新しいスキールートを求めて上折紙沢源頭へ
本日の行程図。 |
8時40分頃、野内川の橋を通過。
橋を渡って、野内川川原の雪原を歩いていたら、東北新幹線点検坑道入口付近に、入山ルートに良さそうな緩い傾斜を見つけたので、本日の登山ルートはここを始点にしようと決めた。
このルートの特徴は、遠くからだと緩く見えた傾斜が、登ってみると、とんでもない急斜面だったこと。
おまけに、今日の雪面はガリガリで固く、スキーのエッジが効きにくい状態。
「あそこまで登れば、傾斜は緩くなるはず」という錯覚に誘われて、怖々登り続けたが、斜面の傾斜は、北尾根近くまで急だった。
斜面の下部は新緑美しいヒバの森で気分は良かったのだが・・・。
斜面中部から上部は、開けたブナの森の急斜面で、雪質がザラメ雪なら快適なスキー滑降が楽しめそうな場所である。
エッジのくい込む雪質だったなら、こんなに苦労はしなかったろう。
滑落しないようにと力んで登ったせいか、普段起こらない靴擦れが起き、左側大腿骨関節あたりが軽く痛んだ。
靴擦れは右脚の左側踝あたり。
北尾根到着まで時間も使ったが、体力も使った。
北尾根に着いた時点で、今日は、折紙山への登頂は無理だろうと感じた。
北尾根の456ピークへ着いたのが10時15分頃。
10時35分、574ピークの北広場。
11時、唐川沢コース出合い。
11時22分、614ピーク山裾あたり。
614ピークの山裾あたりの上折紙沢は、沢が雪に埋まっている状態だった。
上折紙沢源頭部到着が13時頃。
今日の偵察山行の目的は、折紙山から北側の851ピークへ滑降し、851ピークから上折紙沢の源頭部めがけて滑降するスキールートの登高及び滑降確認。
しかし結果は、上折紙沢源頭部からの目視確認に終わった。
下の851ピークの写真にある通り、山の稜線の東側は、ほとんど巨大な雪庇で被われている。
上折紙沢源頭部から見上げた限りでは、851ピークからの斜面は細いブナの木が混んでいて、快適なスキー滑降は得られそうに無い。
それに、雪庇崩れの雪崩も怖い。
851ピークから滑るなら、851ピークの北東向きの尾根を伐採道跡まで滑り、伐採道跡を辿って上折紙沢源頭部へ戻り、そこから対岸の尾根に乗り移って、ある程度登って高度をあげ、574ピーク方向へトラバース滑降するのが良いのではとイメージを巡らせた。
上折紙沢源頭部に立って、もうひとつの滑降コースを思いついた。
折紙山から東尾根890ピーク方向へに滑降し、小ピーク手前あるいは小ピークと890ピークの間あたりから、上折紙沢源頭部方向へスキー滑降するというルートである。
去年の残雪期の折紙山への山行で、この部分を覗いたことがあったが、樹木の間隔が割と空いているなぁという感想をもった記憶がある。
スキー滑降途上の難所を東方向へのトラバースでかわし、源頭部付近まで滑り込めば、帰りは574ピーク方向へのトラバースで済む。
このルートも安全確認のため、源頭部あたりから登ってルート確認が必要であると思う。
樹林帯であっても、雪庇崩れの雪崩が走る沢筋があるのだから。
上折紙沢は急峻なV字渓谷であるが、源頭部付近は視界が開けていて穏やかで気分の良い場所だった。
成果がこの場所の発見だけでも、今日の偵察山行は意義深いものがあったと独り合点したしだい。
昼食後、14時頃源頭部を出発。
快適なトラバース滑降で、14時30分頃574ピーク北広場。
14時50分頃、登ってきた尾根である466ピーク到着。
いくぶん雪質が柔らかくなった急斜面をなんとか滑り、野内川の橋に着いたのが15時30分頃だった。
野内川に架かった橋から山を眺める。 |
今日のルートの導入部。 |
ヒバの森の急斜面。 |
急斜面途上から、高地場山方向を眺める。ここからだと山が大きく見える。 |
466ピーク付近から、大毛無山方向を眺める。 |
466ピーク付近からは、大毛無山方面の素晴らしい展望が得られる。 |
大毛無山手前(南側)の秀峰、734ピークをズームアップ。 |
尾根の雪も固くて、スキーのエッジの跡がかろうじて付くぐらい。 |
静寂に包まれた、574ピークの北広場。 |
太めのヒバの木がところどころに。 |
雪の吹き溜まったところもある。 |
上折紙沢源頭部に近づくと対岸の尾根が近い。ここら辺は沢が雪で埋まっている。 |
上折紙沢源頭部周辺の雪原の広がり。 |
上折紙沢源頭部より折紙山を見上げる。 |
折紙山北側の851ピーク。稜線の東側に巨大な雪庇が付いている。 |
折紙山と上折紙沢源頭部。 |
上折紙沢源頭部より下流部(帰り方向)を眺める。 |
帰りは樹木の空いた林間をトラバース。 |
鮮やかなヒバの新緑。 |