青い森セントラルパークで咲いていたイヌエンジュの花
イヌエンジュ。 |
青い森セントラルパークは、八重咲きムクゲの花盛りだった。
のんびりと公園の中を散歩していたら、西の端でイヌエンジュの白い花が咲いていた。
こちらも花盛り。
イヌエンジュの総状花序に鼻を近づけると、かすかに甘い香りがする。
香りは、ハリエンジュ(ニセアカシア)ほど強くはない。
ハリエンジュは春に、強い香りをあたり一面に漂わせる。
その香りに誘われて、ミツバチが飛んでくる。
青森県産の「アカシア蜂蜜」は、ハリエンジュの花の蜜を原料にしている。
ハリエンジュの花期は5~6月である。
イヌエンジュのは、7~8月。
イヌエンジュの蜜も、「アカシア蜂蜜」の原料になっているのだろうか。
それは、私には不明。
イヌエンジュの総状花序を覗くと、なるほど花の形がマメ科っぽい。
葉も奇数羽状複葉でマメ科っぽいのだが、遠くから見るとマメ科の樹木には見えない。
ハリエンジュにくらべて、葉が大きいせいだろう。
それに、ハリエンジュの総状花序は垂れているが、イヌエンジュのは立ち上がっている。
このへんの違いでイヌエンジュは、同じマメ科のハリエンジュのお仲間にはなかなか見えない。
アイヌ民族は、イヌエンジュの木を「チクペニ」と呼んで、墓標にしたとのこと。
また、「悪い神様」や「魔物」や「伝染病」から身を守るために、チクペニの枝でお祓いをしたと言い伝えられている。
わたしたちにとっては、イヌエンジュはハリエンジュほどに知られていない。
利用されてもいない。
自然と共生する生き方が身についているアイヌ民族にとっては、イヌエンジュは生活や信仰に欠かせない資源だったのだ。
それだけに、イヌエンジュを熟知していたことだろう。
自然と共生するために、自然のことを知る。
自然を知って、生活のスタイルを変える。
わたしたちは自然を知って、それに関連した文化を知り、日常の気分を変える。
チクペニの幹や枝の強い香りで「コロナはらい」を行うのも気分転換に良いかもしれない。
イヌエンジュの花 |
幹。 |
花をアップ。なるほどマメ科だ。 |
葉。奇数羽状複葉。 |