雑談散歩

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五所川原市金木町藤枝地区、地吹雪対策の「かっちょ」の写真

金木町藤枝地区の「かっちょ」の通り。


五所川原市金木町の藤枝地区は、厳冬期、猛烈な地吹雪に見舞われる。
「かっちょ」とは津軽地方の方言で、その地吹雪に対する防護柵的な雪囲いのこと。

地吹雪とは、降り積もった雪が強烈な風で空中に舞いあがり、建物や人間を襲う猛吹雪のこと。
いわば津軽の「ブリザード」。

藤枝地区は、「地吹雪のメッカ」と呼ばれるくらい金木町ではもっとも地吹雪が猛烈なところ。
今では全国的に有名になっている「地吹雪体験ツアー」もこの地区で行われている。


まるで砦の防護壁のような板囲い。


厳冬期、津軽地方には北西の強風が吹き荒れる。
この藤枝地区は南北に縦長の集落。
この集落の西側は、岩木川まで真っ平らな水田地帯が広がっている。
さらに、岩木川を越えれば、つがる市稲垣町の、遮るもののない水田地帯。
広大な津軽平野の水田地帯が、日本海沿いの屏風山砂丘まで続いている。

荒れ狂う冬の日本海から上陸した北西の風は、約12キロメートルの平原を加速して進み、猛烈な地吹雪となって藤枝地区を襲う。
藤枝地区の集落は、堅牢な「かっちょ」無しには存立し得ないと言える。


この「かっちょ」の高さは4メートル近くある。


私が生まれ育った頃の旧稲垣村では、「かっちょ」は冬場だけで、無雪期は取り外していた。
藤枝地区の「かっちょ」が夏場でもこの状態にあるのは、地区住民の老齢化によるという。
高齢な住民には、もう「かっちょ」を取り外したり組み立てたりする力が無く、板の柵は一年中このままであるらしい。

厳冬期に比べれば、夏の「かっちょ」はうたたねしているように見える。
真夏には、強い西日を「かっちょ」してくれているのではあるまいか。
きっと「かっちょ」は一年中何かを防いでくれているのだ。
屋敷森ならぬ屋敷板。
夏場は、魔除け、厄除け・・・・・・。
目に見えない侵略者から、高齢者の生活を守ってくれる津軽の砦・・・であったら良いのだが。


「かっちょ」が夏場の西日を防いでいる。
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