2021/09/26

ソナレ(磯馴れ)という野草の生き方に感動した、ソナレオトコヨモギ

果実のように見えるツブツブは、ソナレオトコヨモギの花。


龍飛崎龍浜海岸の岩場で、見慣れない野草を見つけた。
葉が肉厚なので、    ベンケイソウかキリンソウの仲間かなと思ったが違うようだ。
先の方についているツブツブは、果実なのか花なのか。
インターネットでいろいろ調べたが、結局わからない。
野草の名前を知るためのお助けサイト「草花を愛でる方々のためのお尋ねBBS」に投稿してみた。
すぐにユーザーの方から回答があって、「ソナレオトコヨモギ」という名前を知ることができた。

「ソナレオトコヨモギ」で、インターネット検索しても、画像はアップされていない。
よっぽどの希少種なのだろうか。

そこで、オトコヨモギを検索して調べた。
花の様子とか、花のつかない茎の葉の様子とかが、オトコヨモギによく似ている。
龍浜海岸の個体は、葉におおわれて茎がほとんど見えない状態だった。
しかも、オトコヨモギのように立ち上がっていない。
岩の上を這って生育している。

きっと、オトコヨモギの海岸型で、龍飛崎の強風のために立ち上がることができなくて、岩場を這うように生活している「ソナレオトコヨモギ」であるにちがいない。
そう確信した。

ソナレは、漢字で書くと「磯馴れ」であるという。
ソナレ(磯馴れ)を辞書で調べてみた。
「潮風のために、木の枝や幹が地面にはうように生えていること」とある。
木だけではなく、草もソナレになることはありえるだろう。

「磯馴れ」は、かなり古い言葉であるようだ。
平安時代後期の歌集「散木奇歌集(さんぼくきかしゅう)」に「磯馴れの松に」という語句が見られる。

「進化」とは言わず、さらりと「磯馴れ」。
平安時代に「進化」という概念は無かったにしても、日本人の自然に接するセンスは素晴らしい。

野草にはソナレ(磯馴れ)という生き方があるのだ。
ソナレオトコヨモギに感動した。
龍飛崎龍浜海岸の岩石や、岩石の隙間で生活している野草たちに感動した。
津軽半島の龍飛崎は「感動崎」である。

ソナレオトコヨモギは、キク科ヨモギ属の多年草。
ツブツブの頭花の花期は、8月から11月までだという。
初冬の龍浜海岸に咲くソナレオトコヨモギに、また会いたいものだ。


びっしりとついた花。花や葉が密すぎて、茎が見えない。

花をつけない茎の葉。へら形で、葉の上半部に切れ込みが入っている。切れ込みの入り方は様々。

岩場をはうように生活している。

這いながらも先へ伸びて行く。