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北八甲田・雛岳の素晴らしい急斜面

2022/04/27

ブナ林の向こうに雛岳が頭を出している。空は薄曇り。

北八甲田の箒場(標高約606m)から、雛岳(標高約1240m)の北東の尾根を登った。
食堂の裏からスタートして、雛岳山頂をめざす直登コース。
スキーヤーにポピュラーなコースだ。

朝方は曇天。
今日は、午後にかけてしだいに良くなるという天気予報。
薄い雲がかかっていた雛岳上空は、昼頃に陽が射し始めた。

なんだか雪が少ない。
なんだか落枝が多い。
山は静かで、GW後半の雰囲気だ。
GWは、まだ始まっていないのに。
などと思いながら、ゆっくりと登る。

いつもなら若者のグループに追い越されるころなのだが、今日の登山者は私ひとりみたいだ。
若者は若者の山を行け、爺は爺の山を行く。
などとつぶやくこともなかった。

標高1050mぐらいまで登ると、ブナ林が終わって、視界が開けてくる。
無立木の大斜面が目の前に広がる。

北八甲田の他のピークだと、これぐらいの標高ではアオモリトドマツの純林になるのだが、雛岳は違う。
ブナの木が途切れると、ダケカンバがまばらに生えているだけの急斜面になる。

急斜面になるとシール登高が怖くなった。
スリップして滑落しないかという不安。
そんなときは、シール登高をあきらめてアイゼンに履き替えるのだが、今日は忘れた。

なので、キリをつけた。
登ってきた尾根の一本西側の尾根は、上部で「行き止まりの尾根」になる。
左側は危険な雪庇。
右側はダケカンバの密なヤブ。
登って行くと、雪庇とダケカンバに挟まれて、安全な雪面が消える。

「行き止まりの尾根」に移って、赤倉岳方面の景色を眺めながらランチタイム。
少し休んだら元気が出て山頂まで行きたくなったが、「行き止まりの尾根」ゆえ行けない。

今日の最高高度は1,133m。

帰りは、落枝地帯を避けて調子よく滑っていたら、登ってきたコースを大きく外れて、「箒場岱コース」に合流した。
「箒場岱コース」にブナの落枝はなかった。

落枝地帯は、スキーを担いで下りようと思っていたのだが、外れたおかげで担がずに済んだ。

ゆるい斜面のブナ林を登る。だんだん落枝が雪上に増えてくる。

ブナ林を抜けると、無立木の大斜面があらわれる。赤倉岳方面から黒っぽい雲が東方向に張り出している。

「行き止まりの尾根」から山頂付近を眺める。

尾根の雪庇から箒場方面を覗き込む。

赤倉岳にかかっていた雲が白っぽくなった。晴天の兆し。

フラットな尾根の斜面を滑った。

急斜面。

林間へ落ちていく急斜面に飛び込む。

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