雑談散歩

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心地よい森の中の登山道、野辺地・烏帽子岳(えぼしだけ)ハイキング

烏帽子岳野営場の中を登山道が通っている。


青森市内は午前中雨。
天気予報では、上北方面が晴れマークだったので、野辺地町の烏帽子岳(719.6m)へ向かう。

野辺地町の烏帽子岳と書いたが、当山は東津軽郡平内町と上北郡野辺地町・東北町の町境上にある。

途上、天気は、平内町の小湊あたりから、しだいに晴れ。

国道4号線で野辺地町に入り、「青い森鉄道」の線路を越えて、最初の信号交差点を右折する。
この交差点には「八戸学園野辺地西高等学校」という青い看板が立っている。

野辺地町運動公園を過ぎ、八戸学園野辺地西高等学校への分岐を過ぎて、道なりに直進する。
やがて道は、枇杷野川沿いの未舗装の林道へと変わる。

枇杷野川沿いの林道をしばらく走ると、父様恋しの「夜泣き石」がある。
それを越えたら、すぐに烏帽子岳野営場へ向かう林道と烏帽子岳山頂に向かう自動車道との分岐に出る。

その分岐の空き地に自動車を止めて、山歩きの準備をし、そこから徒歩で烏帽子岳野営場へ向かった。


野営場にある登山道案内の看板。


野営場にある「烏帽子岳の植物」の看板。


野営場の広場。


野営場を過ぎた所にある登山道入り口の看板。


野営場を過ぎると、「烏帽子岳自然観察教育林」という看板(上の写真)が立っている。
看板には以下のような「文章」が記載されてある。

 この林の中には、烏帽子岳山頂に至る植生が低地からヒバ林、ヒバ広葉樹混交林、ブナ・ダケカンバ類等の広葉樹林の順に木の移り変わりが良くわかる状態で配置されている。
 また、下層植物も豊富で、樹高が低いにもかかわらず、頂上付近にはコケモモ、イワヒゲなどの亜高山性植物が数多く生育し、学術上の価値も高く、自然観察、自然研究に最適な場所となっている。

看板文中樹高の下線はブログ管理人が記入。
実に堂々とした立派な看板。
でも、この樹高は、前後の文脈から考えると、「標高」の誤りではあるまいか?


登り始めは緩い。


木道を渡り、小沢を越え、緩やかな傾斜の道を登る。
見え始めは細かったヒバの木が、登るにしたがってだんだん太くなる。
森の中にヒバの木の割合が多くなり、登山道はヒバの原生林の中を通る。

遠くの景色の展望は得られないが、森の中は開けていて見晴らしが良く、気分がいい。
登山道も整備されていて快適。
森の中の小径(こみち)自体が風景になっているので、歩いていて飽きない。

登るほどに山の斜面は急傾斜になるが、登山道は適度に「つづら折れ」になっているので歩きやすい。
ただ、林床は藪もなく開けていて、どこでも歩ける状態なので、その分、道を失いやすいかもしれない。
山は急だが、登山道の傾斜が緩いのでファミリーハイキングに向いている。
そういう方達が迷わないように、もうちょっと案内標識がほしいところ。


赤い木肌のヒバの原生林を歩く。


登るに従って太いヒバが現れる。


ヒバとブナの混交林を振り返る。


ヒバ林を過ぎて、ブナの原生林までは、短い急登もある。
急な斜面を登りきると、静かなブナの森。
平坦で広い尾根道に出る。
この尾根は、野辺地町と東北町の市町村境界になっている。

ブナ林に至って、初めて笹薮が現れる。

この緩い南尾根から、一段高い西尾根を目指して斜めに登る。
稜線に届くと、「山頂」方向と「峰越林道」方向分岐の、倒れ掛かった看板がある。

岩まじりの細い道を頂上へ向かう。
「烏帽子神社跡地」を過ぎると、山頂は間近。


ヒバが姿を消して、ブナだけの森になる。


急な斜面の登山道は、つづら折れになっている。


ブナの原生林に入るとチシマザサ(ネマガリダケ)の藪が現れる。


稜線(西尾根)への登山道を斜登高ぎみに登る。


稜線の北側は、登ってきた南側と違い傾斜が緩やか。


烏帽子神社跡地。


烏帽子岳山頂は、岩の多い凸凹広場になっている。
10~15人ぐらいが休憩したらいっぱいになりそうな広さ。
20人ぐらいまでは詰められそうかも。

ミニ岩稜地帯の山頂からは、360度の見晴らし。
美しい森の中から、一気に天空に飛び出した感じだ。
何とも言えない色合いの青い空。
青森の青空はすばらしい。

山頂部から一段下りた北側の広場は、上北・烏帽子テレビ・FM中継放送所になっていて、電波の送受信のための施設が並んでいる。
山麓からの自動車道路も、この広場までのびている。

登りは登山道、帰りはクルマで自動車道を下りるというファミリー向けの山行スタイルを採用することもできる。
広場には避難小屋的な休憩所やトイレ設備もある。

ヒバやブナの原生林の天然自然の中を歩いてきたのに、山頂部で近代的な機械設備に出くわして違和感を覚える方もいるかもしれない。

しかし、心地よい森の中の登山道を歩いた快さに満たされていれば、どうということはない。
それほど、烏帽子岳登山道の景観はすばらしい。


陸奥湾を抱え込んでいるような野辺地町方面を眺める。


まかど温泉スキー場方面を眺める。


八甲田連峰は雲の下にボンヤリと。


ブナ原生林のブナの木。
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