秋のキノコが頭を出す条件
草むらに潜んでいるキノコ。 |
急斜面が続く登山道の無い山域で、コースの全てを知っている訳ではないので、降雨中の山歩きは危険である。
そろそろキノコはどうなっているかと気になってもいたので、キノコ偵察も良いなと思った。
雨降りでも、比較的歩く距離が短い場所を選んで偵察したらキノコ観察が楽しめる。
そう思って、ワクワクしたのだが、明日山に入っても無意味に終わるだろうと考え直した。
今日までずうっと高温少雨が続いていたのである。
雨は、本当の少々の少雨だった。
だから、明日山へ入っても、山にキノコが生えているはずが無い。
その証拠に、古川あたりでいつも地物のキノコを売っている八百屋や、古川の魚菜市場には、まだキノコが出ていないということだ。
キノコ(主にナラタケ)は明日から2〜3日降る雨の後に頭を出すと思う。
だから、キノコ偵察の適日(てきじつ)は再来週の日曜日あたり、16日頃が良いだろう。
明日からの雨で高かった気温も下がるだろうから、この雨以後にキノコが頭を出す条件が揃ってくる。
低温と湿った山肌が、秋のキノコの育つ条件だと思う。
山も歩きたいしキノコも採りたいし、と忙しくなってくる時期だ。
ここまで書いて、ちょっと思い直した。
高山帯の、沢の中の倒木では、今の時期でも秋のキノコが頭を出す条件はそろっているのではなかろうか。
高山帯の谷は、里よりも冷え込みが増していると思う。
谷の沢に水が流れていれば、キノコが好む湿度も保たれているはずである。
あるいは、笹薮の中の倒木も良いかも知れない。
雨が無くても、笹の葉の夜露の滴で、倒木や地面の湿度は保たれているかも知れないのだ。
人知れず、頭を出しているキノコもあるはず。
そのキノコ達が、明日から続く雨で腐ってしまうとも考えられる。
ああ、もったいない。
私の脳裏に見覚えのある地形が浮かぶ。
あの北向きの谷の倒木達。
雨に濡れて、傘に光沢を帯びたキノコ達がおいでおいでしている。
やはり、キノコの生育状況は、行ってみなければ解らない。
秋のキノコが頭を出す条件を満たしている山の地形もあるはずだ。
そこは、高温少雨など無関係の世界。
キノコの存在を確かめる方法は、山を歩いてみること。
私のイメージに浮き上がった現実の谷に出かけること。
行く気になるかどうかは、明日の朝の雨の程度しだいだね。