2020/07/30

草かと思っていたらキササゲという名の木だった

キササゲの白っぽい花
キササゲの花。


愛犬の散歩の途中で見つけた植物。
住宅街の側溝から生えていた。
背丈は2メートルぐらい。

ずいぶん背の高い草だなと思って写真を撮ったのだが、インターネットで調べてみたら木だった。
キササゲというノウゼンカズラ科の樹木だった。
背丈が15メートルぐらいにまで伸びる高木であるというから驚きだ。

側溝から生えているから草だと決めつけて、幹に触らなかった。
大きな葉っぱに隠れていたので、木の幹とはわからなかった。
先入観念に惑わされずに、幹に触っていれば、木であることに気がついたはずである。

花の色は黄白色(おうはくしょく)で、直径2~3センチ程度。
内側に紫色の斑点があって、よく見ると美しい花である。
円錐花序のように集まって咲いていて、一個一個の花の形は漏斗状もしくは唇弁状である。

唇弁状の花といえば、マメ科の植物によく見られる花冠である。
キササゲも大角豆(ササゲ)のような果実がつくのでキササゲと呼ばれているのだが、マメ科ではない。
ノウゼンカズラ科にも細長い豆鞘状の実ができる。

キササゲは、秋になると30センチぐらいの細長い果実を実らせるという。
豆鞘(蒴果)は晩秋に裂けて種が飛び出す。
種子の発芽率が非常に高いとされているので、こんな側溝でも育っているのだろう。

この側溝のキササゲが大木に育つことはないだろう。
道路に枝を伸ばして、だいぶうるさい感じに育っているので、おそらく盆前には刈られてしまう運命と思われる。
秋にこの場所で、キササゲの細長い果実を見ることはないのだ。


キササゲの大きな葉
桐を思わせる大きな葉。

キササゲの立ち姿
立ち姿。

葉の付き方は、対生と3輪生
葉は対生と3輪生。

花の上の蕾
円錐花序の花の上の蕾。

2020/07/23

素晴らしいヒバ林のある高地場山

高地場山行程略図
高地場山(459m) 山行略図。


天気予報は曇りだったが、予報に反して晴れ間の多い、いいお天気の一日になった。
今日は滝沢山地の高地場山(標高:459m)へ。
2018年9月29日以来の、無雪期高地場山ハイキングである。

高地場山の山頂から南方向へ伸びている尾根の下の谷までは、かすかな踏跡がある。
その踏跡は、林道の廃道を辿っている。
山菜採りの踏跡のように見える。

三面護岸された平沢にかかっているコンクリート橋が、高地場山への登山口。
ここから尾根まで踏跡を辿る。

踏跡が途切れる小さな谷から尾根に上がる。
幅のある尾根を、コンパスを合わせてのんびりと登った。
ヤブは、膝下ぐらい。
時折腰の高さぐらいのネマガリタケのヤブ。
比較的ヤブの少ない、歩きやすい尾根である。

尾根はだんだん急になる。
急な傾斜を登り切ると、しばらく緩い傾斜の尾根歩きになる。
それが過ぎると、また急登。
その急坂を登り切ると、「火焔ブナ」の大木が出迎えてくれる。
木の形が、縄文時代の火焔型土器を彷彿させるので、私が勝手に「火焔ブナ」と名付けたブナの木である。

「火焔ブナ」から頂上のある丘までは、平らな尾根歩き。
低い丘を登ったところが高地場山の山頂広場である。

山頂広場で早いランチをとり、下山。
尾根の東端を、尾根に沿って標高390mあたりまで下りると、広いヒバ林があらわれる。
2018年9月29日の山行で見つけたヒバ林である。

今日の山行の最大の目的は、このヒバ林見物。
前回は、ヒバ林斜面の上部だけを見物してから尾根に登り返し、尾根上を下山したが、今回はヒバ林に沿って谷まで下る計画である。

高地場山のヒバ林はすばらしい。
滝沢山地で、今まで見たヒバ林の中で最大規模。
ヒバの木も比較的大きな個体が多い。
野辺地の烏帽子岳のヒバの原生林も見事だが、高地場山も負けてはいない。
艶のある赤みがかった木肌のヒバが、高地場山の森の様相に変化を与えている。
ブナの森とは違う味わいがあって面白い。

