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今日のトラック。 |
横長な東岳の南面には、麓から山頂稜線に向かって延びている三本の明瞭な尾根がある。
登山道が整備されている月光の滝の尾根は、三本の尾根のなかで西に位置している。
中間の尾根は、小川目沢と大金掘沢の出合いから立ち上がっている。
東の尾根は、小川目沢と大清水沢の出合いから始まる。
東岳の南東に位置しているこの尾根は、登り詰めると「青森のマチュピチュ」と称されている「滝沢展望所」につながるはずである。
地形図で以前から注目していたこの尾根の偵察を今日敢行した。
仕事が混んでいて、疲れ気味だったせいか朝寝坊してしまい、起きたのが8時半だった。
なんだかんだで、スタート地点の駐車スペースに10時過ぎに到着。
10時半からのスタートになった。
水嵩の少ない箇所を選んで大清水沢を徒渉して山へ入った。
今は廃道になっている林道跡があって、それに惑わされて目的の尾根からだいぶズレたが、進路修正して、予定通り東端の尾根に乗ることが出来た。
登り始めは、尾根の右手が恐ろしい断崖になっており、緊張した。
南東の尾根は「月光の滝コース」ほど急坂では無い。
適度な緩急があって楽しい尾根歩きだった。
南東に突き出た尾根だけあって風通しが良くて、快適に行動できた。
今日の青森市内は27・8度ぐらいまで気温が上がったようだが、南東の尾根では木漏れ日と涼風の山散歩だった。
尾根の木々の間から滝沢の山並みを右手に覗き見しながら歩いた。
ルート後半には、大きな白い岩があったりして退屈しない。
「逆・青森のマチュピチュ」までは1時間半の登りだった。
到達地点の標高は440mぐらい。
スタート地点の標高が130mぐらいなので、標高差310mのミニハイキングだった。
登り始めの右往左往が無ければ、老齢な私でも1時間ぐらいで登れるルートである。
以前「月光の滝コース」を利用して登った「青森のマチュピチュ」からは、滝沢の山並みを展望することができた。
「逆・青森のマチュピチュ」からは何が見えるのか。
緑の緩やかな尾根が、深く切り崩されて出来た土色の険しい断崖。
行く手を阻む断崖が見えた。
東岳の山頂の森も遠望できた。
だが、ここから山頂まで行くには破壊地の断崖を下って、さらに「青森のマチュピチュ」までの断崖を登らなければならない。
断崖を下りたら、荒涼とした灼熱の砂漠。
直射日光に炙られて、爺は熱中症で倒れる。
なので、今日はここまでにした。
「青森のマチュピチュ」からは見えない風景と、灼熱の幻影を見て帰路に就いた。
急坂の部分はストックを刺し、木々の枝につかまりながら降りた。
ロープを使う様な場所はなかったが、持っていれば、安全用具として心強いと思う。
ゴールの大清水沢までは30分で下れた。
恐ろしい断崖を右手に登り始め、断崖で行き止まったハイキングだった。
切り崩された東岳の荒涼とした一面を垣間見た。
月光の滝から登れば東岳は、かつて行者によって神格化された神聖な山岳信仰の山。
南東の尾根から登れば東岳は、かつての鉱山開発によって切り崩された砕石場跡が散在している山。
ともあれ私的には、時間が無い時のミニハイキングに、山歩きのトレーニングに、良いコースだと思った。
ただし、断崖には要注意だ。
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澄んだ大清水沢の流れ。 |
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木漏れ日の快適な尾根。 |
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大清水沢対岸の、端正なP364の山。 |
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平坦な部分もある。 |
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P390の小広場。 |
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進行方向に白い小岩。 |
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白い大岩。高さは、2m50cmぐらいか。 |
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逆方向から「青森のマチュピチュ」を眺める。 |
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緑の東岳山頂(左側)と、土色の「青森のマチュピチュ」の荒廃断崖。 |
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登り始めの、右手が断崖になっている痩せ尾根。大清水沢林道から撮影。 |