青森市中心部にクマ出没の不穏な予兆


一昨日(5月15日)、夕暮れ近い青森市内において「歴史的な事件」が起きた。

青森市周辺部を徘徊していたツキノワグマが、ついに、青森市中心部の「複合商業施設」に侵入したのである。

その熊は、建物内に3時間ほど留まった後、猟銃発砲によって「駆除」されたという。
現場は、JR青森駅からわずか1キロメートル離れた場所で、付近には、青森県庁や青森市役所、裁判所、飲食店が並ぶ繁華街があった。

なぜ「歴史的な事件」かというと、近代都市が成立した明治時代から今日まで、青森市(青森町)の中心部に、野生熊が侵入した記録は、確認されている限り初だからである。

昔から、熊が出没するエリアは、山沿いの集落に限られていた。
そのあたりが、熊と市民(平野部居住者)との境界線だった。
ところが、去年から今年にかけて、青森県内市町村の人家密集地でのクマ目撃情報が相次ぎ、過去最多となった。

それは、県都青森市においても同様である。
今までの、自然発生的に存在していた人間と野生熊との境界線が、揺らいでいる。

自身の危険を顧みなければ、熊は、山に限らず、人間の住む平野部でも暮らしていけるという不気味な足跡を残したのが一昨日の事件だった。

そういう意味で、一昨日「駆除」された雄熊は「水先案内人」だったのかもしれない。

今日、「水先案内人」に続く2頭が、足跡を辿るように移動しているのが確認されている。
「先兵」は銃に倒れたが、それに続くものの気配が濃厚である。

時を同じくして、岩手県の盛岡市や秋田県の秋田市においても、似たような野生熊の都市侵出が発生している。

今回の異変は、「非日常的な存在」が「人々の日常」に浸透し、平穏を破壊する前兆のように思える。
野生熊の都市侵出が、何かの「予兆」を嗅ぎ取った行動だとすれば、事態は単に「野生対人間」という様相にとどまらないかもしれない。

いったい、どんな理由で都市は消滅するのだろう。
戦争か、疫病か、災害か。
それを予知して、野生熊が探りに来ているとしたら。
何が都市を終わらせるのかは、終わったあとでしか分からない。

サスペンスドラマの見過ぎだろうか。

日常への「潜伏」を経て、熊が都市中心部を目指す「不穏な予兆」。
私たちが暮らしている平凡な日常は、なんと危ういのだろう。
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