ヒバ林の緩斜面をのんびりと下りた。
いつまでもいたいような、去りがたい場所である。
ヒバ林が終わると、傾斜が急になる。

木に20mのロープを二つ折りにして引っ掛けながら、懸垂下降を5回ぐらい繰り返して、谷底に到着。
谷の沢沿いの微かな踏跡を辿って、コンクリート橋まで帰ってきた。


周辺の山の写真
折紙山方面は、ヤマセでガス模様。

高地場山導入部
登山口のコンクリート橋。背の高い草薮を抜けると、かすかな踏跡に出る。

高地場山の谷道
草薮の下に、山菜採りのかすかな踏跡がある。

高地場山の谷道
ミズ(ウワバミソウ)の生い茂る原っぱ。

高地場山南尾根
尾根に出る。

高地場山南尾根の景観
尾根は、だんだん急登になる。

尾根上のブナの木
また出会えた。「火焔ブナ」。

ヒバ林導入部
ヒバ林。

ヒバ林の中
落ち着いた雰囲気のヒバ林。

ヒバの大木
林のあちこちにヒバの大木。

ヒバの大木
ヒバの大木。

ヒバ林の様子
広いヒバ林。

平沢の枝沢の様子
平沢の枝沢。

沢沿いの帰路の様子
沢に沿って、草薮の下に踏跡がある。

山の中のムラサキシキブの花

ムラサキシキブの花
ムラサキシキブの花。


 愛犬の散歩コースになっている公園の脇に、以前、空き地があった。
その空き地にコムラサキシキブの低木があって、散歩でそこを通るたびに、花を楽しんだりきれいな紫色の実を楽しんだりしていたのだった。

3年ぐらい前にその空き地に建物が建って、コムラサキシキブは姿を消してしまった。
それ以来、この花にお目にかかっていない。

今日、滝沢の山の中で、ムラサキシキブの花に出会って、ちょっと懐かしい気分になった。
ムラサキシキブは、コムラサキシキブより丈が高くて、花も大きめである。
しなやかな枝を持ったコムラサキシキブとは、樹木の印象が違うが、花の形はよく似ている。

花の色合いは、ムラサキシキブの方がピンク色が濃い。
コムラサキシキブの花は、ムラサキシキブに比べると、少し白っぽい。

以前、街のなかで見かけたものが姿を消して、今は山の中で咲いている。
あまり陽の射さない林の中で、ひっそりと咲いているのだ。

ひっそりと咲いているが、暗い林の中でも淡紅紫色の花はよく目立つ。
あまり目立たなかった街のコムラサキシキブの花にくらべて、ムラサキシキブの花は林の中で存在感を発揮している。
生き生きと輝いている。

久しぶりに見た花だったので、こんなところで元気に咲いているじゃないかと、懐かしい気分が湧いてきたのだ。
久しぶりに見た花だったので、私のなかでは、コムラサキシキブもムラサキシキブもゴッチャになってしまっている。
「山へ帰って来たのだな」なんて思ったりして。
この思いは、微妙な親近感である。

まあ、そんなことより、山の中での花との出会いは良いものだと、あらためて感じた次第である。
このみずみずしさが、山歩きの疲れを癒やしてくれるのだ。


ムラサキシキブの花を拡大
花を拡大。

ムラサキシキブの幹
ムラサキシキブの幹

ムラサキシキブの葉
ムラサキシキブの葉

低山ではめずらしいクルマユリの花

クルマユリの花。


高地場山山頂(標高:459m)へ向かう尾根の途中(標高250mあたり)でクルマユリの花を見つけた。
二株だけポツンと咲いている。

クルマユリは亜高山帯で生息する植物。
滝沢地区のような低山帯ではめずらしい。

葉が輪生しているのと、花びらの先がお互いにぶつかり合うほどに反り返っているのとで、クルマユリと同定できる。
オレンジ色の花は、遠くからでもよく目立つ。

図鑑によると、葉の輪生は茎の中央部とあるが、私が見た個体はかなり下の方で輪生していた。
最初見かけたときは、ロゼット(根出葉)かなと思ったほどである。

冷涼な津軽地方特有の姿なのか。
そういえば旧車力村(現つがる市)の「村の花」はクルマユリであったとのこと。
車力村(しゃりきむら)の「車」とクルマユリの「クルマ」を掛けたシャレのような「村の花」指定である。
シャレばかりではなく、旧車力村の山にもクルマユリの花が咲いていたのだろう。

クルマユリは、神奈川県や徳島県、奈良県、埼玉県、東京都西多摩地区では、絶滅危惧種の指定を受けているという(ウィキペディア情報)。

ビオトープである津軽の滝沢地区には、貴重な植物が現役で活躍してござる。


クルマユリの輪生した葉。

クルマユリ。

花が可愛いクサフジ

クサフジ
クサフジ。
  

高地場山(標高:459m)の登山口であるコンクリート橋に向かって、三面護岸された平沢沿いを歩いていたら、クサフジの花が咲いていた。
ちょっとした群落になっている。

