2月 2015

  雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

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新緑の森と苔清水の流れ

春雨のこしたにつたふ清水哉 松尾芭蕉 この句の前書きに「苔清水」とある。 「苔清水」とは、岩に生えた苔の間を流れる清らかな水のこと。 奈良県吉野郡吉野町吉野山、西行庵の近くに「苔清水」という名水がある。 「奥千本苔清水」とも呼ばれている。

2015/02/28

芭蕉、吉野で花見する

旅の途上句を詠みながら、吉野に着いた芭蕉は、花見に打ち興じる。 桜がりきどくや日々に五里六里 松尾芭蕉 「桜」と前書きがついている。 「きどく」とは、奇特(きとく)。 「きどく」を「感心なさま」という意味で、この句を読んでみる。 すると、 (1)「...

2015/02/27

芭蕉、吉野へ旅立つ

「笈の小文」の旅は続く。 長く逗留していた伊賀・上野や伊勢を離れ、いよいよ、吉野へ向かう芭蕉ご一行。 よし野にて桜見せふぞ檜の木笠 松尾芭蕉 この句に、前書きとして添えたのか、「乾坤無住同行二人(けんこんむじゅうどうぎょうににん)」とある。 「乾坤無住同...

2015/02/26

芭蕉の劇場「神垣やおもひもかけずねはんぞう」

「笈の小文」には、この句の前書きは書かれていない。 ネットで調べていると、「芭蕉翁略伝と芭蕉連句評釈」という「書物」を見つけた。 「幻窓湖中 著(他)」とある。 その書には、前書きとして、次の言葉が添えられている。 「十五日、外宮の館といふ所にありて」 神垣やおも...

2015/02/23

芭蕉が心引かれる「御子良子の一もとゆかし梅の花」

この句にも、前書きの言葉がある。 「神垣のうちに梅一木もなし。いかに故有事にやと神司などに尋侍れば、只何とはなし、をのづから梅一もともなくて、子良の館の後に一もと侍るよしをかたりつたふ。」 御子良子 (おこらご) の一 (ひと) もとゆかし梅の花 松尾芭蕉 「御...

2015/02/22
芭蕉が好感を覚えたワイルドな風景「いも植えて門は葎の若葉かな」

芭蕉が好感を覚えたワイルドな風景「いも植えて門は葎の若葉かな」

前書きに「草庵の会」とある。 ネットで調べると、「草庵の会」とは、伊勢・船江町の大江(たいこう)寺境内にあった二条軒(二畳軒・二乗軒)とのこと。 この句の初案は「藪椿(やぶつばき)門(かど)は葎(むぐら)の若葉かな」であったらしい。 「笈の小文」では以下の句。

2015/02/20
「梅の木に猶やどり木や梅の花」松尾芭蕉

「梅の木に猶やどり木や梅の花」松尾芭蕉

これもサロン的な句で、あまり面白味が無い。 前書きに、「網代民部雪堂に会」とあるから、句会の「挨拶句」なのだろう。 梅の木に猶 (なお) やどり木や梅の花 松尾芭蕉 「やどり木」とは、宿主の樹木に「寄生」する宿り木(ヤドリギ)のこと。 宿り木は、落葉樹...

2015/02/20

全大腸内視鏡検査の説明書(兼同意書)

大腸内視鏡定期検査 前回の大腸内視鏡検査から1年ちょっとが過ぎ、そろそろ検査をしなければならない頃になった。 前回の検査で、切除した方が良いと診断された3㎜のポリープは、まだ切っていない。 お腹の不調 去年の暮れから、お腹の調子が悪い。 (1)軟便や下痢...

2015/02/19

「物の名を先づとふ芦の若葉哉」松尾芭蕉

物の名を先 (ま) づとふ芦 (あし) の若葉哉 松尾芭蕉 この句の前書きに「龍尚舎」とある。 芭蕉が「龍尚舎」というサロンのなかで詠んだ句なのだろう。 世間に向かって投じられた「句」、一般の読者に対して開かれた「句」では無いようだ。 内輪での会話的な「句」とい...

