若草の陰で分解が進む、去年の秋の枯葉
去年の秋の、枯葉の残骸。 |
もう、春の枯葉の姿は無い。
雪融けの頃は、まだ紅葉の赤みが少し残っていたのだが。
今は、葉の色が、茶色から灰色へと変化している。
まるで、尻屋崎で見かけた寒立馬の糞が、平に伸されたようだ。
塵となって消える
繊維の屑のようになって、小さな破片に分れ、塵へと分解していく。梅雨が過ぎて、真夏になれば、細かい塵となって地面に紛れ込むのだろう。
「腐葉土」と聞けば、ちょっと粘り気のある湿った土状のものを連想するが、この公園の枯葉は違う。
雨に打たれたり、陽光にあぶられたりする度に、だんだん乾き上がって、カラカラ状態になっている。
乾いた繊維の塊になり、それが破片に分かれ、さらに粉々に砕かれ、塵となって姿を消す。
おそらく、そういう行程を辿って、土の隙間に紛れ込む。
地面の溝に埋もれる。
泥土に混じる。
ここの落ち葉は、ブナの森の、堆積を繰り返す腐葉土のようにはならないのだろう。
都市公園のケヤキやカツラやサクラの枯葉なのだ。
若草の陰に埋もれて行く枯葉。 |
平ったく伸した馬の糞みたい。 |
何かの拍子に立ち上がった枯葉の残骸。数枚の枯葉の繊維が絡み合ってオブジェのように立っている。 |