谷地温泉から八甲田で随一の俊峰である高田大岳へ
ゆるい傾斜のブナの森を登る。 |
北八甲田連峰の各ピークは、ほとんどが円錐状の山容である。
なかでも高田大岳は、南北八甲田連峰のなかで随一の俊峰を誇っている。
美しいコニーデ。
テレマークスキーには、急峻で厳しいお山。
その厳しさと楽しさを味わいに、今日もまた黙々と登った。
斜面が急峻になるにしたがって、クライミングスキンでの登高が恐くなるのは、この頃の私の傾向。
若い頃はクライミングスキンで登り切ったこともあったが、齢をとったら、滑落するのではという恐怖感を抑えられなくなった。
標高1300m付近で、スキーをリュックに装着してツボ足登高に切り替えた。
ツボ足も、雪の固いところがあって容易ではない。
キックステップが突き刺さらずに、つま先立ち状態で登る箇所もあり、こっちの方も滑落の心配がある。
脚のふくらはぎにかかる負担も大きい。
アイゼンを携行すべきだった。
アイゼンは、荷物が重くなるからとクルマに置いてきたのだ。
標高1400mあたりから、いくぶん斜面が緩くなったので、またスキーでの登高。
そのまま残雪トップまで登った。
長い休憩をとりながら登ったので、残雪トップまで4時間かかった。
直近での高田大岳スキー登頂は、2016年4月27日の「濃霧の中を滑降」である。
64歳だったこの時の登頂記録は3時間半。
70歳で4時間。
まあ、こんなもんかな。
私みたいな非力な70歳でも、休み休み登れば、なんとか登頂できる。
山頂に近づく一歩一歩が宝物。
頑張ることはない。
宝物を扱うように、丁寧に歩みを進めれば良い。
残雪トップで長い休憩をとった。
気温が高かったので体が冷えることはなかった。
見渡す景色が素晴らしい。
一歩一歩の宝物。
さて、滑降だ。
尾根は、厳冬期の吹き溜まりの雪塊が、崩れかかって残っていて凸凹だらけ。
その尾根を慎重にアルペンターンで滑った。
急斜面の凸凹で、テレマークの脚が出なかった。
沢斜面へトラバースしたら、こちらはフラット。
程よいザラメ雪。
心地よいテレマークターンを満喫できた。
今回は、沢へトラバースする際の、尾根の雪庇がそれほど気にならなかった。
今までは、大きく成長した雪庇のために、尾根斜面から沢斜面へ移動する斜面が絶壁みたいになっていたのだが。
今シーズンの冬は、八甲田山では例年のような西風が吹かなかったのか。
そのために、雪のつき方が違っているように思える。
ともあれ、沢斜面は最高。
快楽的なターンを繰り返しているうちに、あっという間に高度を下げた。
振り返れば、山頂付近は西から押し寄せる雲の中。
アオモリトドマツの森に入ると、高田大岳の南斜面が姿を現す。 |
急だーっ。シール登高が恐い。 |
残雪最終地点からヤブ漕ぎをして高田大岳の東側ピーク(旧山頂:1552m)へ。 |
高田大岳東峰から南方向を眺める。 |
高田大岳東峰から北八甲田赤倉岳方面を眺める。 |
尾根筋の急斜面を滑る。凸凹雪面で難儀した。 |
沢斜面へ移動。こちらの急斜面は良質ザラメのフラットバーン。テレマークターンを楽しめて最高! |