2015/02/19

「此山のかなしさ告よ野老掘」松尾芭蕉

句の前書きに、菩提山(ぼだいせん)とある。 そこで、「伊勢 菩提山」で検索してみると、「菩提山」とは「菩提山神宮寺」のことだとわかる。 今度は「菩提山神宮寺」で検索。 「観光三重」というサイトの、ふるさと三重、再発見の旅>コース一覧>コース詳細というページに「菩提山...

2015/02/18

芭蕉の閉鎖的な着物「裸にはまだ衣更着の嵐哉」

「撰集抄(せんじゅうしょう)」という説話集がある。 これは、江戸時代の頃まで、西行のオリジナルと信じられていた。 ところが、西行が没してから後の人が西行に託して書いたものだと判明。 現代では作者不詳となっているという。 その「撰集抄」にある説話をもとに、芭蕉が「笈の小...

2015/02/18

「何の木の花とはしらず匂哉」松尾芭蕉

この句を読んだとき、「なんじゃもんじゃの木」のことが頭に思い浮かんだ。 「なんじゃもんじゃ」とは、見慣れない立派な植物、怪木や珍木に対して地元の人々が付けた愛称だと、ウィキペディアにある。 明治神宮外苑にある「なんじゃもんじゃ」が有名。 これは、ヒトツバタゴというモクセイ科...

2015/02/17
こういうこともあるんだね、暖冬のため湖面が凍らない小川原湖

こういうこともあるんだね、暖冬のため湖面が凍らない小川原湖

小川原湖水浴場入り口のアーチ。 青森市は天気が悪いので、犬の散歩がてら、小川原湖にドライブ。 上北町は晴れていて、風は冷たいが、陽光が温かい。 一昨年(2013年2月11日)に来たときは 、湖水浴場側(南岸)も岸辺が凍りかけていたのだが、今回は氷のかけらも無い。 ...

2015/02/15
芭蕉の遠望「さまざまのこと思ひ出す桜哉」

芭蕉の遠望「さまざまのこと思ひ出す桜哉」

【満開の桜】 さまざまのこと思ひ出す桜 哉 松尾芭蕉 藤堂家の句会に招かれての作と言われている。 藤堂家とは、芭蕉が青年時代出入りしていた藤堂新七郎家のこと。 句会は、藤堂新七郎家の下屋敷で開かれたらしい。 下屋敷は、芭蕉生家の裏手にある。...

2015/02/14

「丈六にかげろふ高し石の上」松尾芭蕉

かつて、そこに在ったものは、今は見えない存在になっていても、そこに在り続ける。 多くの人々が、そこに在ることを望んだものは、たとえ姿を消しても、そこに在り続ける。 芭蕉には、そういう思いがあったのだろうか。 あるいは、そういう思いを伝えたかったのだろうか。

2015/02/14

芭蕉の春の句

前書きに「初春」とある。 春立ちてまだ九日の野山哉 松尾芭蕉 この句は、伊賀・上野の「風麦亭」での挨拶句と言われている。 「春立ち」は立春のこと。 「春立ち」と「野山」という言葉で、春めいた雰囲気が感じられる。 「まだ九日」は、この地は、これからどんどん春めきます...

2015/02/13

芭蕉の寝正月「二日にもぬかりはせじな花の春」

前書きに、「宵のとし、空の名残おしまむと、酒 のみ夜ふかして、元日寝わすれたれば、」とある。 大晦日の夜に、今年の空が暮れていく余韻がいとおしくて、酒を飲んでいたら夜更かししてしまい、元日の日の出を寝坊して見ることが出来なかったので・・・、ということか。 故郷の知...

2015/02/13

芭蕉の帰郷「旧里や臍の緒に泣くとしの暮れ」

芭蕉は3年ぶりに故郷の生家にもどってきた。 貞享元年の「野晒紀行」の旅以来の帰郷である。 そのときの帰郷では、 「手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜」 と、前年(天和三年六月)の母の死を悲しんで句を詠んだのだった。 44歳の初老の身で、冬場のしんどい旅を続け、 杖つき坂...

