2018

  雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

支考の雑談のような句「いま一俵買おうか春の雪」 

「なぜ芭蕉は至高の俳人なのか(著 大輪靖宏)」に「芭蕉を受け継ぐ弟子たち」というタイトルで、主だった門人の紹介文が記されている。 その中に短いが、各務支考の紹介文もある。 「各務支考(かがみ しこう)(1665~1731)は芭蕉没後、美濃派を起こして蕉風の普及に努めた人で、...

2018/12/09
この冬はじめての雪かき

この冬はじめての雪かき

【この冬はじめて、クルマが降雪のため雪に埋まった。】 朝起きたら、クルマに30センチぐらいの積雪。 家の前の駐車場も、たっぷりの白い雪。 なので、この冬初の雪かきとなった。 天気予報は、強い冬型の気圧配置になると言っていたが、そのわりには寒くない。 雪か...

2018/12/08

芭蕉のさわやかな一句「田や麦や中にも夏はほととぎす」

「曾良書留」にある芭蕉句 元禄二年四月三日に、「おくのほそ道」の旅で芭蕉一行(芭蕉と曾良)は那須黒羽の余瀬(よぜ)に到達。 四月四日に、黒羽大関藩家老浄法寺図書(じょうほうじ ずしょ)に招かれ、四月十日まで浄法寺宅に滞在したと「芭蕉年譜大成(著 今榮蔵)」にある。 「...

2018/12/06

芭蕉の縄文的発想「猪もともに吹かるゝ野分かな」

幻住庵記 元禄三年四月六日から七月二十三日まで、芭蕉は大津にある国分山の幻住庵に滞在した。そのとき、俳文「幻住庵記」を書いている。 「幻住庵記」は何度も改稿が試みられ、八月中旬にようやく最終稿が完成。 最終調整の後、蕉門の発句・連句集である「猿蓑」にて公表された。 そ...

2018/12/01

蕪村のリアルな視線「五月雨や滄海を衝く濁水」

蕪村の五月雨の句 与謝蕪村の有名な五月雨(さみだれ)の句に、「五月雨や大河を前に家二軒」がある。 私は、この句に詩的なイメージよりも現実的な恐怖感のほうを強く感じてしまう。 それは、この句を読むと近年に発生した西日本の集中豪雨のことを思い出してしまうからだ。 蕪村は、...

2018/11/23
初雪や水仙の葉のたわむまで

初雪や水仙の葉のたわむまで

【初雪散歩】 青森市の初雪 朝起きて窓の外を眺めたら、一面の白い雪。 私にとっては、今朝の雪が初雪で初積雪。 青森地方気象台によると、昨夜の9時前に青森市に初雪が降ったという。 その頃はお疲れで、めずらしく早く床に入っていたから初雪は見ていない。 今...

2018/11/23
わた弓や琵琶になぐさむ竹のおく

わた弓や琵琶になぐさむ竹のおく

【「芭蕉紀行文集」(岩波文庫)より、「竹の奥」俳文と発句】 「大和(やまと)の國に行脚(あんぎゃ)して、葛下(かつげ)の郡(こほり)竹の内と云(いふ)處に(は)、彼(かの)ちり(千里)が旧里(ふるさと)なれば、日ごろとゞまりて足を休む。」芭蕉紀行文集(岩波文庫)より引...

2018/11/18

芭蕉の帰郷「手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜」

「野晒紀行」は紀行文ではなくて「俳文集」 「野晒紀行」は、 「てふ」の茶店 のあと、唐突に 「閑人(かんじん)の茅舎(ぼうしゃ)をとひて」 という話(文章)に続く。 芭蕉は、俗世間を離れてゆったりと暮らしている人物の草庵を訪ねる。 その草庵がどこにあって、どういう人物が...

2018/11/16
此梅に牛も初音と鳴きつべし

此梅に牛も初音と鳴きつべし

【東都名所「江都名所 湯しま天神社」歌川広重 (国立国会図書館デジタルコレクションより転載)】 若き日の芭蕉は、西山宗因の「江戸俳壇」への台頭とともに、宗因風(談林俳諧)の影響を強く受け、宗因風に傾倒したとされている。 そして、延宝三年ごろ、芭蕉は談林俳諧流行の波に...

2018/11/13

宗因の諧謔「ながむとて花にもいたし頸の骨」

前回の記事で西山宗因のことについてちょっと触れた。 宗因は、延宝期(1670年代)を中心に流行した宗因風(談林俳諧)の創始者。 しかし、宗因風の言語遊戯性(げんごゆうぎせい)や滑稽諧謔(こっけいかいぎゃく)の作風が次第にマンネリ化して、宗因の死を契機に宗因風俳諧は衰退したとさ...

2018/11/12

芭蕉の香り「蘭の香やてふの翅にたき物す」

蘭の香の句 「其(その) 日のかへさ。ある茶店に立寄(たちより)けるに、てふと云(いひ)けるをんな、あが名に發句せよと云(いひ)て、白ききぬ出しけるに書付(かきつけ)侍る。」芭蕉紀行文集(岩波文庫)より引用。 芭蕉一行は、 西行谷 からの帰りに、とある茶店に立ち寄る。 ...

2018/11/11
梅が香や砂利しき流す谷の奥 

梅が香や砂利しき流す谷の奥 

【猿蓑俳句鑑賞。国立国会図書館デジタルコレクションより】 インターネットの「国立国会図書館デジタルコレクション」で「猿蓑(さるみの)俳句鑑賞(著:伊東月草 古今書院 昭和十五年出版)」を見ていたら服部土芳の句に出会った。 梅が香や砂利 (じゃり) しき流す谷の奥 ...

2018/11/10
イモカタバミとベニカタバミの見分け方

イモカタバミとベニカタバミの見分け方

【葯が黄色】 アップルヒルの緑地に咲いていた花 この記事にある写真は、10月21日に「道の駅なみおか アップルヒル」の緑地で撮ったもの。 葉が3小葉からなる複葉でカタバミに似ているので、写真を撮ったときはムラサキカタバミではないかと思っていた。 それが今...

2018/11/08

芋洗ふ女西行ならば歌よまむ

西行谷 芭蕉は、西行が晩年に庵を結んだとされている西行谷を訪れる。 【「芭蕉紀行文集 中村俊定校注」(岩波文庫)】によれば、西行谷は、神路山(かみぢやま)の南にある谷とのこと。 神路山は、伊勢神宮内宮の南方の山域の総称である。 「野晒紀行」には以下の文がある。 ...

2018/11/07

駿河から伊勢神宮へ「みそか月なし千とせの杉を抱くあらし」

大井川の川越 芭蕉一行は大井川にさしかかる。 富士川は舟に乗っての川越(かわごし)だった。 一方大井川は、馬や人足を利用しての川越になる。 雨が降り続いて川が増水すると、旅人は何日も川留(かわどめ)の憂き目をみる。 芭蕉と千里(ちり)の一行も、雨のために足が止ま...

2018/11/06
逢魔時のシャドー

逢魔時のシャドー

【夕暮れの川景色。】 夕方の散歩で、愛犬が 西陽 にしび を背に歩き出した。 久しぶりに川へ行くつもりなのだ。 街はずれを流れている川のそばを歩くのが、愛犬の好みのコースのひとつだった。   街は、日暮れ前の混雑で騒がしい。 買物客であふれたスーパーの横から、住宅街に入...

2018/11/04

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