○○○サービス㈱を名乗る者からの架空請求詐欺のショートメール
怪しいショートメールが届く
今日、怪しいSMS(Cメール)が私の携帯電話に届いた。私がショートメールを受け取ることは滅多にない。
ほんのたまに、仕事の連絡事項が届くぐらいである。
ショートメールの受信音が鳴ったとき、得意先の営業マンの顔が頭に浮かんだが、メールの内容は仕事とは別のものだった。
送信者の携帯番号は、070で始まる未知のもの。
以下がショートメールの内容である。
○○○サービス㈱ サイト利用にて発生した料金の支払いを放置され利用上限額に達しています050・・・・・までお電話にて確認下さい。このショートメールが○○○サービス㈱なる会社から送られたものであるかどうかは不明。
○○○サービス㈱なる会社のサイトを「利用」するどころか、その存在すら知らなかったので、どうしてこんなメールが送られてきたことか。
ショートメールの内容は、サイト利用料金の未納通知
そもそも、利用料金が未納である通知に、ショートメールを使うだろうか。インターネットでの有料サービス利用の際は、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、料金支払い方法などを登録するのが一般的である。
それらをサイトのフォームに打ち込んで、間違いがないかどうかを確認するページに進み、最後に登録ボタンを押すという、ちょっと面倒な手続きをしてはじめて利用可能となる。
それらを飛び越えて、いきなり携帯電話にショートメールで「未納通知」がくるはずがない。
- 身に覚えがない。
- 万が一、気がつかないうちに有料サイトを利用していたとしても、ショートメールでの「未納通知」は正式な請求手続きでは無い。
- 万が一、「ネットショップサイト」に登録した自身の個人情報が悪用されたとしても、ショートメールでの「未納通知」は正式な請求手続きでは無い。
こんな怪しいメールが届いた場合、多くの人々は上記3点のことを頭に思い浮かべるはずである。
架空請求詐欺犯のターゲット
メールの送り主(詐欺犯)は、多くの人々が怪しいメールの相手などしないということを知っている。
と同時に、メールの送り主(詐欺犯)は、一部の人々がこのショートメールに反応してくれることも知っている。
ショートメールは、050・・・・・に電話連絡するように、脅迫めいた文章で誘導している。
一部の「心配性な人々」は、思わず問い合わせ先に電話をかけてしまう。
こうして、ショートメールの送り主(詐欺犯)は、その「心配性な人物=誘導されてしまいがちな人物」の携帯番号を手に入れてしまうのだ。
さて、どうやってこの人物(被害者)を攻略してやろうか。
詐欺犯は舌なめずりしていることだろう。
「放置」「利用上限額」「確認」の三つが、このメールを受け取った人を誘導する具体的なキーワードとなっていると私は思う。
「放置」という言葉で、「忘れているのかもしれない」とか「気がつかないまま利用していたのかもしれない」とか「ひょっとしたらあのサイトかな」という不安な気持ちがあおられる。
「放置」という言葉に、放置していた責任を追及されているような気分に陥る。
次に「利用上限額」という、焦燥感をあおるような言葉。
特に「上限額」と示されただけで、「今すぐ対処しなければ」という気分に陥る。
メールを受け取った人は、「放置」と「上限額」というキーワードに、ちょっとした罪悪感を植えつけられる。
人は、不快・不安な気分に陥ると、その気分を追い払おうとする。
そこへ「確認」という救いの言葉があらわれる。
不快・不安な気分を追い払うために、何がどうなっているのか、まず「確認」しなければ。
焦燥感や罪悪感といった不快・不安な気分が、「確認」という突破口に向かって動き出す。
その結果、電話をかけてしまう。
ショートメールの文中にある「確認」とは、詐欺犯が「ターゲット(被害者)」を「確認」することだったのだ。
義務に対して誠実である人々が、まんまと詐欺犯のレトリックに取り込まれてしまう。
インターネットで検索してみると、この「○○○サービス㈱」なる会社は実在している。
詐欺犯のレトリック
ショートメールの文章をチェックしてみると、電話をかけてしまう人の気持ちもよくわかる。「放置」「利用上限額」「確認」の三つが、このメールを受け取った人を誘導する具体的なキーワードとなっていると私は思う。
「放置」という言葉で、「忘れているのかもしれない」とか「気がつかないまま利用していたのかもしれない」とか「ひょっとしたらあのサイトかな」という不安な気持ちがあおられる。
「放置」という言葉に、放置していた責任を追及されているような気分に陥る。
次に「利用上限額」という、焦燥感をあおるような言葉。
特に「上限額」と示されただけで、「今すぐ対処しなければ」という気分に陥る。
メールを受け取った人は、「放置」と「上限額」というキーワードに、ちょっとした罪悪感を植えつけられる。
人は、不快・不安な気分に陥ると、その気分を追い払おうとする。
そこへ「確認」という救いの言葉があらわれる。
不快・不安な気分を追い払うために、何がどうなっているのか、まず「確認」しなければ。
焦燥感や罪悪感といった不快・不安な気分が、「確認」という突破口に向かって動き出す。
その結果、電話をかけてしまう。
ショートメールの文中にある「確認」とは、詐欺犯が「ターゲット(被害者)」を「確認」することだったのだ。
義務に対して誠実である人々が、まんまと詐欺犯のレトリックに取り込まれてしまう。
詐欺告発サイトの無料相談って何だろう?
