暑き日を海に入れたり最上川 「出羽三山巡礼登山」 を終えた芭蕉は、鶴岡に出た。 鶴岡から川舟で最上川に出て、酒田に到着。 酒田は、夏場はフェーン現象により暑くなることが多い土地柄。 芭蕉が酒田を訪れたのは元禄2年6月13日。 夏の暑い盛りであったと思われる。 暑き日を海に入れたり最上川 松尾... 2015/11/16
芭蕉登山する「雲の峰幾つ崩れて月の山」 芭蕉は、「おくのほそ道」の旅で出羽三山に立ち寄り、羽黒山、月山、湯殿山に登ったとみられる。 芭蕉が、後にも先にも「登山」をしたのは、この出羽三山だけではあるまいか。 出羽三山の巡礼登山。 「おくのほそ道」本文に、 「六月三日、羽黒山に登る。」 とある。 6月3日は羽黒山... 2015/11/15
あらたふと青葉若葉の日の光 「あら」は、現代語では「ああ」で、驚いたり感動したりしたときに、思わず発する言葉。 「たふと」は、形容詞「たふとし(尊し)」の語幹用法。 「あらたふと」は、「ああ尊いことだ」という意。 この句をストレートに読むと、芭蕉の自然賛歌が輝いているようにみえる。 あらたふ... 2015/11/13
草の戸も住み替はる代ぞ雛の家 藁ぶき小屋。 「おくのほそ道」に記された最初の句である。 「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり・・・・・・」という冒頭の文章はあまりにも有名。 この文章の結びとして、以下の句が書き記されてある。 草の戸も住み替はる代 (よ) ぞ雛 (ひな) の家 松尾... 2015/11/13
おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉 これも芭蕉の有名な句。 有名すぎて、微妙に間違って覚えている方も多い。 「おもしろうてやがて悲しき鵜飼哉」とか「おもしろうてやがて寂しき鵜飼哉」とか。 私の知人で「おもしろうて屋形悲しき鵜飼舟」と言った人がいた。 なるほど、これはこれで面白い。 また、「楽しいのは... 2015/11/11
五月雨に鳰の浮巣を見にゆかん 芭蕉には、「五月雨」の句が多い。 なかでも、有名なものに以下のふたつがある。 「五月雨をあつめて早し最上川 」 「五月雨の降残してや光堂」 だが、次の句もなかなか良いと私は思っている。 五月雨に鳰 (にお) の浮巣 (うきす) を見にゆかん 松尾芭... 2015/11/10
ドウダンツツジの紅葉がそれなりに最高潮 冴えない色だったドウダンツツジの紅葉が鮮やかさを増していた。 犬の散歩の途中、 例のドウダンツツジの生垣 を見物に行ったら、この前よりも鮮やかに色づいている。 ドウダンツツジ本来の 炎のような赤色 を取り戻したようだ。 今年は不調さがめだったドウダンツツジだったが、晩... 2015/11/10
青い海公園緑地のモミジの紅葉 今日の青い海公園は曇り空。 風は無く、温かい海辺だった。 公園の緑地を散歩していると、あざやかなモミジの紅葉。 芝生上の赤い落葉の絨毯が、とてもきれい。 左の写真は、どんよりと曇った陸奥湾の上空。 青い海公園(新中央埠頭の根元)から北防波堤を眺めている。 海の... 2015/11/08
名月や池をめぐりて夜もすがら 「名月」とは陰暦八月十五日の夜の月。 「池をめぐりて」は池の周囲を回っての意。 「夜もすがら」とは、夜通しとか夜の間中ずっととか。 名月や池をめぐりて夜もすがら 松尾芭蕉 芭蕉四十三歳の頃の作とされる。 四十三歳と言えば、「笈の小文」の旅へ出かける1年前のこ... 2015/11/08
11月にあざやかな黄色い花を咲かせているミヤコグサがすごい! 可憐な花。 犬の散歩で、新中央埠頭へ。 埠頭の根元(南側)の緑地で、小さな黄色い花が咲いているのが目に入った。 今頃何の花だろうと近づいてみたら、なんとミヤコグサだった。 ミヤコグサは、春から初夏にかけて咲く植物。 それがなんで今頃? 2015/11/08
