雑談散歩

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川崎ゆきお氏亡くなる

川崎ゆきお作「猟奇王」より。

寂しい。
今月の2日に、川崎ゆきお氏が亡くなられていたとのこと。

私はかつて川崎ゆきお氏の漫画のファンだった。
若い頃「月刊漫画ガロ(青林堂)」を購読し、氏の哀愁と郷愁漂う変な漫画「猟奇王」を愛読していたのだ。
なによりも、猟奇王の住処となっている廃ビルに私も住みたいと思ったほどに。

おととし(2022年)に読んだ小説「綾乃」も面白かった。
小説「綾乃」は正式出版されていない。
1990年代にネット小説として発表されたとのこと。
マスメディアに取り上げられることが無かったという意味ではアンダーグランド的な存在だった。
そのアンダーグランド的な世界に親近感を抱く者にとって氏は鬼才だった。
自由な発想で、奇抜な漫画を描き、ユニークな読物を書かれていた。

当ブログは、ブログ発足当時から「川崎ゆきおサイト」にリンクをはってある。
そのサイトで、ほぼ毎日のように、超短い小説を発表されていた。
相当なエネルギーの持ち主であろうと感じていたが、今年の6月26日の「老兵は猿」で途切れていた。

暑さで体調を崩しているのではと思っていたが、「note」の氏のページには6月26日以降も毎日、「超短小説」を書き綴っておられたので、発表の場を「note」一本に絞ったのかなぐらいに思っていた。

その「note」の小説も8月5日の「是非」で途切れた。
あんなにエネルギッシュに書き続けていたのにぷっつりと途切れるとは、入院でもされたのかなと思った。

もうそろそろ復活されてはいないだろうかと今日「note」を覗いたら、9月4日付のコメント欄にファンの方からの気になる書き込みがあった。

「エディプスの怪人」は、10代の愛読書でした。
noteを始めお名前を見つけた時から、毎日の短編を楽しみにしておりました。
長い間、ありがとうございました。

長い間、ありがとうございました」ってまさか。
そう思って、Wikipediaで調べたら、「2024年9月に逝去が報じられた」とあった。

報じていたのは、青林工藝舎の「エックス(旧ツイッター)」の9月3日付の記事だった。

すでに川崎ゆきおさんの訃報がSNSに流れていますが、亡くなられたことは事実です。ただ詳しい情報がまだ把握できていません。ご遺族とのコンタクトを待ち、把握できしだいお知らせ致します。

   心よりご冥福をお祈りいたします。

とあった。

川崎ゆきお氏は1951年生まれ。
当ブログ管理人と同い年。
80歳、90歳になっても、独創的な感性を発揮し続け、活躍してほしい作家だった。

残念。

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