ツツジの植え込みの中で、つる草のツタバウンランが伸びていた
ツツジの中のツタバウンラン。 |
愛犬の散歩でよく訪れる平和公園。
この広い公園の西側の、南北の端にはドウダンツツジの植え込みがある。
北側のドウダンツツジは、繁茂したヤブガラシに覆われて陽の光を遮られている状態。
南側のドウダンツツジにも、北側ほどではないが、ヤブガラシが絡み付いている。
蔓植物は、今年も旺盛な繁殖力を見せている。
堤小学校の校庭の北側にも、立派なドウダンツツジの生垣があるのだが、ここはヘクソカズラやノブドウが伸び放題。
数年前まで、秋の紅葉が美しかった生垣は、手入れがされていないために年々廃れてきている。
生垣全体が燃え上がっているような紅葉は、今はもう見ることができない。
スミレの花のように、花冠の後ろに距(きょ)がある。花の大きさは、花冠の端から距の端まで10mmぐらい。
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それにしても、ドウダンツツジには蔓植物が絡まりやすいのか、そんな光景をよく見かける。
ドウダンツツジは葉が密集していて、蔓植物が這い上がるのは難儀そうに見えるのだが。
でもこれは、散歩人的なズボラ観察であるかもしれない。
蔓植物の行動力は、動物に近い。
ちょっとした光を求めて四方八方縦横無尽に蔓を伸ばす。
垂直にしか伸びない植物は、あっという間に制空権を奪われてしまうのだ。
ここにある写真は、ドウダンツツジの葉の陰で可憐な花を咲かせているツタバウンラン。
この写真は、近くのマンションの玄関前のドウダンツツジを撮ったもの。
大型のコンクリート製プランターに植えられたドウダンツツジ。
背の低いツツジの植え込みに絡みついているツタバウンラン。
だが、どことなく場違いに見える。
獰猛なヤブガラシやヘクソカズラと違って、ツタバウンランがツツジに絡まっている姿はどこか弱々しい。
以前見かけたツタバウンランの葉は、肉厚感があったが、写真の葉は薄めでツヤも無い。
花の色も、紫が抜け落ちたような白さである。
プランターの中のツツジの藪に紛れ込んで、迷子になって憔悴している「ツタバウンランちゃん」てな感じである。
ツタバウンランは道端で見かける蔓植物。
地上を這いながら、茎から「不定根」を出し、勢力を拡大していく類である。
「不定根」とは、根以外の部分である茎から二次的に発生する根のこと。
この「不定根」がツタバウンランの元気の源なのである。
ツタバウンランが垂直行動をとる場合は、ほとんどが住宅などの石垣においてであると言われている。
石垣の隙間には土があって、「不定根」を伸ばせるからである。
写真の「ツタバウンランちゃん」は進めど進めど「不定根」を伸ばすことができないでいる。
ひょっとしたらドウダンツツジに揚げ足を取られているのかもしれない。
空中格闘技が苦手な「ツタバウンランちゃん」を、高く持ち上げて枯らしてしまおうというドウダンツツジの作戦なのかもしれない。
ツタバウンランは土を求めて下へ下へと伸びる。
それを遮るドウダンツツジ。
はたして、迷子の「ツタバウンランちゃん」の運命やいかに。
ツタバウンランの可愛い花。葉も可愛い。 |