銅像ファンの視点とチューリップファンの視点

花壇のチューリップが満開。


愛犬の散歩で平和公園へ出かけたら、チューリップが満開だった。
このチューリップは、去年の十一月に植えられた球根が、発芽し茎を伸ばして開花したもの。

チューリップの真ん中でポーズを決めているのは「シェー」の銅像
古事記に登場する「天宇受賣命(アメノウズメノミコト)」をモデルにした銅像である。
この銅像とチューリップの組み合わせが、実に印象的であった。

平和公園を訪れる人の多くは散歩目的。
その方たちが、満開のチューリップに足を止める。
カラフルな花を、しばし見物。
また、散歩を続行。
おそらく銅像はいつも目にしているので、じっくりと見ることはない。


花壇の中央に「シェー」の銅像。


ときには、チューリップ見物が目的で、この公園に来る方もいらっしゃる。
青森市内で、こんなに広いチューリップの花壇は、おそらく無い。
チューリップファンなら、一面に咲いたカラフルなチューリップをひと目見たいと思うことだろう。

そういう方たちは、「天宇受賣命」の銅像を、この花壇の一風変わったモニュメントとして、チューリップ見物のついでに仰ぎ見る。
そしてまたチューリップの花に目を落とし、感嘆する。
ちょうど満開のチューリップを見ることが出来て、はるばる見物に来た甲斐があったと満足する。

なかには、「天宇受賣命」の銅像見物のために平和公園を訪れる方もいらっしゃるかも知れない。
なにしろ、「天宇受賣命」が胸を露わにして滑稽なポーズをとっている銅像は、日本全国を探してもめったにお目にかかれない。
銅像ファンにとっては、青森市の平和公園にある「天宇受賣命」の銅像が、銅像的に貴重な存在であるかも知れないのだ。


チューリップの観客に向かって「シェー」を披露。


この銅像は、「天宇受賣命」が天の岩戸の前で、天照大神(アマテラスオオミカミ)を誘い出すために踊っている様子を表現したもの。
下調べが周到な旅の銅像ファンは、そのことをすでに知っている。

彼は、銅像が置かれている環境にも注目する。
「天宇受賣命」の足下には、無数のチューリップ。
このチューリップが彼には、「天宇受賣命」の踊りに拍手喝采している八百万の神々に見えたかもしれない。
花を開いたチューリップが神々の笑顔のように見え、高笑いの声が上がっているように見える。
旅の銅像ファンは、銅像とチューリップの写真を幾枚も撮り、満足して、また次の目的地を目指す。

チューリップファンと銅像ファンのふたつの視点。
それを想定した私の視点。
私が気が付かない様々な視点。
その有り様が面白い。
公園は、様々な視点のオープンスペースであった。

ところで、チューリップが枯れた後の「銅像花壇」には、ケイトウやサルビア、ニチニチソウ、アメリカフヨウ、マリーゴールドなどが植えられ、秋まで訪れる人の目を楽しませている。



カラフルなチューリップの笑顔。


「シェー」なお尻。

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