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雲谷高原の林の中に咲いていたヌスビトハギ

2020/08/21
ヌスビトハギの花
ヌスビトハギの花。


名前は聞いたことがあるが、まだお目にかかったことのない野草。
ヌスビトハギ。
雲谷高原の林の中を散歩していたら出会った。

雑木林の林床に群がって繁茂している。
群生というほどではないが、小規模の群れが点在している様子である。

ヌスビトハギは、マメ科ヌスビトハギ属の多年草。
私などは、マメ科とくれば、葉が羽状複葉が多いと決めつけているがヌスビトハギは三出複葉である。

同じマメ科のヤマハギも三出複葉。
なによりも、マメ科のシロツメクサ(クローバー)が三出複葉である。
マメ科の葉は、羽状複葉と決まっていない。
いろいろござる。

ヌスビトハギの花は蝶形花(ちょうけいか)。
蝶形花もマメ科の植物に多い花の形。
蝶形花とくればマメ科。
これも、私のあやしい「決めつけ」となっている。

花は小さくて可憐なのだが、名前が「ヌスビトハギ」とはどういうことだろう。
「盗人」と冠せられるほど、この草は悪さをしたのだろうか。

「ヌスビトハギ」の命名には諸説あるようだ。
いちばん出回っているのが、「果実が泥棒の足跡に似ているため」というもの。
私は、ヌスビトハギの実も泥棒の足跡も見たことがない。
ヌスビトハギが結実するころ、また雲谷高原に出かけてみよう。

ところで、「ヌスビトハギ(盗人萩)」のような変な名前をあてがわれている野草にたまに出会う。
「ヘクソカズラ(屁糞葛)」とか「ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)」とかが代表的なもの。

それ相応の由来があって変な名前が付けられたのか。
変な名前の後に、もっともらしい由来が付け加えられたのか。
私には、知る由もない。
草に付けられた変な名前が、世間一般に広く普及しているのだから、野草に対して変な思いを抱いている人が多いということだろう。

そういう人から見れば、多くの人が「雑草」として嫌っている草を愛でているのだから「野草ファン」も変な人に違いない。

追伸:「雑草」という草はない。草には、その存在を示す名前がある。


ヌスビトハギの三出複葉
葉は、三出複葉。

ヌスビトハギの花と茎と葉
花と茎と葉。
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