2015/07/27

青森の夏の花ハマナスは、青森のハイビスカスか

ハマナスの果実。
青森市の市街地でハマナスを見かけた。
ハマナスはバラ科バラ属の落葉低木。
海岸の砂地に自生する植物である。
街で見かけるものはほとんどが植栽で、野生のハマナスとは違った趣がある。
街のハマナスは比較的に背が高い。
津軽地方の西海岸での野生のハマナスは、背が低く、砂地を這うように生育しているものを多く見かける。
ハマナスの5弁花。
鮮やかな花の色合いに、南国のハイビスカスを連想するのは私だけだろうか。
青森の夏の暑さと、濃いピンク色の5弁花が、その連想を助けている。
花の後ろに、緑色の小さなガク片が付いている。
ガク片は花びらを保護し支える働きがある。

普通ガク片は、柿とかトマトとかイチゴのように果実と枝の接合部分にあって「ヘタ」となる。
面白いことに、ハマナスの場合、その「ヘタ」が果実の頭頂部に付いている。
写真のように、果実の下にぶら下がるように付いているのが、かつての花のガク片であった果実の「ヘタ」なのである。

果実は、雌しべの下部にある子房が発達したもの。
ハマナスの場合その子房の位置が、花弁・ガク片の基部よりも下にある。
これを「子房下位」というらしい。
子房下位のハマナスの果実は「ヘタ」が頭頂部にくるのだ。
そういえばビワやリンゴも、小さな「ヘタ」が枝の反対側に付いている。
首に「ヘタ」の付いているやつ、頭に「ヘタ」の付いているやつ。
いろいろあって面白い。

さて、そのハマナスの果実、アイヌ民族は食用として利用しているという。
また、花をお茶のようにして朝夕飲んでいたという。
どういうふうに調理するのだろうと、「聞き書アイヌの食事(社団法人農村漁村文化協会)」の本を開いてみたが、ハマナスの記事はなかった。
もう花が終わりかけている。
青森県の津軽地方や下北地方では、ハマナスの丸い実に糸を通して数珠に見立て、盆のお供え物としている。
北方の民とハマナスのつながりは深いようだ。
ひょっとしたら、縄文人もハマナスの果実を食料にしていたのではと空想してしまう。
生活の周囲の食料になる野生植物を見ると、縄文時代に思いが及ぶ。
きっと私の中で、縄文人が生きているのだ・・・・・なんてね。

ハマナスは、北海道の道花、青森市の「市の花」となっている。
青森の夏の花ハマナスは、青森のハイビスカスかもしれない。
ハイビスカスは南国をイメージする花。
青森では、ハマナスの花が咲き始めると夏ムードが高まる。
夏ムード=南国イメージなのだ。
青森の短い夏は、ハマナスとともにやってくる。
ちょっとシワシワなハマナスの葉。
ハマナスの横顔。花に比べて小さなガク片が見える。
夏の空に向かって咲くハマナスの花。

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