クサフジは、容姿の雰囲気がツルフジバカマに似ているが、ツルフジバカマの花穂(かすい)はずんぐりして短いので、割と見分けがしやすい。

それにツルフジバカマは夏の終りから秋にかけて花が咲く。
クサフジの花期は初夏から夏の中頃まで。
ちょうど今頃である。

花が藤の花に似ているので、クサフジと命名されたとのこと。
葉は羽状複葉で、マメ科の植物らしい雰囲気を出している。

小葉の先に「巻きひげ」があって、この「巻きひげ」を他の植物に絡ませて背丈を伸ばす蔓性植物。
この草むらでも、他の草に絡まりながら、その草を押さえつけて繁茂していた。
可愛い花を前面に押し出したいクサフジの戦略である。
まるでかわい子ぶりっ子。


クサフジの花
クサフジの花。

クサフジの葉
クサフジの葉。

名前のイメージと違って可憐な花、ママコノシリヌグイ

ママコノシリヌグイ
ママコノシリヌグイ。


青森市滝沢地区の高地場山(標高:459m)の登山口へ行く途中で見つけた野草。
ミゾソバによく似ている。
でもミゾソバにしては、花の咲くのが早い。
ミゾソバの花期は、青森では夏の終り頃から秋の初めである。

足を止めて、写真を撮りながらよく見ると、ミゾソバとの違いがいろいろ見えてきた。
この野草の葉っぱは、三角形で尖っている。
ミゾソバの葉っぱに形が似ているが、ミゾソバの葉はこうも鋭く尖っていない。

この野草の茎は、ミゾソバと違って蔓性である。
なので、ミゾソバよりも茎が細い。
ミゾソバは直立ぎみに立つ植物である。

ミゾソバの花は金平糖のような形だが、この花は金平糖のようにまとまっていない。

茎の棘が、ちょっと痛そうな感じである。
指で触ってみたら、トゲトゲして痛い。
ミゾソバの茎にも棘があって触れると痛いが、こうも強くはない。

これはひょっとして、噂に聞いたことのある「ママコノシリヌグイ」ではなかろうかと、帰宅してから調べたら、アタリだった。

ママコノシリヌグイは、ミゾソバ同様「タデ科」の植物。
「トゲソバ」という別名があるとのこと。

名前の由来は、この棘だらけの茎や葉で憎い継子の尻を拭いてやろうというサディステックな願望から「ママコノシリヌグイ」と名付けられたとか。
継子を虐める道具にしようというアイデアである。

ところで「尻拭い」にはもう一つの意味がある。
それは、「他人の不始末や失敗などの後始末をすること」
継子はどんな失敗をしたのだろう。
継親は、それをどうカバーしたのだろう。
「オトギリソウ(弟切草)」もそうだが、草の名前にはドラマが潜んでいる。
なんてね。

ママコノシリヌグイは、茎の棘を他の植物に引っ掛けて成長していく草であるという。
継子の尻を傷つけるための棘ではありません。

トゲトゲしたイメージと違って、ママコノシリヌグイは可憐に咲いている。
花を見るか、茎の棘に注目するかで、草を見る人の思いが違ってくるのだろう。


ママコノシリヌグイの花
可憐な花。

ママコノシリヌグイの棘のある茎
茎には痛そうな棘がある。

ママコノシリヌグイの三角形の葉
三角形の葉っぱ。

2020/07/18

平沢沿いの野に咲いていたクララ

道端に咲いていたクララ。
クララが咲いていた。


滝沢山地の平沢沿いの道端にクララの花が咲いていた。
クララといえば、「アルプスの少女ハイジ」の物語に登場するお金持ちの令嬢の名前が思い浮かぶ。
そのイメージが強いせいか、クララはアルプスからの帰化植物かなと思ったり。
でも、図鑑(山渓カラー名鑑・日本の野草)やインターネットで調べても、帰化植物であるという記載は無い。

クララは、根を噛むとクラクラするほど苦いので「眩草(くららぐさ)」と呼ばれていたという。
それが転じて、クララと呼ばれるようになったとか。

写真を見ると、葉は互生していて、羽状複葉である。
葉がマメ科の雰囲気を持っている通り、クララはマメ科(マメ亜科)の植物。
淡黄色の花が終わると、マメ科の植物らしく種子の入った莢がぶら下がるという。

