雑談散歩

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冬になってサンシュユの実が甘くなった

雪の中のサンシュユの木
平和公園の島にあるサンシュユの木(写真中央)


夏頃はあまり目立たなかったサンシュユの実が、落葉したらよく目につくようになった。
実を覆っていた葉っぱが消えたので、小粒の赤い実が顔を出したのだ。

こうして姿をあらわすと、たくさんの実が葉陰に潜んでいたことがわかる。
裸木にたくさんの赤い実がついている姿は、見ていて楽しい。

サンシュユは、春の残雪の頃に花を咲かせはじめる
平和公園では、一番最初に咲く花である。

早春には、黄色い可憐な花が盛りだくさんに枝を覆って美しい。
葉が出るよりも早く花が咲くので、木全体が黄色に覆われているのが遠くからでも確認できる。


しぼんできたサンシュユの果実
しぼんできたサンシュユの赤い実。


あの花のほとんどが実になるのだから、落葉しても赤い実で賑わっているのだ。
落葉する前は、紅葉が美しい。

サンシュユの紅葉は、渋い赤色で落ち着いた雰囲気がある。
春から初冬まで、見る者を癒やしてくれる趣多い樹木である。

サンシュユの赤い実はグミによく似ている。
漢字では「山茱萸」と書き、日本ではヤマグミの別名がある。

でもサンシュユは、ミズキ目ミズキ科でグミ科ではない。
グミは、バラ目グミ科の植物。
グミではないが、赤く熟した果実はグミのように美味しそうに見える。


サンシュユの総苞片と赤い実
しぼんできた果実と、その後の総苞片(この中で蕾が育っている)。



秋の中頃に、愛犬の散歩コースである平和公園の池の島を通りかかった。
八畳間ほどの広さの小さな島に、四メートルぐらいの高さのサンシュユの木がある。

サンシュユの赤い実は、食べることができると言われている。
そろそろどうだろうかとつまんで食べてみたが、渋みと酸っぱさが口のなかに広がった。
甘みがほんの少々感じられただけだった。

つぎに秋の終わり頃に食べてみたが、渋さと酸っぱさが後退して甘みが強まっていた。
それから、島を通るたびに三粒ぐらいつまんで食べている。

サンシュユの実は乾燥させて生薬として利用され、その効能は強精作用だそうである。
ホホホホ、食べすぎに注意だね。

極端に精が強くなっても困りものだからね。
もっともその効能が本物であるならの話だけど。

雪が降るようになったこの頃は、甘さが増したように感じられる。
甘いといっても、熟した柿のような甘さではなく、ほんのりとした甘さ。
もうこの時期になると、果肉はハリがなくなってベチャベチャした食感である。

赤い実を口の中に入れて、大きな種を雪の上に吐き出す。
こんなことをやっているのは、公園の散歩者のなかで私だけかもしれない。

こうして、サンシュユの実が枝から落下するまで私のつまみ食いは続くのである。

(※この記事は、サンシュユの実の生食をすすめるものではありません。)


池に枝を差し出しているサンシュユ
赤い実と白い雪。
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