酸ヶ湯温泉近辺地獄巡り(酸ヶ湯温泉ー地獄湯の沢ー硫黄コースー仙人岱ー硫黄コースー地獄沼)
スタート地点のダケカンバの森。 |
地獄という地名と火山との関係
北八甲田山系の酸ヶ湯温泉近辺には、「地獄」という言葉のついた場所がふたつある。地獄沼と地獄湯の沢。
日本全国にある「地獄」という語のついた場所(地名)の多くは火山と関係している。
代表的なものは、北海道登別市にある爆裂噴火口跡の地獄谷。
富山県の立山町室堂平付近にも地獄谷があって、火山性ガスを吹き上げている。
長野県の山ノ内町には地獄谷温泉があって、そこの間欠泉は国の天然記念物に指定されているという。
「地獄」とは、生きている間に悪行をはたらいた者が、死後の世界で、その霊魂が恐ろしい責め苦を受ける場所のこと。
日本では仏教の「死後観」として定着している。
その場所は、地面のはるか下に位置するとのイメージが一般的であるから、火山活動の影響で噴気が上がっている場所を「地獄」と関連づけて、「地獄ナントカ」と称されることが多いのだろう。
小沢を登る。 |
硫黄コースから南八甲田を眺める。 |
酸ヶ湯温泉周辺
北八甲田火山群の最高峰である大岳南西山麓に酸ヶ湯温泉がある。その酸ヶ湯温泉から地獄沼付近には、火山性の噴気孔が点在する。
今日は、仙人岱からの帰りに、「地獄地帯」に滑り込んで、その一部を見て回った。
このあたりで、2010年に火山性ガス(硫化水素)によって、山菜採りの女子中学生が一名、亡くなっている。
尊い命を失っている。
今日は風が強いし、残雪のせいで立ち位置が高いので、火山ガスを吸い込む危険性は無いとの判断から立ち寄った。
八甲田で山スキーをするからには、こういう場所があることを念頭に入れておかなければならない。
そういえば、地獄沼の東方向、以前散策したルートにも硫黄泉が流れ込んでいる沢があったっけ。
ホワイトアウトなどでこういう場所に迷い込んで、身動きがとれなくなっても、ここでビバークすることは避けるべきだろう。
じゃ、動けないのに、どうすれば良いのさ。
天候の悪い日は、山へ入らないことだね。
地熱が高いので残雪が融けている。 |
こちらは少量のお湯が湧き出ている。 |
噴気口があるのか、湯花が地表にしみ出している。 |
地獄沼。 |
今日は深いエメラルドグリーン。 |
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