散歩中のカラスの攻撃
石敷きのスロープを上がって、右手が木立に囲まれた築山。 |
公園の築山
朝夕の散歩で出かける公園に、遊歩道から1.5mぐらい高い小さな築山(つきやま)がある。手前のスロープの落差を合わせると、2.5mぐらいの高低差だ。
その小さな山は、森の中のように背の高い木立に囲まれている。
短い距離だが、やわらかい土を踏んで歩ける気分の良い場所になっている。
木立は、コナラ、ミズナラ、エゴノキ、モクレン、サルスベリ、オオバボダイジュ、カラマツ、ニワウルシ、ケヤキと樹種も雑多。
速足で坂道を登ったり下りたりするのは、散歩の運動効果を高める。
老人の心肺機能を高める。
なので、この場所に来ると、遊歩道を外れて小山に登り、小山の尾根を歩いて遊歩道に合流するのが私のお決まりになっている。
吠えるカラス
6月の中旬に入ってから、この小山でカラスに吠えらることが多くなった。カラスの止まっている木の下を歩くと、カラスが犬みたいにガーガーと吠えるのだ。
そのうち、私が小山を下り終えると、カラスが背後から頭の横すれすれをかすめて、低空飛行をするようになった。
威嚇されている、カラスの野郎に。
空気音がしたかと思うと、カラスの弾丸飛行が耳のすぐ近くを飛び去る。
小山から離れて、遊歩道を20mぐらい進む間に2~3回、この低空弾丸飛行攻撃が続く。
一周700mの公園を一回りして、また石敷きのスロープを登り、小山に足を踏み入れると、カラスの吠え声。
小山を下って、遊歩道を進むと低空弾丸飛行攻撃の繰り返し。
カラスに怒る爺
「カー公、なめてんのか、コノヤロウ!」齢をとって怒りっぽくなったのか、地面に落ちていたカラマツのマツボックリを木の上のカラスめがけて投げつけてやった。
バカな老人(私)だ。
火に油を注ぐとはこのこと。
今は、カラスの産卵・子育ての時期。
カラスの親は警戒警報発令中なのだ。
子を守る親ガラス
巣の近くで、ちょっとでもおかしな動きをすれば、わが子を守るためにスクランブルする。この時期は、ガーガーと吠えるカラスには近づかないことがイチバンの対策。
そうすれば、カラスに攻撃されることはないだろう、と反省。
子育てに懸命な親を刺激してはいけない。
情報収集
それはそうなのだが。カラスは長年空を飛び回って情報収集しているのではないだろうか、という危惧もある。
人口減少で、活きのイイ人間の数が減っていることを、カラスは知っている。
公園の中は、ちょっと脅せばよろける老人ばかりだ。
一方カラスは、「拡大再生産」を繰り返している。
カラスの資本シュギ社会は、まだまだ発展スル。
その結果、活きのイイ若者カラスが増えた。
ヒトの分が悪くなった
ああ、ダメだダメ。人間と動物、活きのヨサが五分と五分でなければ共存できない。
カラスは、自分たちに分(ぶ)がある事を知っているから、攻撃を緩めないだろう。
案外クマも、そんな情報を得ているのかもしれない。
活きのイイ人間が減ったと。
自分たちは、人間の老人よりも分があるのだと。
ひょっとしたら、マダニにもそんな情報(活きのイイ人間の数が減っている)が伝わっているのかもしれない。
マダニ感染症で、亡くなる老人が全国で増えている。
人間以外の生物も、情報収集に余念が無い。
カラスの横暴とも思える警戒心も、クマの出没もマダニ感染症も、活きのイイ人間の減少に反比例して増えているのではないか。
人間と動物の活きのヨサが五分と五分でなければ、ヒトは公園の自然さえ楽しめない時代になったのだ。
木の葉に隠れてカラスの巣は見えない。 |