2016/09/25

山頂付近は快適な天空の道、北八甲田高田大岳谷地温泉コースをハイキング

谷内温泉の屋根越しに見る高田大岳。
私が北八甲田で唯一歩いたことの無い夏道が、谷地温泉から高田大岳へ登るコース。
いつかは歩こうと思っていたのが、本日やっと実現した。
春スキーでは、残雪の上を山頂まで毎年一回は登っている。
今年の春は、テレマークスキーのシール登行で山頂まで3時間半かかった。
今回もそれぐらいの時間がかかるだろうと思って登り始めたのだが、2時間半という標準タイムで山頂到着。
ちょっと若返った気分だった。

勾配の緩いブナ林の道を進む。
長時間の山登りは、今年5月24日の葉抜橋山(はぬきばしやま)以来。
今年の春から、左肩が酷く凝っていて、リュックを担げない状態だった。
それがどうにか軽減したので、手始めに高田大岳を歩こうと思った次第。

山頂への道は、刈り払いが行われていて明瞭だった。
今年の6月に、「十和田山岳振興協議会」という会のメンバーを中心に、ボランティアの方々が集結し、登山道の刈り払いを行ったのだという。
今年から「山の日」として祝日になる8月11日の前に、登山道を覆い隠していたネマガリタケの藪や木の枝を取り除こうということだったらしい。
これまでは、当コースは北八甲田で一番の悪路だと言われていたが、幸運にも私はその悪路を未体験である。

刈り払いによって、藪漕ぎ状態だった登山道のルートは明瞭になったものの、湿地の泥場や洗掘による深い「溝道」は元のままだという。
この「洗掘溝道」を歩いたとき、私は、シリポロチャシの「掘道(土塁?)」を思い出した。
おお、高田大岳も巨大なチャシだったのか、なんて悪態をつきたくなるほどの「立派」な「洗掘溝道」であった。

急登が始まる手前で、高田大岳が姿を現す。この急斜面の尾根を、蟻のように登るのだ。
8時40分ごろ、谷地温泉駐車場を出発。
まずは、高田大岳山麓の小さな丘を越える。
緩い登り斜面をゆっくりと登る。
これがけっこうな足慣らしになる。
緩い斜面を登りきると、丘(標高974.5メートル)の東側を巻いて道は平坦になる。
泥々の湿地帯の出現である。
これが春から夏にかけては、雪融けのため、大変な「泥漕ぎ」状態になるらしいが今日はそれほどでもなかった。

標高1000メートルぐらいまでは、平坦に近い緩い登りである。
標高1000メートルを越えると、道は突然急登になる。
しかも直登一直線の道。
緩やかなハイキング道が、修験の道に変わる。

多くのハイキング道は、急斜面上ではジグザグに造られるものだが、高田大岳では直登の道。
ほぼ最大傾斜線に沿った登山道。
フォールライン上の登山道故に、道の洗掘が酷い。
これでは側溝を造ったようなものだ、などと愚痴をこぼしながら登る。

おまけに、この道には木陰が無い。
背の低い灌木帯のなかを登るので、真夏の炎天下では直射日光を浴びての苦しい急斜面直登になることだろう。
まさに「熱中症道」。
登山道のある尾根の西側は、アオモリトドマツの林が八合目ぐらいまで続いている。
春スキーのときは、私はその木陰で休憩をとっている。
登山道をつづら折れにすれば、木陰で涼をとることもできるのだ。
この登山道は、戦後間もない頃造られたそうだが、こんな「楽しめない道」を造った意図は何なのだろう。

急登の道は洗掘がひどくて歩きづらい。まるで「堀道(土塁?)」のよう。
楽しい山歩きに、変な「精神論」をこじつけようとして造られた苦行の道なのか。
予算が無いということでの「やっつけ仕事」だったのか。
なんだか年をとったら、文句ばかり多くなった。

不平不満をたらたら垂らしながら登っていると、標高1200メートルあたりから展望が開けてきた。
辿ってきた方向を見下ろせば、丘の向こうに谷地湿原が見える。
南八甲田の山並も見渡すことが出来た。
東側には黒森も見える。
下の方では無風状態だったが、やっと涼しい風が吹くようになった。
展望と涼しい風に、ようやく気分も晴れやかに。
が、道は相変わらずの「直登溝道」。
滑りやすいなので慎重に進む。

板にテプラ貼りの真新しい標識。

南八甲田を眺める。

南八甲田櫛ヶ峰(中央)の山頂部は雲の中。
八合目あたりに小さな岩場があって、そこがちょっとした展望所になっていた。
吹く風が心地いい。
岩に座り込み、景色を楽しみながら大休憩。
岩の回りはハイマツ帯。
ここを過ぎると、もう「洗掘溝道」はない。
登山道は少しジグザグ状になり、徐々に快適になる。
そして、標高1400メートルぐらいからは最高に気分のいい道に。

天空漫歩。
山頂に近づくにしたがって、傾斜は緩やかになっていく。
悪路だった登山道が、いつのまにか最高の道に変わっていた。
山頂付近は快適な天空の道。
山頂からの眺めが素晴らしい。
南八甲田も北八甲田も、360度パノラマビュー。
東峰が高田大岳山頂になっている。
そこから平坦な尾根道を2分ぐらい歩くと西の峰に着く。
西峰からは北八甲田の峰々が一望できる。

八合目あたりの岩場展望所。
帰路は、高田大岳西峰から小岳との鞍部に下り、そこから小岳を目指して登り、小岳山頂から仙人岱に下りて地獄湯ノ沢を通って酸ヶ湯に下りるのも楽しい。
だが今日は往路を下ることにした。
谷地温泉コースは、登るのも大変だが、下りも大変。
途中、藪の中へ入ってサモダシ(ナラタケ)を少々頂いた。
藪のなかで、ツキノワグマの糞を発見。
あれこれ見物しながらゆっくり下りて、谷地温泉に帰り着いた。

今日は、久々に谷地温泉に入浴。
ゆったり入って疲れた体を温めた。

標高1350メートルあたりから徐々に快適な道になる。

山頂が見えた。登山道は、快適な天空の道。

残骸化している山頂(東峰)の祠。

赤倉岳(中央)を見る。

雲の陰になった雛岳。

高田大岳西峰から西方向を眺める。左から石倉岳、硫黄岳、小岳、大岳。

西峰から小岳の大斜面を眺める。春スキーのシーズンには広大な一枚バーンになる。

紅葉が始まっている高田大岳の南斜面。

ツキノワグマの糞。

食菌のナラタケ(サモダシ)

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