辛崎の松は花より朧にて 「辛崎」は地名。 現在では唐崎と表示。 唐崎は滋賀県大津市の北西部に位置し、琵琶湖西岸にある。 近江八景 この地には、唐崎神社が鎮座している。 その境内にある「唐崎の松」は、景勝地で、近江八景のひとつ。 また、「滋賀の唐崎」は歌枕としても有名である。 ... 2015/11/07
俳諧のセンスが短歌を越える?「春なれや名もなき山の薄霞」 春なれや名もなき山の薄霞 (うすがすみ) 松尾芭蕉 前書きは「奈良に出る道のほど」となっている。 「野ざらし紀行」の旅で奈良へ出る途上で詠んだ句。 春になって温かくなり、周辺の山に薄い霞がかかっている様を句にしたもの。 旅人にとって春は、大歓迎の季節。 「... 2015/11/05
仄かな命の存在感「海暮れて鴨の声ほのかに白し」 海暮れて鴨の声ほのかに白し 松尾芭蕉 貞享元年十二月十九日、在熱田での発句。 このとき芭蕉は四十一歳。 「野晒紀行」の旅の途上での発句である。 句の前書きに「尾張国熱田にまかりける頃、人々師走の海見んとて船さしけるに」とある。 芭蕉一行は、船の上で、海に夕日... 2015/11/04
明ぼのや白魚しろきこと一寸 シラウオとシロウオは混同されやすい。 漢字では、シラウオは白魚で、シロウオは素魚だという。 パソコンでもそのように漢字変換される。 白魚(しらうお)は、白っぽい半透明の、細長い小魚で、死ぬと白くなる。 素魚(しろうお)は飴色がかっているが、ほとんど透明で、これ... 2015/11/04
桜(ソメイヨシノ)の紅葉は、見る人を退屈させない 紅葉。 ソメイヨシノの紅葉は、美しく、しかも変化に富んでいて退屈しない。 まだ緑の葉が瑞々しいうちに、ちらほらと枝の各所で部分的に紅葉が始まる。 その、緑の葉と赤や橙に染まった葉のコントラストが美しい。 徐々に、木全体に紅葉が進む。 紅葉した葉は、順次カラフルな落葉... 2015/11/04
芭蕉がクローズアップしたもの「秋風や薮も畠も不破の関」 「不破の関」は、現在の岐阜県不破郡関ヶ原町にあった関所。 673年に天武天皇の命により設置されたものだという。 789年に廃止。 秋風や薮 (やぶ) も畠( はたけ) も不破の関 松尾芭蕉 「野ざらし紀行」の旅で美濃に立ち寄ったときの句。 1684年の... 2015/11/04
蔦植て竹四五本のあらし哉 蔦はブドウ科の植物。 蔦の幹はつる性で、どんどん伸びる。 幹から出ている巻きひげの先端が吸盤になっている。 その吸盤で、樹木や壁を「伝う」ことから「つた(蔦)」という名前になったとのこと。 山ブドウの葉同様に、秋の紅葉が美しく、冬には落葉する。 蔦 (つた) 植 (う... 2015/11/03
八甲田周辺の冬枯れ風景 ブナの森。 犬の散歩を兼ねて北八甲田連峰の東に位置する尾根を散策。 青森県道40号青森田代十和田線から別れて、八甲田温泉へ至る道(青森県道242号後平青森線)を進む。 旧上北鉱山跡の横を通って、七戸町の「みちのく有料道路」と合流する道である。 この道は、八幡... 2015/11/03
芭蕉の夢うつつ「馬に寝て残夢月遠し茶の煙」 まるでイメージの寄せ集めのような句。 「馬に寝て」「残夢」「月遠し」「茶」「煙」。 個々のイメージをつなぎ合わせると以下のような情景が思い浮かぶ。 馬上で寝て、夢の続きを見ているような夢うつつのとき、月は遠くに消えそうで、茶の煙が空にたなびいた。 どうも、そ... 2015/11/02
津軽半島大倉岳ハイキングその2(大倉岳山頂~赤倉岳~駐車場) 大倉岳山頂から赤倉岳を眺める。 大倉岳(677m) を下り、赤倉岳(563m)への分岐を左折する。 ハイキング道は、大倉岳の山腹を巻くようについている。 山腹の道は、石がゴロゴロしている片斜面で歩きづらく、わかりにくい。 でも、赤倉岳へ続く稜線の方角を見極めてい... 2015/11/01