幹が朽ちかけたフジに白い花が咲いた

公園のフジの幹で、徐々に進行している腐朽。


 幹の腐朽が進んでいるフジに白い花が咲いた。
こころなしか、花のつき方がまばらなような。

全体として、花房の数がまばら。
総状花序の花数もまばら。
蔓枝が伸びて、パーゴラが緑に被われているけれども、フジの花が目立たない。
【総状花序:花序の軸に、花柄をもった花が並んで付着して、総 (ふさ) の形になっている花のつき方。】

この時期、他所のフジは、滝のように花房を垂らしている。
紫色のフジの花のカーテンが、訪れる人達の目を楽しませているというのに。

ここのフジはこんなものだったか。
今までは気にしていなかったので、記憶にない。

しかしこのスカスカの花の房はどうしたことだろう。
花びらよりも、細い花柄の方が目立っている。
その細さが痛々しい。
もともと細いものなのだけれども。

この不安げな花の咲き方はどうだろう。
その弱々しい存在感がパーゴラ空間を荒んだものにしている。
弱いことは荒むこと。

乱雑に生い茂る枝と葉。
樹木は、根も幹も枝も葉も、日々成長している。

根は土から養分を吸収し。
葉は光合成で、太陽光から養分を吸収し。

では、吸収された養分はどこに貯蓄されるのだろうか。
おそらく幹、大部分が幹に貯蓄されるのでは。

葉や根が、稼いでも稼いでも、破れた幹から収入が漏れてしまう。
栄養貯蓄の無い樹木は滅びるばかりである。

しかし、秘策がないわけではない。
樹木は樹勢が衰えそうになると、「ひこばえ」を出して樹幹を更新する。
「ひこばえ」は、漢字で表すと「孫生え」。

「ひこばえ」とは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。
はたして公園のフジは、「ひこばえ」を生やして、新たな幹の構築に取り組むのだろうか。

植物は、さまざまな「自助努力」に懸命になる。
公園の散歩者は、フジ自身の起死回生の策を見守るばかりである。


白いフジの花が垂れている。

花の数は、少ない。

白いフジの花。

葉は賑やかなのだが、花がさびしい。

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