常夜灯雑感 ナツメ球の灯り

ナツメ球
蛍光灯の常夜灯、ナツメ球が灯っている。
蛍光灯の豆球。

ヒモを引っ張って点灯や消灯するタイプの蛍光灯で、一番最後に消える小さな電球。

常夜灯とも呼ばれている。

消費電力は5W(ワット)ぐらい。

消費電力が1Wのものもあるらしい。

正式名称かどうか知らないが、「ナツメ球」という名前。

どうしてナツメなのか、不明である。

最近ではLEDナツメ球も出回っており、消費電力0.5W、寿命4万時間というものもあるらしい。

4万時間といえば、1666日も点きっぱなしで平気ということなのか。

年数にすれば、約4.5年間。

一日のうち、ナツメ球を点けている時間を8時間とすれば、単純計算で使用可能な生活年数は13.5年間になる。

13.5年間も保つものを消耗品と呼べるのかどうかは別にして、その役割はある人たちにとっては重要。

すなわち、真っ暗闇な中では眠れない人たちにとっては必需品。

だから、常夜灯なのだ。


私は明るいと眠れないほう。

だから、あの小さな灯りは不要だ。

明るいとまるっきり眠れないのかというと、そうではない。

日中の昼寝はできる。

だが、寝室での、蛍光灯を消した後に灯っている、小さな灯りは眠るためにはすごく邪魔だ。

どうせ、眠り込めば暗闇の世界。

と思うのだが、常夜灯が必要な人達は、そうは思わない。

眠りという暗闇の世界に導かれるための灯りが必要なのだ、という意見。


彼らは、暗闇が怖いのだ。

なにも見えないと不安なのだ。

寝室が真っ暗では安眠できないというタイプ。

寝室が真っ暗だと、地震の時や火災の時に逃げ遅れてしまうのでは、という不安。

しかし、鼻をつままれてもわからない闇というものは、そうそうあるものではない。

むしろ、夜というものは闇よりも灯りの方が目立つ。

だから私は灯りが気になって仕方がない。

夜は昼と違って、灯りが気になって眠れないから、闇に紛れて眠りにつこうとする。

一方、闇のなかでは眠れない人達は、灯りに紛れて危険から逃れようとする。


常夜灯が照らしているのは人々の危険意識なのかも知れない。

いや、人が眠っている間に、人の危険意識が常夜灯に乗り移って灯っているのだ。

だが、明かりはいつも灯っているとは限らない。

真の危険意識とは、暗闇のなかでも的確に行動できる能力のことだと思うのだが・・・。

そんな能力を備えた人間は少ない。

だから、架空の安心を得るために常夜灯が必要なのだろう。

市民社会の架空の安心感を照らす安価で長持ちな消耗品、ナツメ球。

闇の動きに長けた者にとっては、家も市民社会も、法律も政治も、安価で長持ちな常夜灯に過ぎないのかも知れない。

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