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2016/04/29

地方都市の「小悪な居酒屋」

ネットで「最悪の居酒屋」とか「最悪な居酒屋」というキーワードで検索すると、いろいろ出てくる。
最悪の舞台は、東京近辺の大型居酒屋が多い。
ぼったくられたとか。
料理が酷かったとか。
アルバイト店員の接客が最悪とか。
入店して40分経っても店員がオーダーをとりにこないとか。
様々。

さすが東京だけあって、「最悪の店」のレベルが高い。
スケールも大きい。
ひとつひとつ記事を読んでいると、本当にこんな最悪の店が実在するのだろうかとびっくりするほどだ。
それはそれで興味深い。
「魔都東京」の片鱗を垣間見たような。

飲食店の口コミサイトで好印象な記事があっても、実際はそれが「ステマ(ステルスマーケティング=サクラ)」であることが多いとか。
そのことは、青森市内の居酒屋でも言える。
いろんな口コミ情報には、けっこうステマっぽいものが目につく。

私は、青森市内の居酒屋で、この店は最悪だなと思うような体験をしたことはない。
でも、青森市内にも「最悪の居酒屋」「ぼったくりの寿司屋」は存在するという話は聞いたことがある。
話を聞いただけで、噂になっている店を体験したことはない。

しかし、ちょっと不快な気分になったことは何回かある。
その何回かに共通しているのは、店主が飲みすぎること。
はじめ無口だった店主がやかましいほど多弁になる。
それを面白がる常連客たち。
おだてに乗って、店主は延々としゃべり続ける。

一見の客である私が料理を頼んでも、それは無いと断る。
たとえば私が壁に貼られたメニューを見てヤキソバを頼むと、「うちはヤキソバ屋じゃないよ」てな具合だ。
「ヤキソバなんか注文されるとオレは怒るんだよ」とうつむいてブツブツ言う。
常連のお客がそれを面白がる。
「じゃ、何屋さんなんだい?」と私が尋ねる。
「うちは居酒屋なんだよ」とヨッパライ店主が応える。
「ヤキソバは居酒屋メニューじゃないのかい、現に壁に貼ってあるじゃないか」と私が迫ると、常連客は「大人げないなぁ」という顔で私を見る。
「名物店主」というお役柄と、その店主から「お怒りの施し」をうける観客たち。
仕事をしないで気の合う客たちと遊んでいるのだ。
そんな「小悪な居酒屋」は何軒か経験した。

大都会の「最悪な居酒屋」は、余分な仕事をしたくないアルバイト店員やパート店員たちの申し合わせたサボタージュみたいなものを感じる。
地方都市の「小悪な居酒屋」には、店主の酔いにまかせた傲慢さと、それを育てている常連客達の、はた迷惑な人の好さを感じる。

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