稲垣河川公園のヤナギ並木がピンチ
「稲垣河川公園」のヤナギ並木。 |
愛犬の散歩で 度々訪れているつがる市稲垣町の「岩木川河川公園」。
この「岩木川河川公園」という名称の公園は、岩木川沿いに数カ所存在している。
なので私は、それらと区別するために、稲垣町の河川公園を「稲垣河川公園」と呼んでいる。
「稲垣河川公園」は、つがる市の正式名称ではないのでご注意くだされ。
この「稲垣河川公園」のヤナギ並木が大好きで、私はこの公園に来る度にヤナギ並木のなかを愛犬と散歩している。
ところがこの並木の枝枯れが、2015年あたりから目立ち始めた。
この枝枯れは、2016年になっても回復していない。
今日久しぶりに来てみたら、ヤナギ並木の枝枯れがますます悪化していた。
「稲垣河川公園」のヤナギ並木がピンチである。
ところで、私はこのブログで単にヤナギと書いているが、ヤナギという名の固有種はない。
ヤナギは、ヤナギ属の樹木の総称である。
「稲垣河川公園」に生育しているヤナギが、何という固有種であるのか、私はまだ知らない。
日本に自生しているヤナギ属は、40~70種あると言われている。
シダレヤナギやネコヤナギ、ドロヤナギなどが有名だが、ここのヤナギは、そのどれでもない。
ドロヤナギとは、葉の形がまるで違っている。
河川敷に生えているヤナギだからカワヤナギという種類かと思ったが、これも違うようだ。
カワヤナギは低木で、樹高は3~6メートル。
幹の直径は、30センチぐらいまで。
「稲垣河川公園」のヤナギは、もっと背が高く、幹も太い。
何年も通っているのにヤナギの樹種名も知らないなんて情けない。
ヤナギは、身近な樹木で、ヤナギと言えばそれで通じてしまうところがある。
そのせいで、私自身も含めて、この樹種を世間の人々は軽んじている。
建材にはならないし、庭木としてもほとんど利用されない。
折った枝を地面に放れば、そこから根を出して育っていく繁殖力の強い木。
河原にたくさん自生している雑な木。
そんな印象が、ヤナギの木を軽んじる理由なのではあるまいか。
岩木川の河川敷は、子どもの頃の私の遊び場だった。
その頃から見慣れていたせいか、ヤナギの樹種にはあまり興味がなかった。
しかし、2014年8月に「稲垣河川公園」で、はじめてこのヤナギ並木を見つけ、このヤナギの樹種に興味を持った。
なんてステキなヤナギ並木。
最初はシロヤナギかと思ったが、私の観察力が足りないので、なかなか決め手が見つからないでいる。
ヤナギは、種類が多い上に雑種ができやすく、同定が難しい。
ただ、背の低いヤナギが多いなかで、シロヤナギは堂々とした大木に育つというので、比較的大きな河川公園のヤナギをシロヤナギかなと思った程度である。
年々ボリュームが減っていくヤナギの枝。 |
枯れが進んでいる。 |
さて、どんどん枝枯れが進んでいるヤナギ並木で、北側の端にある個体が一本伐採されてあった。
下の写真が、その切り株である。
切断面には無気味な虫食い跡。
これが枝枯れの原因であるのかどうか。
いずれにしても、このヤナギ並木はかなりピンチ状態である。
健康な枝から新緑が出ているものの、全体として生気が感じられない有様。
ヤナギ並木のなかの数本に、赤いテープが巻かれてあった。
この赤いテープが、伐採候補個体の目印であるのかどうか。
私の素人考えでは、この並木は個体の間隔が密すぎて風通しが悪い。
各個体の枝が上の方でぶつかっており、枝の樹皮が傷つきやすい配置になっている。
このために病害菌や病害虫が蔓延りやすいのではないだろうか。
ヤナギの樹種名も知らないくせに、と専門家に怒られそうだが・・・・
ついに一本伐採。切り株に、虫食いのような跡。 |
全枯れ状態の個体。 |
赤いテープが巻かれているのは伐採候補だからか。 |
南側の広場の柳の木は健在。枝ぶりが良い。大木で樹形が球形になるのがシロヤナギの特色なのだが、このヤナギの木にはそんな雰囲気がある。
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「稲垣河川公園」の中央付近を、堤防から岩木川へかけて東西に一本の道が通っている。
ヤナギ並木は、その道の北側にあるのだが、南側に疎らに生えているヤナギの木は病害虫に侵されていない。
上の写真のように、南側のヤナギの個体間には一定の距離がある。
こちらのヤナギが健在である理由は、この間隔にありそうだと私は思っている。
一方では健在なヤナギの大木。
一方では、病みつつ滅びそうなヤナギ並木。
このヤナギ並木が、今後どう変化していくのか。
また、ステキなヤナギ並木が復活するのかどうか。
見守っていきたいところである。
新しい枝がシダレヤナギのようになっている。垂れるタイプのシロヤナギだろうか? |
ヤナギの木陰でくつろぐ愛犬。 |