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2018年 11月のアーカイブ
蕪村のリアルな視線「五月雨や滄海を衝く濁水」

蕪村のリアルな視線「五月雨や滄海を衝く濁水」

蕪村の五月雨の句 与謝蕪村の有名な五月雨(さみだれ)の句に、「五月雨や大河を前に家二軒」がある。 私は、この句に詩的なイメージよりも現実的な恐怖感のほうを強く感じてしまう。 それは、この句を読むと近年に発生した西日本の集中豪雨のことを思い…

初雪や水仙の葉のたわむまで

青森市の初雪 朝起きて窓の外を眺めたら、一面の白い雪。 私にとっては、今朝の雪が初雪で初積雪。 青森地方気象台によると、昨夜の9時前に青森市に初雪が降ったという。 その頃はお疲れで、めずらしく早く床に入っていたから初雪は見ていない。 今年…

わた弓や琵琶になぐさむ竹のおく

「大和(やまと)の國に行脚(あんぎゃ)して、葛下(かつげ)の郡(こほり)竹の内と云(いふ)處に(は)、彼(かの)ちり(千里)が旧里(ふるさと)なれば、日ごろとゞまりて足を休む。」芭蕉紀行文集(岩波文庫)より引用。 「大和の国に旅を進め、葛…

芭蕉の帰郷「手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜」

芭蕉の帰郷「手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜」

「野晒紀行」は紀行文ではなくて「俳文集」 「野晒紀行」は、 「てふ」の茶店 のあと、唐突に 「閑人(かんじん)の茅舎(ぼうしゃ)をとひて」 という話(文章)に続く。 芭蕉は、俗世間を離れてゆったりと暮らしている人物の草庵を訪ねる。 その草庵がどこ…

此梅に牛も初音と鳴きつべし

若き日の芭蕉は、西山宗因の「江戸俳壇」への台頭とともに、宗因風(談林俳諧)の影響を強く受け、宗因風に傾倒したとされている。 そして、延宝三年ごろ、芭蕉は談林俳諧流行の波に乗って活発な俳諧活動を展開したと「芭蕉年譜大成」にある。 まだ深川…

宗因の諧謔「ながむとて花にもいたし頸の骨」

宗因の諧謔「ながむとて花にもいたし頸の骨」

前回の記事で西山宗因のことについてちょっと触れた。 宗因は、延宝期(1670年代)を中心に流行した宗因風(談林俳諧)の創始者。 しかし、宗因風の言語遊戯性(げんごゆうぎせい)や滑稽諧謔(こっけいかいぎゃく)の作風が次第にマンネリ化して、宗…

芭蕉の香り「蘭の香やてふの翅にたき物す」

芭蕉の香り「蘭の香やてふの翅にたき物す」

蘭の香の句 「其(その) 日のかへさ。ある茶店に立寄(たちより)けるに、てふと云(いひ)けるをんな、あが名に發句せよと云(いひ)て、白ききぬ出しけるに書付(かきつけ)侍る。」芭蕉紀行文集(岩波文庫)より引用。 芭蕉一行は、 西行谷 からの帰りに、…

梅が香や砂利しき流す谷の奥 

インターネットの「国立国会図書館デジタルコレクション」で「猿蓑(さるみの)俳句鑑賞(著:伊東月草 古今書院 昭和十五年出版)」を見ていたら服部土芳の句に出会った。 梅が香や砂利 (じゃり) しき流す谷の奥  服部土芳 インターネットで調べると…

イモカタバミとベニカタバミの見分け方

アップルヒルの緑地に咲いていた花 この記事にある写真は、10月21日に「道の駅なみおか アップルヒル」の緑地で撮ったもの。 葉が3小葉からなる複葉でカタバミに似ているので、写真を撮ったときはムラサキカタバミではないかと思っていた。 それが…

芋洗ふ女西行ならば歌よまむ

芋洗ふ女西行ならば歌よまむ

西行谷 芭蕉は、西行が晩年に庵を結んだとされている西行谷を訪れる。 【「芭蕉紀行文集 中村俊定校注」(岩波文庫)】によれば、西行谷は、神路山(かみぢやま)の南にある谷とのこと。 神路山は、伊勢神宮内宮の南方の山域の総称である。 「野晒紀行…

駿河から伊勢神宮へ「みそか月なし千とせの杉を抱くあらし」

駿河から伊勢神宮へ「みそか月なし千とせの杉を抱くあらし」

大井川の川越 芭蕉一行は大井川にさしかかる。 富士川は舟に乗っての川越(かわごし)だった。 一方大井川は、馬や人足を利用しての川越になる。 雨が降り続いて川が増水すると、旅人は何日も川留(かわどめ)の憂き目をみる。 芭蕉と千里(ちり)の一…

逢魔時のシャドー

夕方の散歩で、愛犬が 西陽 にしび を背に歩き出した。 久しぶりに川へ行くつもりなのだ。 街はずれを流れている川のそばを歩くのが、愛犬の好みのコースのひとつだった。 街は、日暮れ前の混雑で騒がしい。 買物客であふれたスーパーの横から、住宅街に入った。

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