インターネットで検索してみると、この「○○○サービス㈱」なる会社は実在している。
詐欺犯は、実在する会社名を騙って詐欺ショートメールをランダムに携帯番号に送りつけているようだ。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式である。
ところで、この会社名で検索すると、以下のような「詐欺業者告発サイト」がズラリと表示される。
ところで、この会社名で検索すると、以下のような「詐欺業者告発サイト」がズラリと表示される。
- それは詐欺ですよ!○○○サービス㈱【050・・・・・】架空請求
- 070・・・・・○○○サービス㈱ SMSメールでの未納金請求は架空請求です!
- 070・・・・・ ○○○サービス㈱ を名乗るショートメールは架空請求詐欺
- 「架空請求の疑い」○○○サービス(株) 050・・・・・
- 050・・・・・ ○○○サービス(株) からのショートメールって架空請求詐欺?!
- 050・・・・・ 【○○○サービス(株)】 を騙る詐欺SMSに注意
などなど。
これらのサイトには「詐欺被害の無料相談窓口」とか「無料メールで相談する」とか「無料相談ダイヤル」とかのボタンが設置されている。
このボタンは、SMSメールを受け取り、そのメールに記載された番号に電話連絡した「心配性な人々」を想定して設置されているのだろう。
このボタンは、SMSメールを受け取り、そのメールに記載された番号に電話連絡した「心配性な人々」を想定して設置されているのだろう。
詐欺犯の誘導に乗って電話連絡してしまった「心配性な人々」。
その「心配性な人々」を待ち受ける無数の「無料相談」サイト。
詐欺犯の「ターゲット」を、別の詐欺犯が掠めとるなんてこともあるかもしれない。
「怪しい案内」に従って想定された道を進んでしまう。
何も「心配性な人々」だけが陥る罠ではない。
こんな記事を書いている私だが、「大手ネット通販サイトの偽サイト」にひっかかったり、ほとんど役に立たない工具を買ってしまったり。
その「心配性な人々」を待ち受ける無数の「無料相談」サイト。
詐欺犯の「ターゲット」を、別の詐欺犯が掠めとるなんてこともあるかもしれない。
自己防衛の勘働き
悪意ある者の思惑にはまってしまう。「怪しい案内」に従って想定された道を進んでしまう。
何も「心配性な人々」だけが陥る罠ではない。
こんな記事を書いている私だが、「大手ネット通販サイトの偽サイト」にひっかかったり、ほとんど役に立たない工具を買ってしまったり。
日常の落とし穴は、どなたの足元にも開いているのだ。
まずは、そのことを痛感していなければならない。
そして、自身の勘によって生じた小さな疑問を無視せずに、慎重に歩むしかない。
詐欺事件のほとんどにはお金がからんでいる。
身に覚えのない請求や、お金の支払いにはどこか不自然さがつきまとう。
「おや、何か変だな」と思ったら、相手の言い分よりも自分の違和感を大切にする。
長年生きてきた間に育まれてきた自己防衛のための「勘」なのだから。
それが「詐欺被害」にあわないための対策だと私は思っている。
まずは、そのことを痛感していなければならない。
そして、自身の勘によって生じた小さな疑問を無視せずに、慎重に歩むしかない。
詐欺事件のほとんどにはお金がからんでいる。
身に覚えのない請求や、お金の支払いにはどこか不自然さがつきまとう。
「おや、何か変だな」と思ったら、相手の言い分よりも自分の違和感を大切にする。
長年生きてきた間に育まれてきた自己防衛のための「勘」なのだから。
それが「詐欺被害」にあわないための対策だと私は思っている。