お茶と農薬についての些細な疑問
茶畑 |
野生のキノコは無農薬
山歩きの友人と話をしていた時のこと。
キノコの話題が出た。
「野生のキノコって農薬を使ってないから良いね。」と友人。
そうなのだった。
栽培キノコはもちろんのこと、全ての農作物には農薬というものが使われている。
その結果、無農薬栽培の農産物以外には「残留農薬」というものが存在する。
その結果、「野生のキノコって残留農薬がないから良いね。」という話になる。
その結果、「野生のキノコって残留農薬がないから良いね。」という話になる。
残留農薬と残留基準
「残留農薬」とは、散布された「農薬」が農作物、食品、土壌などに残ってしまうこと。そのため、厚生労働省では、食品中に残留する農薬などが、人の健康に害を及ぼすことのないよう、全ての農薬、飼料添加物、動物用医薬品について、「残留基準」を設定しているとのこと。
「残留基準」の設定はあるにしても、上記友人の野生キノコ話のように、「残留農薬」は無い方がベスト。
健康を気遣う多くの人達が、そう思っているに違いない。
その一方で、野菜や果物を不足無く流通させるためには、農薬の使用は仕方がないという意見もある。
この両者を納得させるために、公的な「残留基準」が設定されているのだろう。
上記「野生のキノコ好き」の友人は、「残留基準」については納得していないようなのだが・・・。
お茶と農薬
ここで、話はそれて、毎日飲んでいるお茶の話。私は日本茶が好きで、朝昼晩と大量にお茶を飲む。
普通の湯飲みで、一回の食事につき三杯お茶をおかわりしているから、湯飲みで一日九杯お茶を飲んでいることになる。
湯飲みの容量は約200mlだから、一日九杯で、約1.8リットルになる。
日本茶の栽培にも農薬は使われている。
しかも、お茶は、摘み取りによる集荷から出荷、そして各家庭での飲用まで、茶葉が洗われるということは無い。
たいていの野菜や果物は、洗われてから利用されるが、お茶の場合は、そうではない。
農林水産省のサイトの農薬の基礎知識・詳細というページに「(2)なぜ農薬が使われるのか」という項目がある。
そこには、
(A)>「病害虫や雑草から農作物を守るため・・・少ない労力で一定の効果が得られる点で農薬の使用が行われています。」と書かれている。
一方、こちらは、日本のお茶の主要な産地である静岡県のホームページ。
「お茶と農薬についてのQ&A」というページの「Q1普段飲んでいるお茶に農薬が残っていませんか?」という項目には、以下のような説明がある。
(B)>「現在の農薬は、農作物に残留しにくい特性があり、農作物に付着した農薬は、雨によって洗い流されたり、光によって分解されたり、また、農作物の体内に入り込んだりした農薬も、植物の持つ酵素などで分解されます。」
上記(B)程度の「農薬の強度」で、(A)のように、少ない労力で一定の効果を得ることが出来るのだろうか。
上記(B)程度の「農薬の強度」で、(A)のように、少ない労力で一定の効果を得ることが出来るのだろうか。
農薬の強力な殺虫力・殺菌力は、農薬物質が農作物に長く残留して、雨や太陽光に耐性があり、農作物の体内に入り込んで居座ることで発揮されるのでは。
そういう農薬が、少ない労力で一定の効果が得られるのでは、と思ってしまう。
もし、上記(B)のような農薬しか流通していないのであれば、散布する回数で、残留しにくく分解しやすい特性(弱点?)を補わなければならない。
「農薬工業会」というところのサイトに「教えて!農薬Q&A」というページがある。
そのページの下層に「そのまま食べても大丈夫?」というページがあり、「Q. 作物に使われた農薬はいつまで残っているのですか。」という項目がある。
そこには以下のような記述がある。
「散布された農薬は、降雨により洗い流されたり、蒸発したりして減少し、また、太陽光や水、微生物により分解されます。農薬の一部は、吸収され植物体内に入り植物の持つ酵素で代謝分解したり、生育に伴う植物体の肥大によって薄まります。環境中に出た農薬も同様に加水分解・微生物分解・光分解により減少・消失します。」
