美味しいミズ(ウワバミソウ)が育つ谷

【駐車用広場から谷へ下りる林道(廃道)。】


今年初めてのミズ採りに出かけた。
場所は、去年の秋にミズ採りに下りたミズの谷

ここの林道は、年々人の足が遠のいて荒れ放題。
特に、ここ3~4年のツキノワグマ出没騒ぎで、入山者が減っている。

私がこの谷を見つけた15年ぐらい前は、人の訪れた形跡がけっこう残っていた。
道もはっきりとついていた。
ところがこのごろは、この谷底でミズを採るのは、私だけになってしまったようである。

クマを畏れてか。
あるいは、ここでミズを採っていた御仁が、高齢になって歩くのがつらくなったのか。

いずれにせよ、谷に下りる踏跡は藪に覆われて、谷底へは誰も来なくなった。
おかげで、手付かずの上物を採ることができた。

【小尾根の広場。】


上の写真は、谷へ下りる直前の小尾根。
以前ここは、草や灌木が無くて、地面が露出した広場だった。

伐採された木が丸太になって積み置かれていた。
転がっている丸太に座って休憩できる場所だったが、今は深い藪の中である。
林業の伐採道としての役割を終えた廃道なのだ。

さて、ミズ採りは今年初めてだが、ミズはけっこう食べている。
知人にもらったり。
スーパーで買ったものを、油炒めして食べたり。

でも、なんだか物足りない。
やっぱり、自分で採集したミズを食べたい。
そういう気分が強くなって、谷へ下りたのだった。
クマは恐いが、美味しいミズが食べたい。

この間見物に行った「山王坊遺跡」では、たくさんのミズが杉の林床に生育していた。
あのとき、今度はこの谷へミズ採りに出かけようと思ったのだった。

とは言うものの、真夏になるとミズの茎が筋っぽくなって、あまり美味しくなくなる。
この時期にスーパーに出回っているミズに、そういうものが多い。

ミズの美味さの条件は、柔らかくて、シャリシャリの歯ごたえと独特の粘りが豊富であること。
私を含めて、多くの人々がそう思っているに違いない。


【谷底に続く急坂の道は、藪の中。】


上の写真は、ミズの谷へ下りる急坂。
ここの藪がいちばん深い。
灌木の小枝が、行く手を阻む。

ここでは、踏跡も見当たらない。
斜面を確認しながら、ひたすら下へ下りていく。

この谷から採ってくるミズは、私の知人のあいだでは評判が良い。
美味いミズだと皆が褒める。

真夏に、この谷のミズを採ったことは無い。
真夏のミズは、だいたい硬い。

ミズは、涼しい秋になると食感の柔らかみが回復すると言われているので、去年も秋になってからミズ採りに出かけたのだ。
真夏に採ったミズが美味しければ、この谷のミズは美味しい上物であるということになる。

ミズの採れる場所は、青森市周辺に無数にある。
林道脇に生えているミズは、クルマから降りてすぐに収穫できるので手間いらずだ。
だが、楽して採れるミズに良いものは無い。

それに、そんな採り方は楽しく無い。
山歩きを楽しんでこそ、ミズ採りは楽しいものになると私は思っている。


【谷底にミズバショウの群落。】


ゆったり歩いて30分ちょっと。
急いで歩けば、20分ぐらいで谷底に着く。

ミズの谷には、ミズバショウがまだ青々と生い茂っていた。
ミズバショウの大群落である。
広いミズバショウの葉の隙間から、細長いミズが顔を出している。

ミズバショウの葉を手で払うと、みずみずしいミズが束になって生えている。
ミズ採りの楽園。
目方にして25キロぐらいのミズを20分ぐらいで採集。

この谷底は、湿原になっていて、その中を小さな沢が流れているという地形。
年中湿っていて、地面は砂混じりの柔らかい土質になっている。

沢から離れた、あまり水気の無い斜面でもミズの群生を見かけることがある。
でも、水際に生えたミズの方が、柔らかくて断然美味しい。
この谷底は、美味しいミズが育つ条件がそろっている。
  1. いつも湿潤で、栄養豊富な谷底の土。
  2. 砂混じりの柔らかい土質。
  3. ミネラル分が豊富な沢の流水。
  4. 樹木に囲まれていて日陰が多く、夏でも低温ぎみ。
などが、この谷の特徴である。
これらの特徴が、美味しいミズを育んでいると思う。

【ミズバショウとミズの群落が共存。】

帰りは25キロぐらいのミズと、水筒や雨具を詰めたリュックを背負って急坂の藪漕ぎ登り。
味見のつもりでちょっと採る予定が、ついつい欲張ってしまった。
重い分、山歩きの良いトレーニングになる。

小股でゆっくりと登る。
休まずに、わずかづつ足を運び続ける。
これが最良の山の登り方であると私は思っている。

そうやって歩いて、30分ちょっと。
いいペースで駐車用広場に着いた。


【みずみずしいミズ。】


下の写真は、ミズの薄皮を剥いたもの。
この量で、収穫したものの四分の一程度。
自分で採ってきたミズなら、皮を剥く手間も苦にならない。

さっそく油炒めで食べてみた。
油揚げと糸コンを添える。
私がいちばん美味しいと思っているミズの食べ方である。

結果は、大満足。
チョー美味しい。
真夏なのに、アンビリバボー!

やっぱり、ここのミズは一級品だった。
肥沃な落葉樹林帯の贈り物。
森の宝物。

おそらく縄文時代には、美味しいミズの群生する谷がいっぱいあったに違いない。
春から秋まで、枯れずに生育しているミズ。
近くにそんな谷があれば、農耕は不要。
採集だけで集落の食料をまかなえる。
山の麓が天然の畑だったのだろう。

山麓で食料を得て生命を保ち。
山に対する感謝の念で、信仰心(自然崇拝)を育む。

現代に暮らして、縄文人の真似事ができるということは、それだけ自然が豊かだということ。
縄文文化は自然崇拝文化だということを痛感したミズ採りだった。

ところで、ツキノワグマの話。
ツキノワグマは、山の雪解けの時期にミズバショウの葉を食べるという。
ミズバショウは、全草にシュウ酸カルシウムの毒を含んでいるとされている。
毒なのになぜ?

ツキノワグマがミズバショウを摂取するのは、越冬後などに体内の老廃物等を排出するために、嘔吐剤・下剤として食べるためなのだとか。
これはあくまでも風聞。

だが、ミズバショウのあるところにツキノワグマが出没する可能性は、あるとみなければならない。
美味しいミズはミズバショウと同居している。

であるから、美味しいミズのある場所へはツキノワグマもやってくる。
山スキーにとって快適な急斜面は、雪崩の危険度が高い斜面である。
それと同様に、美味しいミズのある場所は恐いクマの出没頻度が高い。
と思って、用心するにこしたことはない。

山では、快楽と危険はつきもの。
美味しいミズが育つ谷は、ツキノワグマの通り道。
ということを念頭において、クマ対策も怠り無く。

私のクマ対策は、また別の機会に。


【皮むきをしたミズ。】

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