2015/06/15

赤鬼か青鬼か、この野草はアオオニタビラコ

アオオニタビラコの可愛い花。
駐車場の隅で、オニタビラコの花が咲いている。
直径10ミリにも満たない可憐な花。

オニタビラコはアカオニタビラコとアオオニタビラコに種別されるという。

アカオニタビラコの特徴は、花茎や葉(根出葉も)が紫色を帯びる。
アオオニタビラコはその逆で、茎や葉が全く紫色を帯びないということ。
写真のオニタビラコは後者に属する。

という訳だが、そもそもオニタビラコとは、あまり聞きなれない名前。
オニタビラコはタンポポ同様キク科の野草で、道端や空き地、公園や庭の隅などによく生える植物。

どこにでも普通に見られる草なのだが、その名前はあまり知られていない。

タンポポの花と名前は誰にでも知られていて、多くの人々に親しまれている。
そのせいで、店舗の名前(屋号)に利用されることが多い。
「タンポポ食堂」とか「スナック・タンポポ」とか「喫茶タンポポ」とか、親近感が湧いて馴染みやすいイメージである。

だが、「オニタビラコ食堂」とか「スナック・オニタビラコ」などという名前の店は、おそらく皆無だろう。
一般的ではないから、親近感が湧かないネーミングになってしまう。

もし、「スナック・オニタビラコ」という店があったら入ってみたいもの。
きっと面白いママさんが経営しているに違いない。
野草好きな人間なら、そう思うかもしれないが、世の中の「呑み助」のなかで野草好きな「呑み助」なんてかなりの少数派。

「オタビラコ」とか「オニビラコ」とかではなく、酔っていても「オニタビラコ」と正確に発音できる人がいれば、それは相当の野草好きということになる。

閉じている花と開いている花。
オニタビラコのことを知るにはタビラコという野草について知らなければならない。
が、タビラコという奇妙な名前の由来については、納得のいく説明が見当たらない。
「田平子」と漢字で書くということだが、何が何やらチンプンカンプン。

タビラコは別名コオニタビラコというらしい。
コオニタビラコの方が標準和名であるという説もある。

春の七種にホトケノザという植物がある。
現在ホトケノザと呼ばれている植物は、オドリコソウに似たシソ科の草。
だが、これは食べられない。

江戸時代の七草粥に使われていたホトケノザは、現在のコオニタビラコ(タビラコ)の若草であるというのが定説になっている。
江戸時代(それ以前も?)では、現在のコオニタビラコがホトケノザと呼ばれていたらしい。

そういう「曰く因縁」をもつタビラコ(コオニタビラコ)。
そのタビラコよりも、草として大柄であるからオニタビラコなのだという。

一方が「コオニタビラコ」であるのなら、それより大きいものは「オオオニタビラコ」でなければならない、と思うのは私だけだろうか。
それは命名の出発点が、タビラコ(コオニタビラコ)であると思うからか?

最初に発見されて命名されたのは「オニタビラコ」であるとしたらどうだろう。
この植物のどこかが、鬼に見えたのではあるまいか?
次に発見されたのが、オニタビラコよりは小型の「コオニタビラコ」。
昔の人は「コオニタビラコ」のロゼットの若草をホトケノザという山菜名で呼んだ。

だだでさえ言いにくい「オニタビラコ」に、さらに「コ」をつけて「コオニタビラコ」とは言いにくい。
小さいのは「タビラコ」で良いじゃないか、という意見も出たり。

こう考えると、発見や命名の順番が下記のようになる。
オニタビラコ→コオニタビラコ→タビラコ(若葉はホトケノザ)。
私的にはこの順番がスッキリするのだが、しかし、これは私の空想に過ぎない。

根元の様子。根出葉がある。
近年になって、オニタビラコは、アカオニタビラコとアオオニタビラコに種別されるということになったようだ。
こうなると、オニタビラコは個別名では無くなり、その存在感は総称という漠然としたものになる。

変わって、赤鬼か青鬼かのタビラコが、植物としての存在感を際立たせる。
赤鬼や青鬼の冠をかぶることによって、オニタビラコはますます鬼としてのイメージをエスカレートさせていくようだ。

名前だけが先走っても、草自体の存在感は相変わらず。
直径が10ミリ未満の花が閉じたり開いたりでは、人目に触れる機会も少ないのだろう。
赤鬼とか青鬼とかのイメージで無いことは確かである。

綿毛(冠毛)。

花と果実。

夕暮れには花を閉じる。

折りたたむように花を閉じる。

根出葉に赤みがないからアオオニタビラコ。

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