そういう農薬が、少ない労力で一定の効果が得られるのでは、と思ってしまう。
もし、上記(B)のような農薬しか流通していないのであれば、散布する回数で、残留しにくく分解しやすい特性(弱点?)を補わなければならない。
農薬の安全性
「農薬工業会」というところのサイトに「教えて!農薬Q&A」というページがある。そのページの下層に「そのまま食べても大丈夫?」というページがあり、「Q. 作物に使われた農薬はいつまで残っているのですか。」という項目がある。
そこには以下のような記述がある。
「散布された農薬は、降雨により洗い流されたり、蒸発したりして減少し、また、太陽光や水、微生物により分解されます。農薬の一部は、吸収され植物体内に入り植物の持つ酵素で代謝分解したり、生育に伴う植物体の肥大によって薄まります。環境中に出た農薬も同様に加水分解・微生物分解・光分解により減少・消失します。」
「農薬は、農薬取締法により作物ごとに使用時期、使用回数、使用量が定められていますが、例えば使用時期に『収穫○○日前まで』といった制限をつけるのは、このような農薬の分解・消失の現象に従って、収穫時に残留が残留基準値以下になるようにするためです。」
農薬が正しく使用された場合において、農薬の残留に関して安全面の問題は無い、とされている。
農薬の利便性は否定できないものの、農薬は生産者にとっても農作物の消費者にとっても安全を脅かす「存在」であることは否めない。
「農薬は登録内容を守って使用している限り、農薬を使用した作物を一生涯食べ続けても安全が保証されています。」
とは、ある農薬メーカーのことば。
その使用条件が、全ての生産者において確実に守られている保証が無い限り、逆に、食の安全の保証は無いということを物語っているような気がするのだが・・・。
毎日1.8リットルのお茶を飲用している私は、毎日600mlのお茶を飲む人よりも、残留農薬を多く摂取している。
自らの健康のためにお茶を意識的に多く飲んでいる人達は、お茶をまったく飲まない人達よりも、茶葉の残留農薬を多く摂取していることになる。
「農薬は登録内容を守って使用している限り、農薬を使用した作物を一生涯食べ続けても安全が保証されています。」
「農薬が登録内容を守って使用されている」ということであれば、お茶好きが何杯お茶を飲もうが、残留農薬によって健康を害することはない。
お茶の安全性
毎日1.8リットルのお茶を飲用している私は、毎日600mlのお茶を飲む人よりも、残留農薬を多く摂取している。自らの健康のためにお茶を意識的に多く飲んでいる人達は、お茶をまったく飲まない人達よりも、茶葉の残留農薬を多く摂取していることになる。
「農薬は登録内容を守って使用している限り、農薬を使用した作物を一生涯食べ続けても安全が保証されています。」
「農薬が登録内容を守って使用されている」ということであれば、お茶好きが何杯お茶を飲もうが、残留農薬によって健康を害することはない。
お茶の安全性は、生産者が「農薬の登録内容」を守っているか否かにかかっている
日本人にとって、お茶は身近な飲み物のひとつ。
緑茶、抹茶、玄米茶、番茶、ほうじ茶などなど、日本全国で愛飲されている。
緑茶、抹茶、玄米茶、番茶、ほうじ茶などなど、日本全国で愛飲されている。
その需要は計り知れないものがある。
農薬メーカーが農薬の安全性についていくら訴えても、農薬の安全は保証されないことになる。
農薬の安全は、生産者の「ルール遵守」にかかっているのだから。
結局この「ルール遵守」が100パーセント実行されないと農薬は安全であるとは言えないことになる。
その結果、集荷から消費者の飲用まで洗われることの無い茶葉の安全性は、万全であるとは言い難い。
その結果、「野生のキノコって農薬を使ってないから良いね。」という話題が出たりする。
その結果、集荷から消費者の飲用まで洗われることの無い茶葉の安全性は、万全であるとは言い難い。
その結果、「野生のキノコって農薬を使ってないから良いね。」という話題が出たりする。