「CorelDRAW X8」で扇風機のイラストを描く方法
この方法は、あくまでも私個人が試行錯誤して考案したものです。
グラフィックソフトを用いてイラストを描くことには、作業効率の良さが求められます。
速くてなんぼの世界です。
ここで述べているイラストを描く方法以外に、もっと効率の良い「CorelDRAW」の使い方があるかもしれません。
この記事は、たくさんある「CorelDRAW」の使い方の、ほんの一例としてお読みください。
「エンベロープツール」で羽根を描く
「エンベロープツール」の「ノード」を操作。 |
ツールボックスの「楕円形ツール」で、適当な大きさの横長楕円形を描き、黒色で塗りつぶす。
次に「エンベロープツール」をクリック。
「エンベロープツール」は、デフォルトでは「ドロップシャドウツール」の黒三角印(プルダウンボタン)をクリックすると表示される。
上図のように、「エンベロープツール」で横長楕円形を、扇風機の羽根に整形する。
「エンベロープ」のモードは、「エンベロープ」プロパティバーにある「単一弧モード」を選択した。
「ワイヤーフレーム」で表示。 |
出来上がった羽根を「選択ツール」で選択して、[Ctrl]+[C]+[V]でコピーして前面真上にペースト。
コピーしたオブジェクトの輪郭の幅を適当に指定し、「オブジェクト」>「輪郭をオブジェクトに変換」をクリック。
次に「オブジェクト」>「曲線の分割」をクリック。
次に外側の曲線(輪郭)を消去する。
こうしてできた羽根の内側のオブジェクトの「ノード」をいくつか消去して、下図のような濃いグレーで塗りつぶす。
これは、ねじれた曲面である羽根の、光の反射の変化を表している(つもり)。
いくつか「ノード」を消去。 |
グラデーションをかける。 |
羽根の光の反射面に、「オブジェクトのプロパティ」ドッキングウィンドウで「グラデーション塗りつぶし」を上図のように行って、それっぽく加工。
「ワイヤーフレーム」で表示。 |
もう一回、羽根を選択して、[Ctrl]+[C]+[V]でコピーして前面真上にペースト。
コピーしたオブジェクトの輪郭の幅を、先程の二倍の数値で指定し、「オブジェクト」>「輪郭をオブジェクトに変換」をクリック。
そしてまた「オブジェクト」>「曲線の分割」をクリック。
前回同様、外側の曲線(輪郭)を消去する。
上図のように、一本の曲線が残るように「ノード」を消去し、曲線を「分離」する。
【「整形ツール」プロパティバーの「曲線を閉じる」ボタンをクリックして緑のチェックを入れると、消去した「ノード」の場所で曲線が分離する。】
「標準」で表示。 |
メニューバーの「表示」を「標準」にもどし、羽根の縁に沿ったハイライト用の輪郭(一本の曲線)の幅を適当に指定し、上図のように輪郭を薄いグレーで塗りつぶす。
羽根の全体を選択して[Ctrl]+[G]で「グループ化」しておく。
羽根を回転コピーする
羽根を回転コピーする。 |
「選択ツール」で羽根を選択状態にし、表示された羽根の中心をクリックすると、羽根の中心が「回転の中心」になって羽根が回転可能な状態になる。
周囲には回転矢印が表示される。
「回転の中心」を上図のようにドラッグして移動。
「変形」ドッキングウィンドウの「回転」ウィンドウを開き、「回転の角度」と「コピー数」を上図のように指定する。
コピーして3枚羽根を作る。 |
「適用」ボタンをクリックして、扇風機の3枚羽根が完成。
前後のガイドを作る
ガイドの細い棒を作る。 |
上図のように、「長方形ツール」でガイドの細い棒(鉄条)を一本作る。
それを薄いグレーで塗りつぶしておく。
ガイド用の鉄条を選択状態にして、その中心をクリックし、「回転の中心」を表示する。
「変形」ドッキングウィンドウの「回転」ウィンドウを開き、「中央下」ボタンをクリックして、「回転の中心」を中央下に移動する。
さらに「Y]入力ボックスの下向き矢印をクリックしながら、「回転の中心」を適当な位置まで下げる。
「回転の角度」と「コピー数」を上図のように指定して、「適用」をクリック。
ガイド用の鉄条を回転させる。 |
ガイドの大きさを調整。 |
ガイドと羽根を重ねてガイドの大きさを調整。
ガイドをコピーして、濃いグレーで塗りつぶし、[Shift]+[PgDn]で羽根の背面に置く。
薄いグレーのガイドを選択して、[Shift]+[PgUp]で羽根の前面に置く。
上図のように、羽根の「透明度」を指定し、羽根の材質をアクリル製の黒の半透明っぽく仕上げる。
羽根と前ガイドと後ガイドを中心揃えに重ねる。 |
ガイドリングを作る
ガイドリングを作る。 |
「楕円形ツール」で[ctrl]キーを押しながら正円を作る。
輪郭を黒色で塗りつぶし、適当な幅を指定し「オブジェクト」>「輪郭をオブジェクトに変換」をクリック。
