2016/05/24

今年初のヤブ漕ぎ山登りは、青森市滝沢地区の葉抜橋山(はぬきばしやま)

葉抜橋山への導入部。
下の地形図に、「樺(かば)はぎ橋」と記されているのは、野内川を渡る橋のこと。
橋を通っている道路は、青森県道257号線(みちのく有料道路)。
その橋の西側(左)に、もうひとつ橋がある。
橋の名前は「葉抜橋(はぬきばし)」。

この橋の南側にそびえている標高615.2メートルの山の名が「葉抜橋山(はぬきばしやま)」。

辞書で調べると、「葉抜き」とは、盆栽用語で、アカマツやクロマツの葉を抜いて整理することとある。

「葉抜橋山」の名前の由来が、盆栽用語の「葉抜き」にあるのかどうかは不明。
山の名前が、「葉抜橋」という橋の名前に由来するのかどうかも不明。

野内川の川原からすっと立ち上がった形の山。
その山の名前が、「葉抜橋山」とは面白い。
人工物の「橋」の方が先にあって、それが山の名前になったのかと思わず考えてしまう。

逆ではないのか。
山の名前が「葉抜山」で、そのふもとの川にかかった橋の名前が「葉抜山橋」なら、それですんなり通るのだが。
関連市町村の役所の「誤植」によるものなのではと、妙な勘繰りがわいてくる。

地名には、「呼び名」としての「音」だけがあって、後でそれに漢字をあてがっただけのものも数多く存在する。
極端なものが、北海道の「ニイカップ」を「新冠」とした漢字表記。
たぶん「葉抜橋山」という山の名前も、そんな感じなのではないだろうか。
というのは、私の勝手な推測。

本日の行程図(赤色点線:登り、青色線:下り。行程線はブログ管理人の書き込み)。出典:国土地理院ホームページ。

冬期に野内川越しに眺めた葉抜橋山。このあたりの山のなかでは山容が大きい方である。東南面が断崖状になっているのが、この写真から確認できる。

今日は、その葉抜橋山に、登った。
登山道の無い山なので、ヤブ漕ぎ覚悟で登ったのだが、たいしたヤブは無かった。
9合目付近の、15メートルぐらいの距離の、ネマガリタケのヤブが唯一のヤブ漕ぎだった。
それ以外は、背の低い草が生えている尾根筋を心地よく登ることができた。
尾根の下の方では、クロモジの低木が多かったのが特徴的。
そのクロモジも、行く手をさえぎるほどのものではなかった。

葉抜橋の西側のたもとに乗用車3台分ぐらいの駐車スペースがある。
そこにクルマを止めて、7時30分に出発。
スタート地点の標高が125メートルぐらい。
そこから、作業道跡についている踏み跡を辿って、標高220メートルぐらいまで登った。
エゾハルゼミの鳴き声が、夏山雰囲気。

作業道跡にかすかな踏み跡が付いている。

踏み跡を辿って登る。

道のように見えるが、雪崩のシュートコースかと思われる。かなりの斜度で、ここは登れない。

上の写真の「雪崩のシュートコース(アバランチシュート)」を見上げている位置は、標高320メートルぐらい。
ここで、登ってきた支尾根から、葉抜橋山北尾根に乗り換える。
急坂のトラバースなので、滑落注意の箇所である。

踏み跡終点から標高340メートルあたりまでは急登。
天気もいいし時間的な余裕もあるので、休み休みゆっくり登った。
8時50分ごろ、登り始めてから1時間20分ぐらいで尾根の傾斜が緩くなった。
そこから、登るほどに尾根は平坦になってきた。
あたりはおだやかなブナの森で、森を吹き抜ける涼しい風に、急登の疲れが吹き飛んだ。

