道路沿いに長距離にわたって繁茂しているノラニンジン
他の草に混じって生えているノラニンジン。 |
国道280号線のバイパスを青森市から蟹田へ向かう。
西田沢あたりから蓬田村を過ぎるあたりまで、道路の両側は水田地帯である。
水田地帯を通るバイパス。
その、海側(陸奥湾側)の道路脇に、道路と並行してノラニンジンの白い花が隊列を作っている。
どこまでも続く白い花の隊列。
いつごろから、こんな状態なのか。
今まで気がつかなかったが、今年は密に繁茂しているので目立つようになったのか。
などと考えさせる大群生である。
ノラニンジンは外来植物。
在来種を追い出して勢力を拡大するのが外来植物の傾向だが、ここまで猛威をふるっている種の例は、ほかにないのではあるまいか。
野草の群生は面的に広がっているのを多く見かける。
ここのノラニンジンの群生は「線的」である。
バイパスを走る自動車の風圧が、ノラニンジンの種子を「線的」に飛ばして、距離をつないでいるのだろう。
なお、中泊町今泉から「やまなみライン」を通って蟹田方面に抜けたが、その道路沿いでもノラニンジンの線的な群生が延々と続いていた。
すさまじい繁殖力である。
ノラニンジンの花も葉も、野菜のニンジンのそれと似たような雰囲気を持っている。
ニンジンもノラニンジンも、セリ科ニンジン属の仲間。
でも、ノラニンジンの根はニンジンほど太くも赤くもならない。
図鑑などでは、食用にはならないと紹介されている。
ノラニンジンは有毒であると記された図鑑やサイトは見かけない。
同じセリ科の植物では、ドクゼリが有毒である。
ドクゼリは、ドクウツギやトリカブトと並んで、日本三大有毒植物のひとつに数えられている。
ノラニンジンもドクゼリと同じセリ科なので、安易に口に入れない方が身のためである。
セリ科の有毒種であるドクニンジンも日本に帰化して分布を拡大しつつある。
厚生労働省のサイトの 「自然毒のリスクプロファイル」のページに、そう記載されている。
セリ科の植物は見分けが難しい。
ノラニンジンの花が清楚で愛らしいからと、摘んで家の花壇に植えたりしない方が良いだろう。
あっというまに、庭中ノラニンジンだらけになる。
野草は、野にある姿を眺めるに限る。
ノラニンジンの複散形花序。 |
たくさんの小花。 |
閉じている花弁。 |
花が終わると、花序の外側が内側に丸まってくる。 |
白い毛が生えているまだ若い種子 |
野菜のニンジンそっくりの葉。 |
白い毛が生えている。 |
散形花序がたくさん集まって複散形花序を形成している。 |