最初クララを見たとき、ハリエンジュ(ニセアカシア)じゃ無いかと思った。
背の高い野草(1.5m)だから、木のように感じたのだ。
ハリエンジュの葉も、互生で奇数羽状複葉。
ハリエンジュの花は、クララ同様蝶形花で総状花序である。

でも、ハリエンジュの花はもう終わっている。
それに、ハリエンジュの花は、独特の強い香りを放つ。
そんな違いはあるがよく似ているので、クララはクサエンジュという別名を持っている。

ところで、クララの根を噛んで、名前の由来を確かめようなんて気は起こさないほうが良い。
クララは全草有毒。
特に根の部分の毒性が強いらしい。


下から咲き上がるクララの総状花序
クララの総状花序。

奇数羽状複葉のクララの葉
クララの葉。互生で葉柄がある。

平沢林道から平沢へ

滝沢の平沢林道行程図
平沢散歩行程図。


今年の春(残雪期)に見た平沢林道の状態を、雪のない時期に見ようと、林道を散策した。
平沢林道は、開けた谷の野原から谷が狭まる山間部へと通じている。
山間部に入ると緩い傾斜の登りになる。
登るに従って、平沢は深い谷底に隠れて見えなくなる。

登りになるとすぐに、林道に流れ込んでいる水で道はえぐられ、山間部下部の平沢林道は、林道上に出来た溝によって崩壊状態だった。
林道を登っていくと、右手の山の沢の水が林道に流入している箇所が3箇所ぐらいあった。

林道が沢からの流入水で壊れているのは、標高270mあたりまでである。
その後は、猛烈な藪。
ヤブ漕ぎをして標高320m付近の林道終点まで歩いた。

林道に溝が出来ている部分も藪状態なので、山間部の平沢林道は登山者を寄せ付けない廃道と化している。
人が歩いている形跡は見当たらない。
かつてのんびりと散策を楽しんだ道は、今は無残な廃道となってしまった。

谷底の平沢沿いの踏跡はどうなっているのだろう。
林道終点から、ロープを使って谷底のヒバ林まで懸垂下降した。

平沢は、小さな滝があったり、沢沿いにちょっとしたヒバ林があったり、山菜であるミズ(ウワバミソウ)の群生があったりで、森を散策するのに面白いところである。
過去にイワナ釣りの釣り人とすれ違ったこともある。

そのせいか、踏跡はまだ残っていた。
道が不明瞭な箇所も、いくつかあったが沢沿いに進めば迷うことは無い。
小滝のそばのヒバ林でのんびりランチしたあと、平沢沿いの道を下った。

高齢になってからは、歩き回ることよりものんびり構えることのほうが多くなった。
のんびり目線であたりを見回すことによる発見も多い。
だから、のんびり山歩きも楽しい。

平沢の谷の原っぱから山を見上げると、ヤマセのガスが山稜の山頂部にまとわりついている。
平内の大毛無山(標高736.5m)から南に伸びている尾根のピークは、ヤマセの影響を受けるが、平沢一帯はそれほどでもない。
でも、青森市内よりはかなり涼しい。
ヤマセのおかげで納涼山歩きとなった。


林道にできた深い溝
平沢林道上に出来た深い溝。

深い藪に覆われた林道
平沢林道を覆う藪。

林道から沢に下る斜面
林道から平沢に下る急斜面。

平沢沿岸のヒバの木
平沢沿岸のヒバの木。

滝
平沢の小滝。

ウワバミソウの群生地
ミズの群生。

山にかかったヤマセのガス
ヤマセのガス。

2020/07/04

滝沢の409峰を目指したが雨で引き返した

409峰への行程の略図
行程略図

雨模様だったので、滝沢の近場を歩こうと409峰まで登ることにした。
409峰へは、2013年1月20日にスキーで急斜面を登って行ったことがある。
409峰の山頂部は、ヒバの森になっていた。

あのヒバの森を無雪期に眺めたいと思って、急なヤブ尾根を登ったのだが、雨が降ってきたので中止。
409峰へは届かず。
10時半頃下山した。

今回の尾根もヤブ漕ぎ歩きだが、そんなに酷いヤブではなかった。
いつか、409峰から574峰まで歩きたいものだと思った。
574峰は扇の要(かなめ)のような山である。
574峰経由の環状ルートを組めそうである。

滝沢山地の尾根はどれも魅力的に見えて、好奇心を誘われっぱなし。
滝沢山地の主な山稜を踏破したいというのが私のささやかな夢となっている。

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