津軽半島の名水、「大沢内ため池」の「湧つぼ」

【「しらさぎ橋」から「湧つぼ」までの案内図。】


「湧つぼ」は平成の名水百選に選ばれている

「大沢内ため池」の畔にある「湧つぼ(わきつぼ)」は、平成20年(2008年)6月に環境庁が選定した「平成の名水百選」のひとつに選ばれている。

このとき青森県内では、西津軽郡深浦町の「沸壷池の清水(わきつぼいけのみず)」と十和田市の「沼袋の水(ぬまぶくろのみず)」も「平成の名水百選」に選定。

中泊町の「湧つぼ」の、一日の湧水量は15トンとされている。
環境庁の「平成の名水百選」のサイトによれば「無味無臭の名水は古くから地域住民に称賛され、古来より稲作に利用されている」とのこと。

上のイラストマップは、「大沢内ため池公園」の駐車場に建っている看板の写真を部分拡大したもの。
「しらさぎ橋」から「湧つぼ」までのコースの概略がわかるように描かれている。


【ナラの木の巨木の看板。】


ミズナラの巨木

「大沢内ため池公園」の「しらさぎ橋」を渡って森のなかに入る。
心地よい森のなかには、よく整備された遊歩道が「湧つぼ」まで続いている。
この遊歩道は、「大沢内ため池」の東側にのびている尾根の上を辿っている。

「しらさぎ橋」の東側のたもとの標高が約10m。
ここから標高約60mの高さまでは、尾根歩き。
標高差約50mの、ちょっとしたハイキングが楽しめる。

「しらさぎ橋」から遊歩道をちょっと歩くと、左手に上の写真の看板が建っていた。
「大沢内溜池ナラの木」と題された看板に、説明書きがあった。
以下の赤文字部分は看板の引用である。

 灌漑(かんがい)を目的として、十八世紀初頭に築造された大沢内溜池西岸に位置する。青森県水源流域広域保全事業に伴う作業道・苅払い作業中、偶然発見された。同種のものとしては青森県内屈指の巨木であり、生育状況も旺盛である。
 ミズナラは、ブナ目ブナ科コナラ属の落葉広葉樹であり、北海道、本州、四国、九州に分布する。材は、木製品や木炭、キノコ栽培用のホダ木などに幅広く利用されるため、巨木に至る個体は希少とされる。

中泊町教育委員会


そのミズナラが下の写真の木である。
私はいろいろな山の中でミズナラの木を見てきたが、こんなに大きいミズナラの木を見るのは初めて・・・

いや、そんなことはないかな?

七戸町天間ダム湖の畔の公園で見たミズナラも大きかった。
昔よく行っていたタケノコヤマのミズナラも、かなりデカかったなあ。

ミズナラは、寒冷な土地を好む樹種。
ブナ同様、落葉広葉樹林を代表する樹種のひとつである。


【池畔で枝を広げているミズナラの巨木。】


【森のなかの快適な遊歩道。】


【尾根道を進む。】


【前方に赤い鳥居が見えた。】


【林道を通って、ここまでクルマで来ることができる。】


尾根道に赤い鳥居

快適に遊歩道を歩いていたら、赤い鳥居が見えた。
鳥居の右側に、ちょっと狭いが駐車スペースがある。

林道を通って、自動車でこの鳥居の場所まで来れるとのこと。
道中に案内看板が多くあるので、迷うことは無いという。

しかし、「しらさぎ橋」からハイキングした方が断然面白い。
森のなかの道は、歩いていて気分がいい。
散策してみれば、清らかな森林浴を実感できると思う。

私は急ぎ足だったので「しらさぎ橋」からここまでの時間は20分だった。


【「湧つぼ」の由来書き看板。】


湧つぼ由来

鳥居の右側に上の写真の看板が建っている。
以下の赤文字部分は、「湧つぼ由来」の看板の引用である。

 大沢内ため池の湧つぼは、芦野池沼群県立自然公園に湧き出る真清水で濁度、色度も検出されず無味無臭の名水として、地域住民に称賛されている湧つぼである。
 また、古来より津軽平野の稲作や地域住民の飲料水として利用されてきた。
 稲作の増産に伴い、農業用水として使用され、今はため池として親しまれている。
 稲作の用水として活用される十月頃から貯水が行われ、翌春の稲作作業が始まる五月頃までは水没している。湧き出る水は一日約十五トンにも及び、現在も地域の稲作を支えている。
 生活の源となってきた水を守るため、地元住民有志が、自主的に周辺の草刈りや清掃などの保全を行っており、一九九九年には「名水湧つぼ保存会」を発足し、命の水に感謝を込めて寄付を募り、鳥居等を建立し祀ってきた。これら有志の自主的な活動が評価され、平成二十年六月、環境省主催の平成の名水百選に選定され、中泊町の大地の恵みの象徴となっている。


