2021/02/13

海(陸奥湾)に突き出た雪原で「細革」テレマーク、バルモンテXが復活

バックル付き紐締め革製テレマークブーツ、スカルパのローガン。


今シーズンは積雪が多く、山の雪はボリュームたっぷり。
しかもシバレル(低温)日が多かったので、八甲田山あたりは良質のパウダーが舞い上がっているらしい。

だが、私は家庭の事情で山へ行けない。
去年の12月27日の下折紙沢林道のスキー散歩以来スキーはしていない。

今年の冬は、晴天の日が極端に少ない。
ここ数年のうちでは、曇りや降雪の日が多い冬となっている。
そんな毎日だったが、今日は待ちに待った好天だ。
冬の日の快適な快晴。
こんな日は、気持ちの良い汗をかきたいもの。

そこで、スキー初心者だったころの板をクルマに積んで新中央埠頭の雪原に出かけた。
いまのところ3時間ぐらいなら、家を空けても大丈夫。
家庭の事情とは、そんな事情なのだ。
て、どんな事情やのん?

それはともかく、スキー初心者だったころの板とは、ブラックダイヤモンドのバルモンテX(エックス)という長さ2メートルの細板。
この板と、アゾロのエクストリームという紐締めの革製テレマークブーツとの組み合わせでテレマークスキーを習得し、岩木山や八甲田山を滑ったのだった。

現在では、往年のテレマーカーや原点回帰の若いテレマーカーたちが、昔のテレマークスキーを懐かしんで「細板革靴」とか「細革」とか呼んでいる。
バルモンテXは、まさにそれなのである。
そして、革靴ならビンディングは、3ピン。
バルモンテXのビンディングは、当時4千円ぐらいで買えたアゾロのスリーピンビンディングである。

このように、昔のテレマークスキーは、アルペンスキーに比べて簡易な道具揃えだった。
アゾロのエクストリームは履きつぶしてしまったので、今回は二代目革靴。
傷んではいるものの温存していたスカルパのローガンを押し入れの奥から引っ張り出した。

そんなノスタルジックな道具でスキー散歩をした感想はというと、意外と楽ちんで快適だった。
近頃の重いテレマークビンディングと重いプラブーツとカービング系幅広板に慣れていた私は、板と靴の軽快さに新鮮な驚きを感じてしまった。

細板と革靴が奏でる微妙なハーモニー。
それが、意外と楽ちんで快適だった理由である。
近年の重いテレマークビンディングと重いプラブーツとカービング系幅広板を体験しなかったら、忘れ去られていた快適さである。

バルモンテXは、クロスカントリースキー板に近いアーチベントを備えた細いキャンバー板で、ソールにウロコ加工が施されているウロコ板(ステップソールスキー)である。
なので雪原を滑るように素早く歩ける。
しかも、緩斜面なら、ステップソールで楽々直登できる。
これが本来のテレマークスキーの楽しさである。

新中央埠頭の北端は、小さな丘になっている。
その丘をめざして雪原を走り、丘に駆け上って滑り降りる。
そんな運動を繰り返した。
幅広のカービング板とプラブーツにすっかり染まっていた私は、革ブーツと細板ではなかなかターンができなかったが、徐々に慣れて、ゆったりとしたテレマークターンを楽しむことができるまでに昔の感覚を取り戻しつつあった。

雪質は、春スキーなみのザラメ雪。
雪は良いのに細板革靴の感覚を忘れてしまっている私には、滑り始めはテレマークターンが容易ではなかった。
それでも、ステップターンやシュテムっぽいターンでなんとか曲がっていたが、徐々にパラレルっぽいターンもできるようになった。
急斜面を滑るのだけがスキーの楽しさではないと痛感した。
テレマークスキーの原点にかえった気分である。

上空に広がる青空。
穏やかな海。
広い雪原となだらかな丘。
そんな光景の中でスキー散歩を満喫できた楽しい時間だった。


久々に雪に触れたバルモンテX。

新中央埠頭の広い雪原。雪原の向こうに陸奥湾が広がっている。

北滝沢山地の681.3峰(写真中央の横長な山)

東岳。

津軽半島の大倉岳(写真中央の三角山)

北八甲田連峰が、快晴の空に浮かんでいる。

埠頭の丘の緩斜面でそれなりのシュプール。

晴天に鮮やかな黒。陸奥湾にも似合う細板。ブラックダイヤモンドのバルモンテX。周囲のトレースは、縦横無尽に歩き回った私のスキーの跡。