尾根の上はヤブもなく軽快なハイキングが楽しめる。

雪崩で削られたせいか、土壁が露出している。こういう場所が数カ所あった。有雪期の葉抜橋山は、雪崩厳重注意の山なのかもしれない。

登るにつれて傾斜が緩くなる尾根。

おだやかなブナの森に、シラネアオイが群生。

9時30分ごろ、シラネアオイの群生地に到着。
標高500メートルぐらい。
しばらく歩くと低木のヤブっぽいのが出現。
ネマガリタケの小ヤブは、標高580メートルぐらいにある。
そこを過ぎて、ちょっと歩くと、山頂部の森。
10時20分に到着。

みちのく有料道路料金所近くの「堰堤池」を見下ろす。

尾根上の大石。

ルート上唯一の残雪。残雪にピッケルが似合う。

尾根の傾斜が緩くなると、山頂部の森は間近。

山頂部の森の中を散策して、一番高所と思われる場所で休憩とランチ。
この山に残雪期に登った方の、ネットの記事を読むと、南方向だけが開けていて、唯一展望できると書かれてある。
折紙山の北に位置する836ピークの北面が大きく写っている写真が記事に添えられていたり。

だが、私が山頂部の森の中を散策しても、南側が開けている場所は見当たらなかった。
有雪期と無雪期の違いだろうか。
もしそうだとすれば、葉抜橋山の山頂部は冬期にかなりの積雪(3~4メートル)がなければならないことになる。
そうでなければ、南側の836ピークを樹木に遮られることなく眺めることはできない。

山頂部で、私が眺めることが出来たのは、ブナの枝葉に隠れた836ピークだった。
山頂部の東南面は断崖になっていて、そこが唯一展望のきく場所であった。
そこから折紙山に続く北尾根を眺めることが出来た。

東南方向の展望。白く残雪を抱いているのは折紙山北尾根の890ピーク。

みちのく有料道路の料金所付近を見下ろす。

山頂部で休憩。
山頂部でのんびりして、11時30分に下山。
下山は北尾根を通しで下った。
下った感じでは、支尾根よりも傾斜がいくぶん緩いのではと思った。
北尾根の下の方もヤブ無し。
ところどころに作業道の廃道があって、それを利用して下った。

平沢方面の616ピーク(左)と681ピーク(右)。眺めると雰囲気の良い山で、山名が無いのが残念である。

ユキザサのしろい花。

花の蕾が出てきたアイヌネギ(ギョウジャニンニク)。

北尾根を下って、標高150メートルあたりに、下の写真のヒバ林があった。
幹は細いが、背の高いヒバが林立している。
そのヒバ林の下が、野内川の渓流になっていた。
渓流到着は13時10分。
水が澄んでいて、気分のいい流れ。
岩の上でのんびりした。
山を下ったゴール近くが渓流になっているなんて、なかなかのロケーションである。

ヒバ林には、野内川沿いに踏み跡があった。
その道を7~8分ぐらい歩いて、葉抜橋の東のたもとにゴール。
葉抜橋山も、意外と簡単に登れて、お天気にも恵まれ、楽しいハイキングだった。

今日のもう一つの目的は、先日購入したピッケルの威力を試すこと。
葉抜橋山での急登では、これが抜群の力を示してくれた。
急坂の登りでの保持力は、トレッキングポールよりもはるかに優れている。
  1. 斜面に深く突き刺すことができる。
  2. その時の体勢によって、いちばん的確なシャフトの部位を握ることができる。
  3. シャフトは適度な太さなので、握るのに力を入れやすい。
  4. 山での行動の邪魔にならない。
などなど。
ピッケルは、私のヤブ漕ぎ山歩きでは、必携のアイテムとなった。
全長は70センチ(メーカーサイズの最長)だが、欲を言えば、80センチぐらいの長さがほしい。
小柄な私だが、80センチぐらいの方が杖として有効なのではと感じたしだいである。

ゴール近くのヒバ林。

ヒバ林の側を流れる野内川の渓流。

葉抜橋の下の野内川

葉抜橋とその奥の葉抜橋山の山麓。

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