【長い階段を降りる。】


谷へ降りる

ここから、尾根道と分かれて谷へ降りる。
ちょっと急な斜面を、土の踏段を頼りに降りていく。

周囲の森には、ブナを中心にコナラやカエデの木が見える。
木々の間から、ヒバの幼樹が顔を出している。
ここに来るまでの間、ヒバの成樹は見ていない。

秋になったら、紅葉がきれいなところかもしれない、などと思いながらどんどん降りる。


【夫婦橅。】


夫婦橅

段々を降りて平坦な横道になったところに、上の写真の「夫婦橅(めおとぶな)」の木があった。
木にくくられた看板には「触ってください貴方の愛が届きます」と書かれてあった。

ベタベタ触ってから、また長い段々を降りる。
下の写真が、その段々である。
段々の上の方に、コブの出ている木が立っている。

【さらに長い階段を降りる。】

【コブのある木。】


コブが御神木?

上の写真が「御神木」と称されている木のコブ。
トラロープで御神木に板看板がくくられている。

看板には黒マジックで「此の御神木にあるコブが御神木です」と記されている。
このコブに御霊が宿っているという意味だろうか?
そうであるならば、トラロープではなく注連縄(しめなわ)がほしいところである。

さらに「御神木に触れると貴方の慶び事があります ぜひ触れてください」とある。
「大沢内ため池」の森では、木に触れることをちょくちょく要求される。
「お触ないため池」ではなく、「お触りため池」か・・・
などと駄洒落て、コブにベタベタ触る。
どうか慶び事がありますように。


【山の神の祠。】


聖域

木々の間にため池の水面を見下ろせるところまで来ると、赤い鳥居や祠が現れる。
聖域色が一段と濃くなる。
一礼しつつ鳥居をくぐる。
祠の前では、二礼二拍手一礼。
森の神にご挨拶。


【「湧つぼ」の聖域へ入る鳥居。】

【湧つぼ情報板。】

【「名水湧壺」を祀っている祠から名水坂を下る。】


ため池の岸に「湧つぼ」

いよいよ「湧つぼ」に近づいた。
赤い屋根の祠の横を通り過ぎて「名水坂」を降りる。
ため池へ降りる断崖には、下の写真のように木製の手摺つき階段が架けられている。

なにぶん急傾斜故、滑って転んだら大怪我を負う。
ゆっくり慎重に降りると、目の前に、池の岸に嵌め込まれた大きな木枠。
「湧つぼ」とご対面である。

今は貯水時期でないので、「湧つぼ」は水没していなかった。

【湧つぼのある池の畔へ降りる木の階段。】

【「湧つぼ」を囲んでいる木枠。】


津軽半島の名水

「湧つぼ」の湧水口は、木枠の角材や厚い木板でしっかりと守られている。
地元の「名水湧つぼ保存会」の皆さんのご尽力によるものに違いない。

下の写真ではわからないが、小石混じりの底から清水が湧き出ているのが確認できる。
津軽半島の脊梁である津軽山地の伏流水であるという。
まさに津軽半島の名水。

思わず、二礼二拍手一礼する。
なんと神々しい場所であることか。

かつての津軽地方の上層農家であった「楠美家住宅」「旧川村家」の保存もそれなりにいいが、こういう聖地の保存は何ものにも代え難い。

過去において、地域農民の稲作による生活を支え、現在も支え続けている「湧つぼ」。
水源地のひっそりとした存在感。
清水の流れの源故に聖地なのである。
源は、清く美しい。


【透明な清水がコンコンと湧いている。】


【名水の清水が、大沢内ため池に流れ出ている。】

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