2017/03/07

津軽の春を告げる食材、帆立稚貝(ほたてちがい)

帆立稚貝のみそ汁。具は帆立だけ。
2月の初めから3月の終わりごろまで、青森地方に帆立稚貝(ほたてちがい)が出回る。
帆立稚貝のみそ汁は、津軽の春の味。
山菜のフキノトウに先駆けて味わうことができる早春の味覚である。
帆立稚貝は、「わかおい」のおにぎりと並んで、私の好きな津軽の食べ物のひとつ。

青森県の帆立貝の漁獲量は、北海道に次いで日本で2番目。
北海道では噴火湾(内浦湾)の養殖帆立が有名。
青森県では陸奥湾で帆立の養殖が盛んに行われている。

帆立稚貝とは、生育1年目ぐらいの小さな帆立のこと。
養殖の過程ではじかれたものが帆立稚貝として、スーパーなどで売られている。
北海道のホタテ養殖は、成貝まで大きくして引き揚げる。
一方青森県では、半成貝まで育ててからスチームボイルし、ベビーホタテとして出荷することが多い。
その過程で間引きされたものが帆立稚貝。

割と安価で美味しい食材として、青森では重宝されている。
東京辺りでは、ボイルされたものを袋詰めにして売られているという。
青森では、下の写真のように殻つきの帆立稚貝が出回っていて、春を告げる食材として人気が高い。
殻つきの帆立稚貝は、鮮度が要求される。
その分、新鮮な味わいが楽しめるのだ。

稚貝の大きさは4センチ~6センチぐらい。
成貝の殻の大きさが12センチ程度だから、稚貝はかなり小さい。
貝は小さいが、中身はしっかりしている。

下の写真の、帆立の身についている黒いかたまりはウロと呼ばれている部分。
このウロに貝毒が蓄積すると言われている。
もっともこれは成貝の場合で、稚貝は気にするほどのことはないとか。
このウロは、そんなに美味しいものではないので、下ごしらえの段階で取り除いた方が無難かもしれない。
しかし、稚貝のみそ汁の場合は、貝殻ごと鍋に入れて調理し、ウロはそのまま食されることが多い。
気にする人は、箸で取り除いてから帆立の身を食べている。
そうすれば、別にどうってことはない。

さて、津軽の春を告げる食材、帆立稚貝のみそ汁の味はどうかというと、あっさりとして美味しい。
そのあっさりとした味加減に、成貝よりも稚貝の方を好むファンもいるくらいである。
成貝よりも低価格で入手できることだし。

姿は稚貝だが、料理方法は成貝に劣らず盛りだくさん。
カレーやパスタの具にしたり、炊き込みご飯の具にしたり、酒蒸しにしたりバター炒めにしたり、お好みにあわせていろいろ楽しめる。

冬が終わると青森は、帆立稚貝に始まって、海の幸山の幸と美味しいものが豊富だ。
冬が終わっても、八甲田山にはたっぷりの残雪があり、山スキーが楽しめる。
山スキーのアフターは温泉が楽しめる。
青森は、ほんとうに楽しみ多いところである。

豪雪地帯の八甲田山や、津軽半島、下北半島からミネラルたっぷりの山の水が、陸奥湾に注ぎ込む。
それが栄養分を多く含んだプランクトンを育て、帆立貝の生育を助けている。
帆立貝は、プランクトンを食べてすくすく育つ。
実際のところ、楽しみが楽しみを生んでいると言えるのではあるまいか。
そういう意味で、青森は楽しみが多いところなのである。

津軽地方に帆立稚貝が出回って、青森の春の楽しみが始まる。

稚貝といっても中身はけっこう大きい。黒い部分がウロ。

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