ガイドリングに立体感をもたせるために「ツールボックス」の「等高線ツール」をクリック。
「等高線ツール」を上図のようにドラッグ。
「等高線」プロパティバーで「塗りつぶし色」を濃いグレー色に設定。
上図のようにガイドリングのリング幅の中心が濃いグレー色になり、ガイドリングがちょっと立体的になった。
ガイドリングを最前面に。 |
ガイドリングの大きさをガイドに合わせて調整。
[Shift]+[PgUp]でガイドリングを最前面に置く。
飾りリングを作る
飾りリングを作る。 |
前ガイドの中心を飾る飾りリングを作る。
正円をふたつ作って、「グラデーション塗りつぶし」や「ブレンドツール」を使って、上図のように飾リングを仕上げる。
中心揃えで「グループ化」 |
飾リングを前ガイドの中心に置いて、全てを選択して「グループ化」しておく。
これで送風部が完成した。
ここまでくれば、もう一息。
スタンドポールとスタンドベースを作る
部品を描き出す。 |
「長方形ツール」でスタンドポールの部品を作る。
「楕円形ツール」でスタンドベースの部品を作る。
スタンドポールは、「グラデーション塗りつぶし」でほぼ完成。
スタンドベースは、「ブレンドツール」を使う。
上図のように、スタンドポールの幅と同じ直径の楕円形をポールの下に置く。
楕円形の「グラデーション塗りつぶし」は、ツールボックスの「属性スポイトツール」を使うと効率が良い。
「属性スポイトツール」は、デフォルトでは「カラースポイトツール」のプルダウンボタンをクリックすると表示される。
「属性スポイトツール」でポールのグラデーションをクリックする。
すると、マウスポインタがスポイトからインクバケツに変わる。
そのインクバケツで、ポールの下の楕円形をクリックするとポールと同じ状態のグラデーションに仕上がる。
ブレンドをかける。 |
ツールボックスの「ブレンドツール」をクリックする。
上図のように、「ブレンドツール」でポールの下のグラデーション楕円をクリックし、その下の薄いグレーの楕円までドラッグする。
ポールとくっつける。 |
ポールを最前面に出して、ポールをブレンドしたオブジェクトの適当な場所に置いたのが上の図。
さらにブレンド。 |
ブレンドしたオブジェクトの薄いグレーの楕円を「ブレンドツール」でクリックして、その下の濃いグレーの楕円までドラッグする。
これで、上図のようにスタンドベースがほぼ完成。
スタンドポールとスタンドベース。 |
ポールを複製して一回り細くし、上図のようにポールを二段式にする。
スタンドポールとスタンドベースを選択し、左右中心揃えにして「グループ化」する。
扇風機の概略が完成。 |
「グループ化」したスタンドグループを最背面に送り、送風回転グループと左右中央揃えにして、上図のように組み立てる。
スイッチスペースを作る
楕円形を描く |
上図のように塗りつぶした楕円形を三個作り、左右中央下揃えに重ねる。
外側の楕円形の「透明度」を上げる。 |
外側の楕円形を選択して、「透明度」を90%にする。
スイッチのスペースをスタンドベースになじませるためである。
ブレンドをかける。 |
外側の楕円形(透明度90%)を「ブレンドツール」でクリックして、中に位置する濃いグレーの楕円形までドラッグする。
さらにブレンド。 |
最初のブレンドグループの下の楕円形(濃いグレーの楕円形)を「ブレンドツール」でクリックして、上図のように、下の楕円形(薄いグレーの楕円形)形までドラッグする。
この下の楕円形(薄いグレーの楕円形)がスイッチボタンを置く凹みの平面になる。
スイッチスペースの凹みができた。 |
「楕円形ツール」でスイッチを四個作る。 |
「楕円形ツール」で楕円形を四つ描き、上図のように、それぞれを色分けしたグラデーションで塗りつぶす。
ドロップシャドウ。 |
「選択ツール」で四個のスイッチを選択し、「グループ化」する。
「ドロップシャドウツール」で上図のように、スイッチグループにドロップシャドウ効果をかける。
全てを選択し、左右中央揃えにして、扇風機のイラストを完成させる。
最後に
完成した扇風機のイラスト。 |
優れたドロー系ソフトウェアである「CorelDRAW X8」を使えば、この程度のイラストは簡単に描くことができる。
ちょっとリアル感のあるイラストに仕上がったものの、このリアル感は中途半端なもの。
こんな中途半端な扇風機のイラストよりも、マンガチックな扇風機の方が印刷物などでは、ずっと需要が多い。
ただここでは、「CorelDRAW X8」を使ってイラストを描く楽しさにつられて描いた。
いろいろなツールや効果を試すのが楽しかったので、こんな「中途半端リアル」なイラストになってしまった。
そうではあるが、これはこれでなかなか面白い。
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