雑談散歩

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青森市桜川通りの桜並木

桜川通りの桜並木。
春の大型連休も間近な今日、桜川通りを通ったら、桜並木の桜が満開だった。

通りの名前になっている桜川とは、この周辺の地区名で、桜川という川があるわけではない。
桜川地区の東側を駒込川が流れ、地区の西側を荒川が流れている。
このふたつの川は、桜川地区北端で合流して堤川となる。

駒込川の堤防道路にも桜並木がある。
地元の民放の放送局のあたりが特ににぎやかになっている。
この桜並木は、幹が細く、そんなに古いものでは無い。
駒込川の桜並木が桜川という地名の由来ではないようである。

桜川地区は桜川団地とも呼ばれ、1960年代の前半に、それまで湿地帯だった土地を住宅街として造成したもの。
桜川通りの桜並木は、桜川団地が造成された時に植えられたものであるという。
通りの桜並木が植えられる以前から桜川という地名があったようで、桜川通りの桜並木も桜川という地名の由来ではないようだ。

団地造成中の桜川通りには、桜川という地名にふさわしいように桜の木が街路樹として植えられたらしい。
植えられた桜も、桜川という地名に恥じないように立派に育った。
今では桜川地区を代表するものとなっている。
またこの通りは、青森市内でも有数の桜の名所のひとつ。

ちょうど満開。
桜川の地名の由来は、「その昔、殿様を出迎えるため、川岸に桜を植えたから」というのが定説であるようだ。
その川岸の桜は、度重なる川の氾濫で消失してしまったのだろう。
それとも、川の氾濫を鎮める工事の過程で除去されてしまったのか。

物(桜)が消えて、言葉(地名)だけが残る。
その地名を補うように、また桜が植えられる。

時の移ろいのなかで、物と言葉がお互いを補い合う。
土地に対する人間の思い入れが、「地名」を信仰のように守り続ける。
なんてことがあるのかもしれない。

青森市桜川通りの、満開の桜並木を眺めながら、そんなことを考えた。

太陽を背に、道におおいかぶさるようなボリュームたっぷりの桜。
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