、「一方が他方との関係を離れては意味をなさないようなものの間の関係。」と広辞苑にある。

プーチン政権がロシア国民を、情報統制とプロパガンダで支配しなかったら、プーチン政権は意味をなさない。
また、ロシア国民がプーチン政権から離れたら、騙されやすいロシア国民は意味をなさなくなる。
つまり、ロシア国民は騙されなくなる。

プーチン政権下ではない諸外国(日本でも)では、ロシア人は反戦デモでウクライナ人と行動を共にしている。

また、ロシア国内にもプーチン政権から離れた人たちがいて、戦争反対の街頭デモなどを行っている。
この反プーチン政権や疑プーチン政権の人たちには、プーチン政権のプロパガンダは意味をなさない。
デモ参加者は、警察の暴力で取り締まられている。

プーチン政権のウクライナ侵攻を支えているのは、多数の「プーチンを支持するロシア国民」である。
「プーチンを支持するロシア国民」が、自覚しているかいないかは不明だが、ウクライナ侵攻を激化させているに違いない。

憎悪エネルギー

ロシア人は第二次世界大戦中にナチス・ドイツから非人道的に労働を強制された経緯がある。
そのため、ロシア人はナチス・ドイツに対して憎悪感や恐怖感をいだいていると言われている。

プーチン大統領が、ウクライナ政府はネオナチであると宣伝すれば、ロシア国民は「ウクライナ政府=ネオナチ」と決め込んで憎悪感や恐怖感を持つようになることだろう。

プーチン大統領とロシア国民の「相関関係」について考えていたら、ロシア国内で生活している「プーチンを支持するロシア国民」がウクライナ政府やウクライナ人に対して憎しみを徐々に募らせているのではないかと思うようになった。

NATOの東方拡大を阻んで、ソビエト連邦を復活させようとして、プーチン政権はウクライナを侵略し破壊していると日本のメディアは報じている。

その野蛮な行為を支えているのは、プーチン政権のプロパガンダに惑わされている善良な「プーチンを支持するロシア国民」の憎悪エネルギーかもしれない。
憎悪感と恐怖感を植え付けられた「プーチンを支持するロシア国民」の集団ヒステリーが、ロシア兵をウクライナ人殺戮の前線に送り出しているのだろう。

ロシア国内の恐怖

ウクライナやアメリカや日本在住のロシア人が、ウクライナの惨状をロシア国内で暮らしている親や友人に電話で伝えても、親や友人はその話を信じてくれないという報道をよく耳にする。
ロシア軍は正義の戦いをしているのだから、ロシア人と同胞のようなウクライナの民間人を攻撃するはずがないと。

親が、息子や娘の話を信じないというのは本当だろうか。

私の邪推かもしれないが、その親や友人は知らないふりをしているのではないだろうか。
ほんとうは、うすうす感づいているのではあるまいか。

もしこの電話が盗聴されていて、息子や娘の話に相槌を打ったことがロシア当局に知られたら、ひどい目にあう。
そういう恐怖感から、あえて知らないふりをしているのかもしれない。
それほど、ロシア政府は恐怖政治を実行しているのだろう。

プーチン大統領とロシア国民の「相関関係」を成り立たせているのは、プーチン大統領によって植え付けられたロシア国民の恐怖心なのではあるまいか。

最後に

BBCやCNNの報道を、私がどこまで正確に理解しているのかという問題もあるが。
断片的ながら、少々の理解は得ているつもりである。
その程度の田舎ジジイでも、ロシアについて、こんなことを考えざるを得ないのだ。

ロシアの軍事侵略行動が制止されたとしても、破壊されたウクライナに平穏は訪れるのだろうか。