2015/02/12

芭蕉の無念「徒歩ならば杖つき坂を落馬哉」

「笈の小文」には、『「桑名よりくはで来ぬれば」と伝日永の里より、馬かりて杖つき坂上るほど、荷鞍うちかへりて馬より落ちぬ。』という前書きがある。 (日永の里:現・四日市市・日永) 徒歩 (かち) ならば杖つき坂を落馬哉 松尾芭蕉 この句を「徒歩ならば」と「杖...

2015/02/11
浅虫温泉森林公園をスキー散歩

浅虫温泉森林公園をスキー散歩

浅虫温泉森林公園スキーハイキング行程図。出典:国土地理院ホームページ。青線(ルート)と東屋は当ブログ管理人書き込み。 好天が期待できる祝日。 犬の散歩と、除雪車が残していった雪塊のあと片付けに時間を取られた。 家を出たのが9時半頃。 コンビニに寄っ...

2015/02/11

故郷へ向かう芭蕉「旅寐してみしやうき世の煤はらひ」

いよいよ芭蕉は、生まれ故郷の伊賀上野に向かう。 いったい、名古屋に幾日滞在したのだろう。 その名古屋を出発する時が来た。 「師走十日余、名ごやを出て旧里に入らんとす。」と「笈の小文」にある。

2015/02/10

芭蕉の挨拶句「香を探る梅に蔵見る軒端哉」

名古屋で、裕福な商人が開催する「句会」に招かれた芭蕉は、そのお礼として挨拶の句を詠む。 こういう「句会」に慣熟している芭蕉は、巧みに挨拶の句を作る。 おべんちゃらを含め過ぎてはダサい句になってしまう。 さらりと相手の自尊心をくすぐらねばならない。 屋敷に...

2015/02/10

芭蕉の雪見の句

江戸や京の粋人達は、雪見、花見、月見と、季節の節目に出現するものを眺めて、自然の変化を楽しんでいたようだ。 雪国では、1メートルも積もった雪のなかで、雪見などという遊びは、お呼びでない。 たまに白い雪が、庭などにうっすらと積もり、たちまち融けてしまうような土地柄で、雪見は...

2015/02/09

ロングショットとクローズアップ「箱根こす人も有らし今朝の雪」

芭蕉が、遠い場所の出来事を思い描くと、私たちは、それを映像のようにイメージしてしまう。 今度は身近な出来事を指し示す。 私たちは、その対比を、しらずしらずに楽しんでいるのかも知れない。 箱根こす人も有らし今朝の雪 松尾芭蕉 「有るらし」とは、名古屋に居る芭蕉の推...

2015/02/09

社殿を飾る白い花「磨なをす鏡も清し雪の花」

熱田には何があったのか? 芭蕉は、渥美半島の厳しい旅からもどって、熱田(現・名古屋市熱田区)に宿泊。 熱田は東海道・宮宿(熱田宿)の宿場町。 熱田神宮の門前町として栄えた所。 芭蕉は、3年前の「野ざらし紀行」の旅で熱田神宮を訪れている。 このときは、熱田神宮は廃墟の...

2015/02/08
与謝蕪村の雛祭り「雛祭る都はづれや桃の月」

与謝蕪村の雛祭り「雛祭る都はづれや桃の月」

桃の花。 「ひな祭りイラスト素材」 より。 今は、時期的には厳冬期。 でも、青森はこのところ春めいている。 来る日も来る日も雪降り、という頃なのに。 道路の雪が融け出して、乾いたアスファルトが顔をのぞかせている。 吹雪の中で、春を待ち望む。 春は雛祭りととも...

2015/02/06

芭蕉の旅の希望「鷹ひとつ見つけてうれしいらご崎」

ついに芭蕉は、保美村で杜国と再会する。 *保美村:ほびむら。渥美半島の先にある村。現・田原市保美。 *杜国:とこく。坪井杜国。空米売買の罪で、名古屋から保美村に追放されている芭蕉の愛弟子。 名古屋から保美村まで同行した越人(えつじん:越智越人)と芭蕉は、杜国との無事の再...

2015/02/01

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