雑談散歩

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公園へ雪を運ぶためのスロープをつくる

夜に除雪(ブルドーザー)が来て、通行する自動車のタイヤで踏み固められた家の前の道路の雪を、駐車場の前へ寄せていった。

除雪のブルドーザーが来ると、右の写真のように、家の駐車場と自動車道路の間に、ゴロゴロした雪の塊の塀が出来てしまう。

これではクルマの出入りが出来ないし、人だって、この雪の塀を乗り越えるのは容易ではない。

ブルドーザーによる除雪は、積雪時のクルマの往来の利便を図るための「公共サービス」なのだが、道路沿いの住民の日常生活を圧迫もしている。

雪国の住民がもっとも望んでいるは、「排雪」という、ダンプカーで路上の雪を運び去ってくれる「公共サービス」である。

だが、市の予算の関係とかで、その恩恵には、なかなかあずかれない。

通常の市民生活を維持するためには、ブルドーザーが置いていった、この雪の「障害物」を片付けなければならない。

しかも、通勤前に。

だから、雪の積もる冬場は、雪国では早起きが必須となる。

雪かきをしないと仕事に出れないからだ。


雪を近くの公園に運び入れるためには、公園の柵を越えるための雪のスロープが必要。

そこで、スノーダンプで駐車場の前の雪を公園の角に運びながら、徐々にスロープをつくっていく。

それが、雪のスロープ作りのベストな方法であろう。

雪のスロープが急過ぎては、雪を満載したスノーダンプを押して登れないので、スロープの傾斜は緩くなければならない。

そうするためには、スロープの距離を長くすれば良いのだが、あまり長くして道路を占領してしまっては、通行の妨害になる。

周辺住民同士の協和をもとに、公園の雪のスロープは細々と形成されるのである。

この、あちこちに形成される、にわか作りの貧弱な「工作物」が、雪国に暮らす庶民の日常を支えているのだ。


除雪で削られた雪のスロープの断面。
スロープを形成すべく雪を積み上げる。
だいぶ形ができてきたが、登るにはまだ充分ではない。
スロープの上の部分を滑らかにする。
これでやっと、スロープと公園の雪山が通じた。
こうして、公園の奥へ奥へと、家の前の雪が運ばれる。

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