2015/05/07

山での忘れ物は、また手元にもどってくるのか?

萱野高原から北八甲田を眺める。

連休最終日になった昨日の山行で、大岳南斜面の残雪最上部に、スキーのシールを忘れた。

シールとは、クライミングスキンとかクライミングシールとか呼ばれている山スキーの道具。
スキーを履いたまま山の斜面を登るために、スキー板の裏(ソール)に貼り付ける毛皮みたいなもの。
この毛皮の逆毛が、登高の際、後ろへの滑り止めの役割をする仕掛けになっている。

シールは、私のスキーハイキングには無くてはならないもの。
新たに購入するとなると2万円ちょっとの出費になる。

忘れ物に気がついたのは帰宅後、リュックの中身を取り出しているとき。
リュックの中にあるはずのシールが無い。
手にした時の、あの毛皮の手触り感・・・。
映画のようなワンシーンがよみがえる。

スキーのソールからシールを剥いで、濡れたシールを乾かすために、近くのハイマツの枝に掛けたのだった。
そのハイマツのヤブの光景が頭に貼りついた。

あっ、あそこに・わ・す・れ・た!

いつもは、滑降開始地点に到着後、スキーをひっくり返して、シールを板に貼り付けたまま乾かしていた。
その方が、道具がバラバラにならないので、置き忘れることがない。
そして、スタートの準備のとき、スキーからシールを剥いで、そのままリュックに仕舞うようにしていたのだ。
道具を分散させないことが、置忘れを防ぐ方法。

なのに、今回はどうしたわけか、いつもと違うことをした。
大岳急斜面シール登高の緊張から解放されて、ボンヤリしていたのだろう。

仙人岱ヒュッテに、大岳に忘れた私のシール(中央)が保管されていた。

今日は忘れ物を取りにいかなければならない、ということで、また八甲田へ行く理由ができた。
今日探しに行かなければ、後に悔いが残ると思った。

大岳に向かう途中、仙人岱ヒュッテに寄る。
ひょっとしたら、ここに届いているかも知れないという期待感(予感)があったからだ。

すると、案の定、私のシールが、上の写真のように、小屋に保管されていた。
小屋の風除室から部屋に入り、左手のコーナーを見たら、紛れもない私のスキーシールが、横棒にキチンと揃えて、掛かっていた。

ありがたいことです。
どなたか、親切なスキーヤーが回収して、仙人岱ヒュッテまで届けて下さったのだ。

ほんとうにありがとうございます。

このままシールを失っていたら、心の中にポッカリと穴が空くところでした。
愛用の道具を失うことは、一時的なことにしろ、寂しい気持ちでいっぱいになるということでした。

自身のうっかり者加減に愛想が尽きかけたところを、救っていただいたような気分。

避難小屋仙人岱ヒュッテの内部。石油ストーブや灯油ポリタンクは個人の持ち込み。

せっかく大岳に登るつもりで、アイゼンを用意してきたのだから、今日もまた、登ることにした。
曇天だったが、シールが見つかって、気分は明るい。
大岳南斜面をアイゼンで直登。
そして滑降。
今日もまた、素晴らしいザラメ雪。

シールを忘れたおかげで、かえって楽しい思いをさせてもらった。

山での忘れ物は、また手元にもどってくるのか?
それは、なんとも言えない。
幸運だったら、それは失わずにすむでしょう。

ただ、これは言える。
山には、幸せな気分にしてくれるものが、いっぱいあるということは確かなことであります。
たとえ幸運には恵まれなくても、登山者を幸せにしてくれるものがいっぱいあるってこってす。

大岳南斜面を登る。

アイゼンで登ってきた斜面を振り返る。


このハイマツのヤブにシールを置き忘れたのだった。

残雪最上部で休憩。

硫黄岳方面を眺める。

曇天の三山(手前から小岳、高田大岳、雛岳)。

大岳南斜面のザラメ雪を痛快に滑る。

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