雑談散歩

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探し物を探している夢、井上陽水「夢の中へ」

白い岩

探し物をしている夢を、たまに見る。

たいていは、自分が小学生だった頃が、夢に現れる。
教科書を探したり、消しゴムを探したり、ズックの上履きを探したり。

あるいは小学生らしく、なんとなく不確かな儚いものを探したり。
あるかないかわからないものに夢中になったり。

探し物は、とんでもない場所で見つかったりする。
まったく見つからないときもある。
夢の中で探し物をしている自分は、いつも小学生なのである。

しかし、夕べ見た探し物の夢はちょっと違っていた。
現在の自分が、探し物をしている夢なのだ。
しかも、探し物が何であるか分からない。
わからない探し物を、探している夢。

フロイト先生が聞いたら、なんとおっしゃることだろう。
これは、どういう暗示なのか。

とにかく、なかなか見つからない探し物を探している。
そういえば、そういう歌があったっけ。
探しものは何ですか
見つけにくいものですか
これは可笑しい。
笑える。
探し物をしながら、探し物の歌のことを思っている。
ま、探し物をしているのだから当然なのだけれど。
労働をしているときは、労働の歌。
探し物のときは、探し物の歌。
カバンの中もつくえの中も
探したけれど見つからないのに

そう、思いつく場所は、すべて探した。
二度も三度も。
四度も五度も。

一本の木
まだまだ探す気ですか
見つかるまでは探さなければならない。
それが何であるかは知らないけれども。
もし探し当てることが出来たら、それが何であるかわかるはず。
それより僕と踊りませんか
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか
ウーウー ウーウー
夢の中へだなんて。
探すことなんかやめて、眠ってしまったらどうだという歌なのか。
でも、眠ってしまったらこの始末。
夢の中で、まだ探し物をしている。
いったい何を探しているのか
探すのをやめた時
見つかる事もよくある話で
そういえば、小学生の頃は何を探していたのだろう。
探すのをやめて、そんな思いを巡らしていると目が覚めた。
現実にかえったら、探し物なんか何もない。
はいつくばって何かを探していたのは夢の中だった。

夢の中でいったい何を探していたのだろうと、一心に思い出そうとしたが、思い出せない。
もともと、何を探しているのかわからなかったのだから。
何を探しているのかわからないという夢だった。

けれどもまた、あのなつかしい夢の中へ行ってみたいと思ったりしている。
一心に何かを探している夢。
それは確かに少年の夢なのだ。
少年の夢を探している現在の自分。
探しものは何ですか
まだまだ探す気ですか
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか
「色文字部分」:井上陽水作詞「夢の中へ」より引用。)
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