2014/03/23

七十森山(ななじゅうもりやま)から折紙山を眺める

七十森山への本日の行程図
 雪原を渡って        

北八甲田田代平にある八甲田温泉(冬期間休業)をちょっと過ぎたあたりが「旧上北鉱山」へ抜ける山岳道路の最終除雪地点となっていた。
そこに駐車して、山へ入る準備をしていると、スノーモービルを積んだ自動車が大挙してやってきた。
予想はしていたが、かなりの台数のスノーモービル。

午後3時頃、山を下りて駐車場所まで戻ってきたときは、道路に駐車している自動車の台数が30台ちょっとぐらいに増えていた。
ここは国立公園の区域からは外れているし、田代平という広大な雪原があるから、スノーモービル遊びには条件が良いのだろう。

ギュイーンというスノーモービルのエンジン音を後にして山へ向かったのが8時半。
コンパスを合わせて進んだが、駒込川に行く手を阻まれた。
私の勘違い。
自動車道路は、まだ川を越えてなかったのだ。
除雪最終地点は、駒込川に架かっている橋のかなり手前だった。

スノーモービルのキャタピラ跡の付いた道路へ大きく迂回し、橋を越えて電柱を頼りに、七十森山方向へと続いている道路上を歩いた。
とんだタイムロス。
おまけに今日の雪はシールにくっつく。
スキーの底に雪の塊が引っ付いて非常に歩きにくい。

テレマークスキーのスライド歩行が出来ない。
下駄履きのように足を上げて歩かなければならない。
とんだエネルギーロス。
シールにワックスを塗ってくるべきだった。
いやこんな日は、ワックスを塗っても雪が付着するかもしれない。

せめてもの対策に、歩幅を縮めて、疲れないようにゆっくり歩いた。
遠目にはおじいさん歩き。
近づいても、おじいさん。
70歳にはまだ程遠いが、おじいさんに近づきつつある男が七十森山をめざして、雪原でおじいさん歩きしている。
七十無理山。

途中、吹雪いて、山の姿が視界から消えたり。
どうにか広大な雪原を抜けて山裾に辿り着いたのが、10時10分頃。
ここまで1時間の予定が40分オーバーしてしまった。
山裾からは緩い傾斜の部分を選んで斜登高。
七十森山へ繋がっている稜線を目指した。
別荘地を通る道路の除雪最終地点。
スノーモービルのライダー達のたまり場になっている。
早春の駒込川
道路に沿って雪原を進む。これは南天間館の「旧上北鉱山」に向かう道路から西側に分岐した林道。
進んできた背後に北八甲田雛岳が見える。

 稜線をめざして

緩斜面の登りは、景色も開けて見えて気持ちが良かったが、相変わらず雪がシールにひっついて歩きにくい。
雪の深さは、踝ぐらい。
やっと稜線上に辿り着いたのがお昼の12時。
稜線の上は、広がりがあって気持ちが良い。

気分もさわやかで、疲れが消えるようだ。
積雪期の低山歩きの魅力は、気分の良い尾根歩き。
初めての場所なのに、なぜか懐かしい思いがわいてくる。
親近感と郷愁がごっちゃになって、尾根を歩く人に喜びを与えている。

ここは見晴らしも良く、北八甲田側と折紙山側を眺めることが出来た。
12時30分、805ピーク北側の、小高い小ピーク裾の広場で、ほぼ直角に右折。
この小ピークは、稜線の南側へ迫り出したような形になっている。
尾根トップの広がりのなかを、七十森山のピークを目指す。
いつのまにか、シールに雪が付かなくなっていた。
山の斜面を尾根を目指して登る。
傾斜の緩いところを斜登高。
805ピーク付近の斜面が見える。
稜線(736ピークから七十森山方向に延びている)が近い。
稜線上から眺める北八甲田。雛岳(左)と高田大岳(右)
北八甲田赤倉岳の断崖。
稜線上から野辺地方向に烏帽子岳。
進行方向に、805ピーク北側の小ピーク。
小ピーク手前の広場で右手方向にほぼ直角にターンする。奥が七十森山。
七十森山手前の尾根広場。
七十森山方向の緩い登り(振り返って見ている)。
この奥のピークが、地形図に三角点の表示のある山頂。
すぐ北側のピークの方が、見た感じ標高が高い。

七十森山(886)山頂へ

小ピーク裾の広場で右折後、はじめてのピークが、地形図で三角点マークのついている山頂だ。
とても小さなボッチ。
東側にかなり大きな雪庇が張り出しているようで、東側へは恐くて近づけない。
すぐ北側に、あきらかにこの場所よりも高いピークがある。

ちょっと歩けば届きそうだが、今日はここまでと決めた。
右足の太腿の筋肉がツリそうになっている。
おそらくあそこが七十森山の最高地点だろう。
木々に囲まれた低山特有の落ち着いた山頂のように見える。

だが、ここも気分が良い場所だ。
このボッチを、七十森山南山頂と名づけて、独り納得。
とりあえず山頂に立ったし、遠くに折紙山を見る事も出来た。
お天気は回復傾向なので、ゆっくりランチタイム。
しずかに自然にとけ込んでいく感覚を楽しむ。

田代平の雪原からスノーモービルの音が聞こえてくる。
スノーモービルは、大きなエンジン音と機械動力で自然と対抗しようとしている。
大きな音は、自然に抗おうとしている人工機械獣の咆吼みたいだ。
駆動力で雪を押さえ込み、エンジン音で高らかに自己主張する。
まるで、自然の中で自身以外の存在を認めないような爆音。

雪の上を疾走している自身の力を誇示する。
機械を操作している自身の技量を誇示することが喜びかもしれない。
自然は単なるスノーモービルゲームの面白い障害物でしかない。

テレマークスキーは自然との一体感を楽しむ遊び。
できるだけ自然を体感しようと努める人は、自身と自然との間に機械動力を入れない。
機械動力は自然を押し殺してしまうから、その乗り手には自然の楽しさや厳しさが伝わらないだろう。

さて、出発だ。
時刻は1時30分。
雪が重くてスキーが走らない。
非力な私には、この雪ではうまくターン出来ない。

気温が高い日の南斜面だからね。
帰りはほとんど斜滑降とキックターンで下りてきた。
非力者の単独山行故、安全第一。
もちろん複数であっても、山は安全第一。

田代平の雪原を逆ハの字歩きで難儀しながら歩き、スノーモービルのエンジン音で喧噪の駐車場所に帰り着いたのが3時近くだった。
とりあえず七十森山山頂ということで記念写真。
この光景を眺めるために登ってきた。遠くに折紙山の、白く平らな頂が見える。
帰り道から登りの行程(赤線)を見ている。赤い逆三角で指示しているピークの北西奥に七十森山がある。

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