2016/03/20

不安定な春の空、雨雲と青空が同居している写真

上空には、きれいな青空と重い雲。
用事で上北地方へ行ったが、雨降りだった。
愛犬の散歩も兼ねての遠出だったから、晴れている場所を探してクルマを移動。
十和田市方面、高森山総合運動公園付近が、晴れたり曇ったり。
でも、広い運動公園の中は、ペット進入禁止。
それで、公園の中へは入らずに、公園の外周道路を愛犬と散歩。

周囲は雨降り、ここだけ晴れ。
季節の変わり目の不安定な天気。
雷とかは無かったが、空の変わり様がめまぐるしい。
青と白と灰色の空模様。
天空は、様々な姿を見せてくれる。

春は、いろいろな顔を持っている。
「初春」と言えば、正月のことだったり、冬が終わった頃のことだったり。
雪融けの春は、泥濘の春。
萌の春は、花の春。
喜びの春だったり、哀しみの春だったり。

そんな春の、雨雲と青空が同居している空の下を愛犬が駆け回っている。

行く雲や犬の駆け尿(かけばり)村時雨(むらしぐれ)
松尾芭蕉

「村時雨」とは、晩秋から初冬にかけて、いっとき激しく降っては止み、また降っては止みを繰り返す雨のこと。
激しい降りではないが、パラパラと降っては止む雨は、春先にも見られる。
そんなとき空を見上げると、雨雲と青空が同居していることが多い。

「村時雨」を、あえて「犬の駆け尿」と言い切った芭蕉。
それによって、突然の激しい雨で慌てふためく人々の姿が目に見えるようである。
この句には、天の様子を表現する語句しか書かれていない。
しかし、この句からは、地上の人々の様子がイメージできる。
「犬の駆け尿」という中七の語句が、天と地をつないでいるように思われる。

天の情景描写が、地の情景を導き出している。
誘導が巧みな芭蕉のレトリックと言うべきか。
悠然とした雲の動きと慌ただしい地上の様子との対比。
この「取り合わせ」が面白い。
「取り合わせ」のことを俳句では「二物衝撃」というらしい。
芭蕉は、「村時雨」によって、天と地の衝撃を導き出した。

おそらく芭蕉が見上げた空にも、雨雲と青空が同居していたのかもしれない。
そして、芭蕉の傍らを、犬が駆け回っていたことだろう。

雨雲の動きが速い。

雨雲の合間の青空。

また重い雨雲。

そして、青空。

地上では、はしゃぎまわる愛犬。

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